崩壊直前の「ナウル共和国」とは
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先日、2ちゃんねるで盛り上がりを見せた『世界史上で一番クズな国ってどこよ?』というスレッドで度々名前があがったイギリス連邦加盟国である。
非常に小さい国で人口は1万人弱。アホウドリら海鳥の糞の堆積によるリン鉱石によって栄え、かつて"一人当たりのGDPが2万ドル超え"という世界で最も高い生活水準を享受していたことで知られている。税金を徴収されることはなく、医療や教育費は無料。結婚をすると新居を与えられ、ベーシックインカムが全年齢層対象など手厚い社会福祉を支給してきた。現金で満ち溢れていたため公共サービスは無料、学生は留学し放題、個人の家の家事までも外国人のメイドを雇うほど国民の生活は潤っていた。まさにユートピア国家である。
ナウル政府は有り余るお金を海外にも投資したが、1990年代後半にリン鉱石の産出量が減り始めた。一つの資源に頼りきった国の経済崩壊がここから発生する。
リン鉱石の他の産業分野はほとんどなく、海に囲まれた国にも関わらず漁業は行われない。というのも、国民自体に「労働」の意思がないのがこの国の恐ろしい特徴だ。国の歳出は減らずにいるため、次第にパスポートを密売するなど犯罪支援国家に変わっていく。
長年のユートピア生活から生活力が養われるはずもなく、一日中遊んだり食べたり飲んだりの繰り返し。国が危機的状況にあるにも関わらず、産業分野を広げるなんてアイディアは皆無だった。2000年以降は中国やオーストラリア、そして日本にも「IWC(国際捕鯨委員会)への加盟」と「商業捕鯨への賛成」の引き換えに経済援助を引き出している。
現在のナウル共和国というと、今まで採掘されなかった地下層からもリン鉱石があると分かり燐鉱を露天掘り。国土である島はクレーター状になっており荒廃となっている。また過去の食生活がたたって国民の半数以上が糖尿病だという。国民全員のオーストラリアへの移住が検討されたり、カジノとの吸収合併案など未だ混乱中。半世紀で起こった"信じがたいユートピアの崩壊"として多くのジャーナリストが取材を続けている。
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