もう仕事も辞めてしまいたい。48歳「手のこわばりと痛み」で目が覚める日々。そのうち耳鳴りや排尿痛もでてきて | NewsCafe

もう仕事も辞めてしまいたい。48歳「手のこわばりと痛み」で目が覚める日々。そのうち耳鳴りや排尿痛もでてきて

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
もう仕事も辞めてしまいたい。48歳「手のこわばりと痛み」で目が覚める日々。そのうち耳鳴りや排尿痛もでてきて
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宇野薫(仮名)さんは、ある朝突然手の関節にこわばりと痛みを感じて目覚めました。

特に何かした覚えもないのに、思うように指が曲げられません。これが全ての始まりで、その後更年期障害の症状に次から次へと襲われました。婦人科にも行ったのですが、思いがけず厳しいことを言われて、足が遠のいてしまったそうです。

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手の指のこわばりと痛みで目が覚める

宇野さんは関節リウマチを疑いましたが、検査をしてもリウマチは陰性で、医師は「更年期の関節炎ではないか」と言いました。

「6年前、48歳の時のことでした。当時は手の指だけが痛かったのですが、2年前から立ち上がる時に膝の痛みも感じるようになりました。それが加齢によるものなのか更年期によるものなのかは分かりませんが、その時は特に治療はしませんでした。しょうがないと思っていました。

実は、40代半ばの時にあれこれ体の不調を感じて、更年期かもしれないと思い産婦人科を受診したことがあります。年配の女性の医師だったのですが、はっきりものを言う方で、『何でもかんでも更年期に結びつけたらダメだよ』と言われたのです。

別に怒られたわけではないのですが、体調が悪くて弱気になっている時にそう言われて、何でもかんでも更年期だと思わなくていいんだと思いました。それ以来、不調があっても気にしないようにしてやり過ごすようになりました。

病院には行かなかったのですが、整体の先生に診てもらったら痛みの原因は骨の歪みだと言われました。施術してもらったら膝の痛みは楽になりました。その後、痛みのない日もあり、さまざまな原因が絡み合って痛みを感じるのかもしれません。今も指や膝の痛みは続いています」

原因不明の耳鳴り

宇野さんは、6年前に看護師を辞めて占い師をしていました。激しい肉体労働から解放されたせいか、以前ほど強く指の痛みを感じなくなったそうです。しかし、同じ頃、耳鳴りがするようになりました。

「すごくワンワンワンワン耳鳴りがするのに、今年は蝉が鳴くのが早いなと思っていました。私って鈍感なのでしょうか、翌年も『今年は蝉が早いね』と言ったら、『蝉なんか鳴いていないよ』と言われて驚きました。思えば、夏でもないのに蝉が鳴くはずがありません。

近所の耳鼻科に行くと、大きな総合病院の耳鳴り専門外来を紹介されました。耳鳴りの治療を1年くらいしましたが、一生治ることはないと言われました。

強いストレスなどを脳が感知すると、アンテナの感度が高くなるそうです。脳がノイズを拾わない状態まで下げることはできますが、全く耳鳴りがしない状態にするのは難しいそうです。

ワイワイよく喋る人と一緒にいたり地下鉄の騒音の中にいたりすると耳鳴りは止みますが、静かな環境だとひどくなります。ラジオの周波数が合わない時にザーッという音がしますが、夜眠る時は、あれに似た音、ホワイトノイズを聞きながら寝ます。自分の耳鳴りが少しするくらいがちょうどいいんです」

排尿するときに、ヒリヒリするようになって

宇野さんは、関節痛や耳鳴り、精神的な落ち込みの他に排尿痛も感じていたそうです。

一時期ちょっとひどかったんですけど、オシッコをする時に陰部の粘膜がヒリヒリしました。ちょっと下着に擦れても痛むし、排尿痛というか粘膜が敏感になっていたのかもしれません。皮膚のバリア機能が落ちていたのでしょう。

以前クリニックでもらった更年期障害の冊子に、排尿痛を感じることもあると書いてあったので、更年期の症状のひとつなんだなと思いました」

ホルモン剤を飲んだら心身ともに回復傾向に

看護師の仕事に復帰した宇野さんですが、一時は寛解していた手のこわばりや関節の痛みに加え、肘もどんどん痛くなってきました。

「介護施設で働くようになって環境が変わり、すごく体を使う肉体労働なので、痛みがこらえられないぐらいひどくなりました。だんだん物が持てなくなってきて、これはもうホルモン補充療法をしないといけないと思い、近くの産婦人科に行きました。

最初は産婦人科に行きたくない、内診台に乗りたくないと思って二の足を踏みました。でも、そんなことを言っていられる状態ではなくなったのです。ホルモン量の検査をしたら、壊滅的にダメということはなかったのですが、下がってきているのでホルモン補充療法をした方がいいよねということになりました。

治療を始めたら、痛みが完全になくなることはなかったけどだんだん体調が良くなってきました。胸が張るとか閉経の時期なのに生理が来るなど副作用はありましたが、手指や肘の関節の痛みが取れて快適でした。

仕事のストレスはなかったのですが、離婚したり再婚したりして、人生のライフイベントが一気に押し寄せてきた時期で、なぜかうつっぽくなり、暗くなって考えごとをしていることが多くなりました。でも、それも少し上向きになって睡眠の質も良くなったと実感しました。

ホルモン補充療法をすると、閉経しかかっていたのに生理が来るとか胸が張る副作用はありましたが、それ以外に気になることはなかったので快適でした」

しかし、宇野さんは、再婚に伴う引っ越しのためかかりつけの産婦人科が遠くなり、ホルモン補充療法をやめてしまいました。転居先の病院にも行ってみましたが医師と馬が合わず、続ける気になれなかったそうです。

「ホルモン補充療法を受けるには、産婦人科で紹介状を書いてもらって整形外科を受診。骨粗鬆症の検査をしてもらったり、乳腺外来でマンモグラフィを撮ってもらったりしないといけません。あちらこちらでいろんな検査を受けて、検査結果を持ってまた産婦人科を受診します。こんなに痛いのに、時間を調整して受診するのも大変で挫折してしまいました。」

占い師の仕事をしている時は不調を忘れている

宇野さんは、占い師の仕事を続けることが心のよりどころになっていると言います。

「いつか占い師を本業にしたいなと思っているのですが、 もういろいろやれる時間もないので、やれる範囲で、いずれ飛び立つための土台の作りを一生懸命しています。片手間の副業という意識もなく、看護師の仕事と同じく本業のつもりです。看護師の仕事で嫌なことがあってむしゃくしゃしても、隙間時間に占いのことを考えると気持ちが落ち着きます。

占いのことを考えている時は痛みとか耳鳴りとか関節痛も気になりません。自営業ですからメニューを作らなきゃとかいろいろするのですが、痛みも何も忘れています。看護師を辞めたほうがいいかもしれないですね(笑)占い師の仕事はずっと座っていて、動的な動作は少ないんです。看護師はずっと立ちっぱなしなので、体への負担が大きいのかもしれません。

辞める?辞めない?看護師の仕事は好きだけど

看護師を辞めて完全に占い師だけで食べていければと思うこともありますが、看護の仕事を全くしないで専業占い師になりたいかというとそうでもありません。やはり看護の仕事は週に1、2回でも続けたいと思います。看護の仕事はやりがいが大きくて好きなんです。

でも、体力のことや痛みのことがあるので、いつ看護師を辞めようかなと考えることはあります。介護施設の看護師なので、介護士と同じような感じで利用をベッドか車椅子に移譲しますし、注射器より重いものを持たなければいけません。でも、関節痛の痛みとかでよく物を落としてしまいます。

肘が痛いのですが、肘の痛みが手の握力にも影響していて、ちょっと油断するとプラスチックのコップなどを落としてしまいます。割れるものではないのでいいのですが、落とすことが多くなりました。

それを考えると、看護師を続けるにしても、他のクリニックとか事務的な仕事が多い職場に変わった方がいいのかなとか、ずっと葛藤しています。もちろん看護師やめて占い師だけにするという選択肢もありますが、なかなか占い師だけで食べていけるかというと難しい面もあります。今は占い師のスタイルも変わってきて、TiktokやYouTubeにバンバン動画をあげて集客する人もいます。私がデビューした頃よりも競争が激しくなっています」

看護師の仕事は好きだけど、体調のことを考えるとこのまま続けるのは負担が大きいという宇野さん。再婚した時に引っ越したのを機にホルモン補充療法を中断してしまいました。今は自然に更年期障害が落ち着くのを待っています。

柴田綾子先生のコメント

■関節痛が更年期障害の症状のことがあります

実は、宇野さんのように手の関節の痛みを感じる更年期女性は多いです。海外の研究でも、日本での研究も更年期女性の50%以上で関節の痛みやこわばりがありました。骨と骨の間にある関節軟骨はクッションの役割を果たしていますが、この関節軟骨にはエストロゲン受容体があります。更年期になり女性ホルモンのエストロゲンが低下することで、この関節軟骨のクッションが少なくなることが関節痛やこわばりの原因の一つではないかと考えられています。そのような方では、女性ホルモンをおぎなうホルモン補充療法をすることで、関節痛がやわらいだり改善することがあります。

一方で、関節の痛みが強かったり、関節が腫れてきた場合は、関節リウマチなどの膠原病のことがあります。関節リウマチでは、指の第2関節や第3関節(指の付け根)が痛むことが多いです。膠原病は更年期の女性に起こりやすい病気で、専用の薬で治療します。

■更年期女性が感じるめまい・耳鳴り

更年期以降の女性では、めまいや耳鳴りを感じる方は多いのですが、その原因はまだ分かっていません。そのため、まずは耳鼻科を受診し、メニエール病や良性発作性頭位めまい症(BPPV)などが隠れていないか見てもらうことをおすすめしています。更年期に女性ホルモンが低下することで、自律神経失調症のような症状がおこり、めまいにつながっていることがあります。このような方では、ホルモン補充療法をしたり、漢方を使うことで、めまいの症状が改善することがあります。

■排尿痛やデリケートゾーンの痛みはホルモン剤で改善することも

排尿痛や腟やデリケートゾーンのチクチク、違和感、乾燥は、更年期女性にとても多い症状で、閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)と言います。恥ずかしくて、なかなか人に相談できないこともあり、多くの女性が困っています。エストロゲンの低下によって、腟や尿道の粘膜や皮膚が萎縮してしまうことが原因のため、治療は保湿や女性ホルモンを補うことになります。

まずは、顔などに使用している化粧水や保湿剤をデリケートゾーンの皮膚にも塗ることをおすすめしています(腟の中や尿道の粘膜には塗らないようにしてください)。最近では、デリケートゾーン用の保湿剤も販売されています。それでもよくならない場合は、産婦人科等で女性ホルモンの腟剤などを使ったり、レーザー治療(自費)をおこなっています。

ホルモン補充療法については日本女性医学学会のHRTガイドブックも参考にしてください。

本記事では、48歳の女性に起こった更年期の実例と、専門医のアドバイスをお届けしました。

続いての▶▶「更年期障害」どんな症状が、いつまで続くの?専門医が教えます

では、柴田先生が更年期について詳しく教えて下さいます。

◆あなたの更年期の話も教えてください。こちらから

柴田綾子先生プロフィール

柴田綾子(しばた あやこ)

産婦人科専門医・指導医、周産期母体・胎児専門医

世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。

周産期センターで診療するかたわら、女性の健康に関する情報発信や、低用量ピルや更年期障害に対するホルモン補充療法を解説するセミナーを開催している。

【著書】

女性の救急外来 ただいま診断中!

産婦人科ポケットガイド

女性診療エッセンス100

明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム


《OTONA SALONE》

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