ジョージアに暮らす元教師のリアは、行方不明になったトランスジェンダーの姪、テクラを探すため、テクラを知るという青年アチとともに、トルコ・イスタンブールへと旅立つ。しかし行方をくらませたテクラを見つけ出すのは想像以上に困難だった。やがてリアは、トランスジェンダーの権利のために闘う弁護士、エヴリムと出会い、彼女の助けを借りることに。なぜテクラはジョージアを離れたのか。東西の文化が溶け合うイスタンブールを舞台に、テクラを探す旅を通して、リア、アチ、エヴリム、3人の心の距離が、少しずつ近づいていく――。
言葉も世代も文化的背景も異なる人々が、ときにすれ違いながらも、互いを分かり合おうと寄り添う姿を静かにあたたかく描き出した本作は、第74回ベルリン国際映画祭で、LGBTQ+をテーマにした作品に贈られる最も歴史のある映画賞であるテディ賞の審査員特別賞を受賞。映画批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家たちから97%という高い支持を得た。
監督・脚本は、前作『ダンサー そして私たちは踊った』(19)で、第92回アカデミー賞国際長編映画賞のスウェーデン代表に選出されるなど国際的に高い評価を受けた、レヴァン・アキン。階級やジェンダー、セクシュアリティといったテーマを一貫して探求してきたアキン監督は、本作『CROSSING 心の交差点』の製作にあたり、ジョージアのトランスジェンダーの少女と、彼女を支え続けた祖父との実話に着想を得、綿密なリサーチを重ねて、イスタンブールのトランスコミュニティを描き出した。エヴリム役には、実際にトランス女性であるデニズ・ドゥマンリを起用し、現地のクィアコミュニティからスタッフを迎え入れるなど、製作の姿勢にもリスペクトが込められている。
この度完成した日本版ポスタービジュアルには、イスタンブールの街角で姪を探すリアの姿が映し出されている。その後方には旅を共にする青年アチ、前方には2人の手助けをする弁護士エヴリムがそれぞれの思いを胸に、路上を歩く姿が切り取られている。さらに、「猫の街」として知られるイスタンブールらしく、路上には猫の姿も。「静かに交わる、それぞれの人生」というキャッチコピーが添えられ、異なる立場や背景をもつ3人の人生がどのように交差し、ひとつの物語を紡いでいくのかを期待させるビジュアルとなっている。
さらに場面写真8点が解禁。イスタンブールの景色を望みながらフェリーに乗るリアとアチの姿や、街角でダンスを楽しむリア、トランスジェンダーの権利を中心に活動するNGO「ピンクライフ」の事務所で働くエヴリムの姿などが切り取られている。『CROSSING 心の交差点』は2026年1月9日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開。



