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ポスト遠藤を探せ

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現代サッカーで最も重要なポジションはどこか? そう聞かれた場合筆者はすぐに「ボランチ」と答える。ボランチという言葉はポルトガル語で「ハンドル」や「舵」を意味する。まさにゲームをコントロールする非常に重要なポジションである。

ボランチにも様々な役割がある。ポゼッションサッカーの司令塔の役割を果たすシャビのような選手もいれば、レアル・マドリード時代に守備のバランスをとり続けたマケレレのような選手もいる。日本代表でボランチといえば真っ先に名前が挙がるのが遠藤保仁だ。

今年31歳になる遠藤は"黄金世代"と呼ばれたメンバーの中で唯一代表に生き残っているベテラン。06年W杯までは同世代の稲本、小野の影に隠れた存在であったが技術、パス、広い視野、ゲームの流れを読む能力は日本人ではずば抜けており、年齢を重ねても衰えるどころかさらに進化している。

遠藤の凄さは一見すると分かりづらいかもしれない。どちらかといえば玄人向けのタイプだ。何よりミスが少ない。縦パスひとつを取ってみても「何でそこが見えてるの?」と思うようなプレーを簡単にこなしてしまう。相手のタイミングを外す能力も絶妙で敵にとってこれほどやっかいな選手もいない。

そこで今後大きな問題となってくるのが遠藤が不在の場合どう戦うか。これはザッケローニ監督が1番頭を悩ませている問題かもしれない。8月に行われた韓国戦では後半から家長を遠藤の位置でテストさせたが、思ったように機能せず結局サイドにポジションを変更している。単純にバランスをとるだけの話なら阿部、細貝など優秀な選手はいる。しかしザッケローニ監督の目指すシンプルに縦にボールを運ぶサッカーには遠藤の存在が絶対となっている。

代わりの選手として可能性を感じるのは2人。まずは先日の北朝鮮で久々の代表復帰を果たした中村憲剛。ゲームをコントロールする能力は遠藤とそん色なく攻撃力だけを考えると中村の方が上かも知れない。ザッケローニ体制ではまだ出場機会はないが30歳を越えた今もJリーグで高いレベルのプレーを続けており、遠藤不在の場合のオプションとして最も計算できる選手だ。

もう一人は流通経済大学のU-22日本代表の山村和也。高校時代にはディフェンダー経験もある守備能力にすぐれたMFだ。来季から入団する鹿島アントラーズではディフェンダーとして経験をつませるプランもあるというが、U-22での戦いぶりを見ているとボランチが最も適したポジションにみえる。淡々とプレーをこなす姿は遠藤を連想させることもあり、ボランチとして間違いなく今後代表争いに加わっていく1人だ。

ハードな練習量で知られる鹿児島実業出身の遠藤はおそらくブラジルW杯まで今のクオリティをキープすることはできるだろう。ただし保障はないだけに、代表チームは遠藤がいなくても今の強さをキープできる準備は必要だ。それほど代表にとって遠藤の重要性は大きい。今後日本代表はアウェーでの過酷な戦いが待っている。思わぬ相手に足をすくうこともあるだろう。"ポスト遠藤"に名乗りを上げるのは果たして誰か…。この問題は早急に解決する必要がある。

《NewsCafeコラム》

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