前田敦子なきAKB48はどこへ | NewsCafe

前田敦子なきAKB48はどこへ

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秋元康がプロデュースするアイドルグループ「AKB48」のセンターを務めていた前田敦子さん(21)の卒業公演が27日、東京・秋葉原のAKB劇場で行なわれました。
卒業公演は動画サイトのYouTubeでストリーミング放送され、再生回数は25万を越えていました。また、公演の後半はフジテレビでも放送。視聴率は平均で14.3%を記録しています。まさに、「前田敦子卒業」は国民的な関心ごとだったとも言えます。

AKB48の前田敦子卒業については、一アイドルグループの中のことであり、大々的に取り上げることに賛否があります。私もどちらかといえば、アイドル好きな方ですが、取り上げ過ぎという印象を得ています。21歳での出来事で言えば、山口百恵がその年齢で三浦友和と結婚し、引退をしています。しかし、前田敦子は引退ではなく、あくまでもAKB48を卒業するだけ。女優の道に進むため、見られなくなるわけではないのです。しかし、最初から設定された年月での卒業ではありません。

では、卒業の理由とは何か。「後輩のため」を自らあげています。「不動のセンター」と呼ばれ、AKBの総選挙でも、一度は大島優子に破れたものの、復活で一位を獲得するなど、グループ内での絶大なる人気を保っていました。そのために、自身がAKBから去ることで活性化を図ろうとしたのです。さらに、AKBでなくても、芸能界で生き抜けることを見せつけたいとの想いもあったようです。もし、前田が成功すれば、AKBは芸能界の登竜門になりえる…そのため、厳しい決断だったと言えます。

しかしながら、そんなグループ内事情でなぜ、メディアが騒ぐのか。それはひとえに「売れる」からです。7年前のAKB48は、秋葉原のいわゆる"オタク"が育てたインディーズのグループでした。しかし、徐々に人気を獲得し、AKBを取り上げない週刊誌はなくなっていました。もちろん、取り上げれば売れるわけですから、メディアとAKB48との関係も「良好」になり、スキャンダルはほとんど出ません。AKB48を批判的に取り上げるのは「週刊文春」と「サイゾー」くらいでした。それも、批判することで売れることを狙ったのですから、いずれにせよ、「売れる」から取り上げたのです。

こんな状況なため、前田敦子卒業をスルーして、話題にしないことも一つの選択です。卒業前の東京ドームコンサートまでは、私も話題にしないつもりでした。しかし、人気とはいえ、東京ドームでの成功は国民的なアイドルとして勝ち上がった成果です。山口百恵の引退は後楽園球場でしたが、それをはるかにしのぐ動員数です。浜崎あゆみの東京ドームコンサートは行ったことがありますが、それに匹敵します。もちろん、「前田敦子引退」が付加価値としてあったことは言うまでもありません。

キャンディーズは「普通の女の子に戻りたい」と宣言し、解散しました(のちにそれぞれが芸能界に復帰)。卒業と言い出したのは、「夕焼けニャンニャン」から出た「おニャン子クラブ」だった気がします。これも秋元康プロデュースでした。のちのつんく♂プロデュースの「モーニング娘。」もメンバーが卒業し、入れ替わることで現在も活動を続けています。人気が出ている「ももいろクローバーZ」は、メンバー1人が脱退したものの、「ももいろクローバー」から改名して続けています。

女性のアイドルグループは、年齢的な条件が求められます。そのため、「おニャン子」以前はグループ自体を解散させることが普通だったかもしれません。しかし、グループがブランド化することによって、メンバーの入れ替わりをさせることでグループ自体を延命させています。「モーニング娘。」は、人気絶頂期ほど話題にはならず、メンバーの名前もあがりませんが、グループとしての完成度は上がっているように感じます。

AKB48は、名古屋のSKE48や大阪のNMB48、福岡のHKT48、また秋葉原で20歳以上を集めているSDN48があります。AKB48の姉妹グループを国内に広げて、裾野を広くしようとしているようです。また海外にも目を向けており、上海のSNH48に宮澤佐江や鈴木まりやが、ジャカルタのJKT48に高城亜樹と仲川遥香が移籍することになっています。こうした戦略が成功するのでしょうか。

AKBブランドが広がり、若い女性たちの夢を叶えることができるのかは今後も注目したいところです。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]

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