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3シーズンぶりの優勝を目指す巨人。
今季は投手に日本を代表する左腕の杉内、昨季パ・リーグで最多勝のホールトンをソフトバンクより獲得した。内海、沢村、ゴンザレスに加え若手の宮国が先発陣に割り込む。特に柱たるべきエースが不在だった中で、杉内の存在は大きい。内海や沢村らはプレッシャーから開放され、活躍が期待される。打者では守備の悪いラミレスを放出し、ベイスターズの村田を取る。新外国人のボウカーも好調で選手層も厚く、欠点が見つからない。早くもダントツ優勝の声すら上がっている。

そんな白けた中で、場外熱戦が始まった。
朝日新聞が、巨人主力6選手の入団時に球団申合わせを大きく上回る契約を結んでいたことをスッパ抜いたのだ。

新人契約金は「1億プラス出来高払い5000万」の申合わせがあったが、97年高橋由伸に6.5億円から上原浩治・二岡智宏・阿部慎之助・内海哲也そして野間口貴彦に7億円まで、合計6選手に36億円。27億円が標準報酬額を超える内容だったと報じた。

野間口との内部文書も開示された。

「一括払いだと翌年高額所得者番付に登場することは確実。球界ルールを越えての契約金を受け取ったことが判明。野間口にも、球団にもまずいことになる」

ルール違反を承知の上での文書だった。

「最高標準学は上限ではなく、目安」という12球団の申し合わせを根拠に「ルール違反は一切なかったと言うのが球団の認識」と球団社長。朝日に抗議書を出した。

"ダーティ巨人"、"暴君会長"を強調することで読売離れを起こし、あわよくば自社に取り込もうとする狙いが新聞社には伺える。朝日の報道が内部極秘情報を基にしたことを問題視し、「情報を流した人間は1人しかいない」と清武元代表を暗示。刑事告発も視野に入れていると会長は気炎を上げている。

この問題、プロ野球ファンとして冷静に見れば高橋ら6人への36億円の投資効果だ。

上原、二岡はすでに巨人を去り、高橋、阿部、内海は現役だが、そこまでに達するには裏切りが続いた選手。野間口に至っては7年間で12勝13敗。超高額投資の期待にそぐわなかった。

まずは球団の選球眼のなさを問題にすべきだろう。ファームを充実させ山口、松本を輩出させるなど若手育成に力を入れた清武前球団代表は去り、今季の補強も昔の札束攻勢に戻った感もある。

プロ野球は日本の伝統文化と言い、その盟主を名乗るのなら、自分に好都合なダブルスタンダードを脱し、苦しくても若い選手を育て上げる情熱がほしい。怪老人に鈴を付け、ウミを出さない限り新聞だけでなく、プロ野球からファンは去ってしまうだろう。

[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]

《NewsCafeコラム》

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