コロナに感染してみたらわかった。スマートウォッチのデータは明らかに「ただの風邪ではない」ことを示していた | NewsCafe

コロナに感染してみたらわかった。スマートウォッチのデータは明らかに「ただの風邪ではない」ことを示していた

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コロナに感染してみたらわかった。スマートウォッチのデータは明らかに「ただの風邪ではない」ことを示していた
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前編記事『ニンバス「じゃないほう」のコロナに感染したら「あまりに咳がひどすぎて吐く」状態に。これだけは伝えておきたいコロナの「問題点」』では、10月から11月にかけてのコロナ感染の経緯をお伝えしました。この後半記事では「その感染の様子をたまたま数値的に見ることができた」報告をお伝えします。

ずっとトラッキングしていた生体データは感染症について「何を示していたか」


編集部ではこの5月から約半年に渡り、スマートウォッチ元祖の一つ「ガーミン」の端末をメンバー全員がお借りして、それぞれ異なる条件の暮らしの中で「自分を記録することで何がわかるか」実験を続けています。これは私がお借りしたモデルの初期フェイス。

これは自分で探してダウンロードしたフェイス。シンプルでものすごく気に入っています。そもそもガーミンは民生用ポータブルGPSの草分けであるため、地図と結びついた情報管理がものすごく上手なのですが、長年に渡り先端で研究を続けているため独自アルゴリズムにも定評があり、あらゆるセンシング精度が高い。かつ、老舗であるが故にアプリでの数値表現も洗練されています。睡眠、ストレス、消費カロリー、いろいろな項目が「わかりやすく」可視化されるのです。

電池の持ちがよいのも嬉しい点で、このモデルで1回充電して7日以上持ちます。というか、あまりに持つので50%以下になった経験がなく、本当のところ何日まで持つのかまだ実験していません。つけっぱなしで常時計測ができるのは非常にありがたい。

「ボディバッテリー」という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、これはガーミンの持つ概念で、睡眠の質によって電池が回復し、日中の活動によってそれが消耗していくというその「数値変動」を示したものです。

私の場合、ごく普通の日ならばだいたい下図の感じです。左端と右端が0時で、この図で24時間の変動を表現しています。青が睡眠を含む休息時、オレンジがストレス下、白い線がバッテリーの回復と消費です。

左端の0時から青い睡眠でバッテリーが回復していき、起床とともにオレンジで消費がスタート。日中の業務時はストレスが高く、夕方にピラティスをしている最中はストレスがないのですが、例えば帰宅後ごろごろしながらリラックスしてマンガを読んでいる間も脳は刺激を受けているのでオレンジになります。

コロナは軽症だったかもしれないが、普通の風邪と比較して、明らかに「普通ではない」数値

ではコロナに感染している間のストレスとバッテリーはどうだったか。

下図は0日目、咳がすごかった1日の経過です。バッテリーは5(最低値)のままぴたっと下に張り付いて動かず、また、1日中ずっと咳をしているからストレスがかかりっぱなし。オレンジになっていない黒い部分はうとうとしている最中ですが、それにしても安静の青にはなりません。

下図は1日目、コロナと気づかず外出した日。なぜか打ち合わせ中が寝たことになっていて、そのあとやや体力が回復気味になっています。ただ、どちらにせよ寝ても寝てもストレス下にあることは間違いありません。


下図はそのボディバッテリーを1か月表示にしたところ。中央あたりにがくんとへこんでいるところがありますが、ここがまさにコロナ感染隔離中の5日間です。

ここに推移を重ねてみると、

もしも本当に月曜に感染していたとするとですが、まだ発症していない、「潜伏期間」だったはずの月曜火曜の2日間のボディバッテリーががくんと落ちています。

これと同様の「サイン」は他のデータでも見てとれます。また、5日目に急激にボディバッテリーの上値が改善しているのは「眠れるようになったから」だと思いますが、こうして見てみると5日隔離というのも何となく妥当性を感じます。

ちょっと視点を変えて、下図は1か月表示にした消費カロリーです。青い部分は安静時の消費カロリー(基礎代謝)、赤がプラスの運動などでの代謝です。

真ん中の突き出たところが特に咳の酷かった3日間です。咳ってこんなに圧倒的にカロリーを消費するんですね、その割には痩せませんでした。

さて、これらもかなりの発券でしたが、いちばん「明らかすぎるな」と思った「サイン」は、HRVという項目です。

HRVが示す「回復しているようで、まだまだしていない状態」とは

HRVは「心拍変動(Heart Rate Variability)」の略で、心臓の1拍ごとの拍動間隔がわずかに変化している度合いのこと。この変動は、ストレスや疲労、体調など自律神経のバランスを示す重要な指標であり、高いほど身体が健康で適応能力が高い状態だと考えられているのだそうです。

とはいえ普段はずっとグリーン(バランス)なので、私にとってはガーミン使用スタートから半年の間、いまひとつ何に使えるのかがわからないデータでした。が、たまたまですが、10月初めに「普通の風邪」にかかっていたので、今回は偶然ですが風邪の強度の比較ができました。


左のほうの赤い部分が普通の風邪にり患したとき、右のほうの赤い部分がコロナ。こうして見てみると、コロナにり患した際には、一般的な風邪よりはるかにHRVの数値が下落しているのが見て取れます。下図に補助線も入れてみます。

いっぽう、コロナのり患期間だけのHRV推移を見てみると、下図の通りです。落ち幅を上図右側の「一般的な風邪」と比較してみると、ものすごく激しく落ちていることが見てとれます。落ちたあとは横に推移し、やがて回復するという流れです。

これが個人的にはとっても驚いたことなのですが、潜伏期間だったであろう「無症状の2日間」に、すでにHRV数値の下落が起きています。オレンジの■部分です。

下図には注釈を追記しました。感染を感じた水曜から翌週の水曜まで、調子が特に悪かった間はずっと数値が低いままであることもわかります。「隔離期間を終えたあとも、体調が悪かった日々」は、客観的にも数値が悪いのです。ボディバッテリーは前述の通り、5日目で睡眠がとれるようになってからは一気に回復しました。が、心拍の側は回復していなかったというわけなのです。

「何かに感染した」と感じたときに「どのくらい自分を休めるべきか」の目安になるかもしれない

今年度は健康診断の延長の感覚で、糖化度やボディスキャン、エピジェネティッククロックなど「自分のいろんなことを数値化してみる」機会を多数いただき、記事にしてきました。これはとってもよくて、なんでもいいから数値化してみるとリスクがうっすらわかるようになり、特別な努力まったくなく、不思議と予防行動をとれるようになります。レコーディングダイエットみたいなものですね。

この「数値化で起きる魔法」、更年期に差しかかったことで「もう無理はできないから、無理をしないように」と心が自動でセーブしてくれる、経験則による無意識の知恵という側面もあると思います。若い頃ならこうはいかなかったであろう年の功の一つなのでしょう。

「更年期過ぎたら、とにかくどんなことも自分を数値化してみるとすごくいい!」と声を大にして言い始めたところですが、中でも今回の体験で自分の基礎的な生体データが「感染症の深刻度」をある程度は表現していることがわかりました。

従来風邪ってかかったらかかりっぱなし、風邪薬飲んで寝るくらいしかできることがありませんでしたが、今後は数値推移を見ることで「1日寝込めば治りそう」か、「10日分くらい予定キャンセルしたほうがいい」か、どちらかがわかるようになったなと感じます。風邪ひとつとっても、取れる行動の幅が完全に変わりました。

逆に、メンタルがしんどいときに「うわ熱が出てる、もうだめだ」と軽微な不調を増幅して捉え、本当に不調になってしまうこともあったのですが、生体データを参照することでこれが回避できるようになりました。「いやボディバッテリーは回復してるからこれは気のせいです」ということがわかるようになったのです。

睡眠も「可視化する」ことで「あれ、私寝られてるじゃん」と満足度が激上がりした

そもそも、ガーミンを使い始めて最初に変化が出たのはまさに「睡眠」の満足度でした。これまで自分の睡眠の質はとても悪い、ぐっすり眠れていないと信じて疑わなかったのですが、数値化してみるとスコア90、95の日がバンバン出ます。

あれ、意外と私ちゃんと眠れてるんだなということがわかったとたん、睡眠の質そのものは全く変わっていないのに「私は眠れている」と満足度側が180°変わる体験をしました。これこそが「数値化で起きる魔法」の際たるものだなと痛感しています。

これは私の典型的な「よい」睡眠パターンです。寝入りばなに濃い青の「深い睡眠」を何度か繰り返し、やがて薄い青の「浅い睡眠」と濃いピンクの「レム睡眠」が交互に出る。途中に何度か覚醒していますが、すぐ再び寝ています。この日のスコアは86点となかなかの高得点です。なお、こうしたビジュアルが直感的にわかりやすいのもガーミンのよいところです。

よく「眠れなくても、横になっているだけで疲れは取れるのよ」と言われますが、あれも数値化してみると完全にその通りでした。というのも、飼っていた猫が急死してしまい、ショックのあまり一睡もできなかった日があるのですが、データを見ると思いのほかちょいちょいと寝てるいたのです。今日は眠れないからと完全に起き上がってしまわず、横になっていたほうがいいのだなと実感する出来事でした。

というわけで、コロナ体験記なのか数値化すごかったよ記なのか入り乱れてしまいましたが、私は「測って数値を見ると理解できることがたくさんある。私たちはそういう年齢になってきたから、いろんなことをどんどん数値化していくといいと思う」ととってもお伝えしたいのです。骨粗鬆症検査もしてほしい、糖化も測ってほしい、もちろん健康診断は欠かさないでほしい。

たぶん私が思いもよらない数値もたくさんあると思いますので、「こういうのも測ってみたらいいんじゃないの?」ということも教えてください。測ります!


《OTONA SALONE》

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