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ソチ五輪へ向けて

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フランス、ニースで行われたフィギュアスケート世界選手権。日本からはシングルに男子は高橋大輔、小塚崇彦、羽生結弦。女子は浅田真央、村上佳菜子、鈴木明子のフル出場となった。男子は高橋が銀、羽生が銅と2つのメダルを獲得。女子はフリーを前に最終組に3人が残り、大いに期待されたがメダルは鈴木の銅だけに終わった。

最終日の女子で表彰台に上がった3人は、いわばベテランぞろい。優勝したカロリーナ・コストナーはイタリアの新星として地元トリノ五輪で期待された。しかし、ここ一番と言うときにミスが出る。大舞台でのタイトルを逃してきている。今回は10回目の世界選手権。SPでは3位だったが、フリーを完璧に滑り逆転で初の栄冠を手にした。

「今の気持ちはとても言葉では言い表せません」と目をうるませたコストナー。2位はロシアの21歳アリョーナ・レオノワだった。ロシアには、15歳のエリザベータ・トゥクタミシェワなど世界ジュニアを征した若手が沢山いる。数人は来年からは年齢制限も消え世界選手権に出場できる。SPで首位に立ったレオノワはフリーでもほぼノーミスで滑りきったが、すべりに硬さが出た。コーチのモロゾフに昨年の安藤美姫に続いて金メダルをプレゼントすることはできなかった。

鈴木はSPでは5位と出遅れたが、フリーでは後半のルッツを除くとノーミスの演技。努力と経験を積んだスケーターらしく、最後まで丁寧に安定した演技を披露した。演技の面でワンランクアップした印象だ。昨年は出場できず悔し涙を流したが、今年は27歳の誕生日に自ら世界選手権初のメダルをプレゼントした。

日本のエース浅田真央。SPでもフリーでもトリプルアクセルに挑戦したが、成功しなかった。特にフリーでは1回転半しか跳べず、ほかの5つのジャンプでもミスを続けた。日本の練習ではトリプルアクセルをかなりこなしていたが、ニースに入って跳べなくなった。それでも挑戦したのは、この3回転半を昨年亡くなった母親と2人3脚で練習してきた拘りがあったからだ。
バンクーバーの翌年は絶不調。今年は徐々に調子を取り戻していたが、やはり最愛の母親の死は少なからず影響があっただろう。今は「なかなかうまくいかない」と悩む。15歳から日本のエースとして期待され、メディアに注目されてきたが、負けず嫌い、まじめな性格が今自分自身を追い詰めている気がする。来季は思い切って公式戦欠場したらどうだろうか。ゆっくり休養し、気ままに練習し、体も心もリフレッシュしてソチ五輪に臨んでほしい。

ところでソチ五輪から始まるフィギア団体。シングルは男女とも強いが、ペアとアイスダンスが日本は弱点。アイスダンスはリード姉弟が出てきた。母親が日本人で日米両国の国籍を持っていたがモロゾフコーチのアドバイスで日本国籍を取得。現在は日本のNO.1だ。

問題はペアだが、今回高橋成美、マービン・トランが日本連盟所属選手として初めて銅メダルを獲得した。これまで日本が不得手とした種目だけに快挙だ。ただしトランはカンボジャ・ベトナム難民の両親のもとでカナダで出生。国籍はカナダ。シングルは男女共に強いだけに、もしトラン選手が日本国籍を取得すれば、ペアでもメダルの期待が高まる。最後はトラン選手の気持ち次第となる。しかし基本は協会が本腰を入れてアイスダンス、ペアの育成に力を入れることだ。

[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]

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