問題発言ばかり、それでも強い石原慎太郎
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一方、非実在青少年に対しての発言、今回の東日本大震災についての「天罰」発言などで批判も多い石原氏。東京外では「なぜ都民は石原を選ぶのか」「東京にがっかりした」などの意見も相次いでいる。なぜ都民はこういった問題発言が続いても石原氏を選んだのだろうか。
石原氏は知事として東京都の財政再建、ディーゼル車の規制強化、新銀行東京の設立、都立大学の再編、1000人規模の警官の増員と取り締まりの強化など、あらゆる政策を推し進め一定の成果を上げたことで知られている。事実、今日の東京都の財政は鈴木元知事(故人、1979年~1995年)の水準から大きく回復しており、東京都内におけるディーゼル車の発癌性物質を含む排気ガスも大幅に減少している。治安対策に関しては特に力を入れており、歌舞伎町における違法店舗が激減したりと、目に見える効果を出している。
一方で強引なやり方と歯に衣着せぬ態度に対する反発も多い。障害者や同性愛者、さらには老人といった社会的弱者に対する問題発言も見られ、関連団体とトラブルになることも少なくない。
しかしそのようなトラブルが報道されたにも関わらず、根強い支持を集めるのには、石原当人の政治方針とその業績、そして誰かに言って欲しかった本音をはっきり言う、という特徴が多くの人が考える石原評だと専門家は分析する。たとえ言葉自体は乱暴でも、無難な答弁に終始する官僚出身の政治家と異なるという。
4月10日の会見は、まず投票が締め切られた直後に当選確実と報じられたことに「よくないと思うね」と報道への注文から"石原節"を全開した。「パチンコと自動販売機、あわせて1000万キロワット近い電力が、さほど必要でないのに使われている。そんなモノなくても生きていけるじゃないか!」と切り捨て、「こういうムダに近い電力の消費を抑制しないと。担当大臣がニコニコやって来て『節電よろしくお願いします』と私と握手して。そんなもんですむものではない」と蓮舫節電啓発担当相(43)をあてこすった。
「東京は力があるから、その力を国のためにささげようじゃないですか。復興のお金はどうするか。グローバルマネーを基金にすればいい。世界中の人を組み込むことで復興を早めたい。そのためにみなさんの知恵と力を借りたい」 東日本大震災からの復興では、国民生活に我慢を求め、政府を批判しながら、そんなアイデアも示した。
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