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試練のとき

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6月19日、なでしこジャパンはアメリカ女子代表と対戦し、1-4で敗れた。
結果は残念なものになったが、あくまでも照準を合わせているのは、ロンドン五輪。約1ヶ月後の本番に向けて、ひとつひとつ確認作業をしている段階だ。

6月11日からスタートした国内合宿、スウェーデン遠征では、本番を想定して様々な取り組みをしてきた。そのひとつが、フォーメーションのオプションである。なでしこジャパンはこれまでの中盤をフラットにした4-4-2に加えて、4-1-4-1または、4-3-3の陣形を試している。

この陣形は、北京五輪前の2008年6月の女子アジア杯、昨年の女子W杯のメキシコ戦、ロンドン五輪アジア最終予選の韓国戦など、試合中の短い時間ではあるが試したことはあった。しかし、その度に上手く機能しなかった印象がある。それは、目的を持ってじっくりと取り組んでこなかったことにあるだろう。

今回、佐々木則夫監督は「試合中のオプションの1つとして取り組んでいる。ダブルボランチだと早い展開についていけないこともあるし、相手の中盤の枚数が多いときに変化をつけるためでもある」と、その狙いを語った。
また、グループリーグのキックオフ時間が早いことを考慮して、「暑い中の試合で、前線からプレッシャーを掛けられないときの対応策としても考えている」と、あらゆる事態を想定しての試みであるという。

さらに、キャプテンの宮間あやは、ロンドン五輪のグループステージの相手を見据えて次のように語ってくれた。

「カナダは4-4-2で中盤がひし形です。例えばトップ下の選手が掴めなかったときに、中盤の底のポジションに入る選手が、そこをしっかりブロックできるなど、守備的な伏線にもなると思う。また、南アフリカのようにサイド攻撃を仕掛けて、サイドバックが高くなるようなチームと対戦するときには、相手の背後のスペースを(日本の)サイドの選手が使えるので、攻撃的な意味合いもある。スウェーデンのように、中盤を3人で構成してくるチームとやるときにも、効果的かなと思います」

所属のINAC神戸でも4-3-3の左ウイングを務める、川澄奈穂美は、「チームでやっているものなので、やりやすかった。4-3-3の方が人と人との距離が近い。(FWとしては)中盤との距離が近いので、大きい展開をされたときに、両サイドでの1対1もやりやすくなる」と手ごたえを掴んでいるようだ。

このフォーメーションを本番で使うかどうかについては、まだわからない。宮間が「オリンピックに向かって徐々に準備できていると思う」というように、着々と準備を進めているなでしこジャパン。本番で最高の結果を残すために、課題を1つ1つクリアしていく過程を楽しんでいるかのように見えた。

[女子サッカーライター・砂坂美紀/ツイッター http://twitter.com/sunasaka1]

《NewsCafeコラム》

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