【最終回:編集後記~Newsスナック】さよならだけが人生だ
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特に恋人との別れ。
卒業・転職などによる別れはまだいい。仲がいい友達とは、その気になれば友達として、また会うことができる。
しかし、恋人との別れはそうはいかない。
物理的には会うことはあるにせよ、別れによって、恋人としての関係を終わらせるのだから、次に会うときはもう恋人ではないのだ。
別れを恋人に切り出すのは、もうダメだと解っていても、すでに気持ちはお互いに終わっていると解っていても、かなりの難易度である。
私も何度か恋人との別れというものを経験したが、別れを告げるのも告げられるのも本当に苦しいし……とにかく面倒くさいのだ。
面倒くさいのが嫌で先延ばしすればするほど、またこじれて、さらに面倒くさくなるのである。
別ればかりは何度経験しても上達しない。そもそも、そんなもの上達などしなくていいのだが。
結婚したとき、最初に感じた嬉しさは、「ああ、これでよっぽどのことがない限り、別れなくていいのだ」ということであった。
結婚しない恋愛は、ほとんどの場合、終わりがくる。「結婚はないかな」と、どこかでお互い思いながらの恋愛というのは、別れへのカウントダウンを刻んでいるようなものだ。
結婚したときは、もう別れから開放されるようで、本当に嬉しかった。そして正直にいうならば、嬉しさよりも「助かった」という感情が強かった。
「これで滅多なことで、さよならを言われたり、言ったりしなくてすむのだ。あの面倒から開放されるのだ。ああ助かった」といった感じであった。
とはいえ、離婚も多い昨今である。実際には、まったくもって油断はならないのである。
しかも離婚のストレスは相当なものと聞く。それは、それは大変なのだと経験者は語る。ストレスに弱い私は離婚をその話を聞くだけで、自分が離婚することを想像するだけで胃が痛くなる。
自分は離婚のストレスに耐えることができるだろうか……。まったく自信がない。
これからも結婚生活を持続できるよう、とにかく頑張ろう。
さて、突然ですが、このコラムは今回が最終回になります。
お読み頂いたすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。最後に私の好きな井伏鱒二の言葉に添えてお別れを。
「花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ」
ニュースも人も移ろっていきます。良いときも悪いときも長くは続かない。出会いがあれば、必ず別れがあります。
だからこそ、皆様に私の拙い文章をお読みいただけたことは、私にとって奇跡のように幸運な出会いでした。ありがとうございました。
そして、さようなら。
[編集後記~Newsスナック/NewsCafe編集長 長江勝尚]
《NewsCafeコラム》