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新語流行語大賞は四つも。どうせなら...

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今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に四つが受賞しました。NHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」で使われた「じぇじぇじぇ」、TBSのドラマ「半沢直樹」での決め台詞「倍返し」、予備校講師が使っていた「今でしょ!」、東京オリンピック誘致のプレゼンでのひと言「お・も・て・な・し」。なぜ、四つだったのでしょうか。事務局では「甲乙付け難い」と理由を述べています。しかし、そこを選ぶのが事務局の仕事ではないか、と思ってしまいます。

もちろん、四つの言葉ともそれなりに使われていましたし、これまでの「新語・流行語大賞」の受賞語が必ずしも、その後も使われるとも限りません。2006年の「イナバウアー」というのも、当初からメディアで使われることはあったかもしれませんが、日常生活で流行することはなかったように思います。今では「死語」になってしまったのではないでしょうか。

また、2012年のは「ナマポ」がノミネート候補に選ばれたことがありました。「ナマポ」は「生活保護」のことです。私は特にネットの中でその言葉を見たりました。ただ、「ナマポ」は、生活保護受給者を揶揄すること文脈で使われ、受給者への差別につながるおそれがあるとして、対象外になりました。

一方、かつての流行語が復活する場合もあります。2005年に選ばれた「想定内(外)」は、堀江貴文さんが使っていた言葉でした。この年、堀江さんはニッポン放送の株を35%取得し、フジテレビ買収騒動起こしました。また、総選挙にも出馬するなど、まさに時代の寵児でもありました。しかし、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部が捜査に乗り出した時期でした。この「想定外」は、2011年の東日本大震災やそれに伴う原発事故でも使われるようになりました。

そもそもこの賞は「1年の間に発生したさまざまな『ことば』のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その『ことば』に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの」です。毎年12月上旬に発表されています。

テレビドラマのタイトルそのもの選ばれたこともあります。1997年の「失楽園」や2008年の「アラフォー」です。しかし、「じぇじぇじぇ」や「倍返し」のようにドラマの台詞が選ばれるのは多くはなく、1994年の「同情するならカネをくれ」(日本テレビのドラマ「家なき子」での、安達祐実が演じた相沢すずの台詞)以来だったのではないでしょうか。その意味では、テレビが元気だったとも言えなくもありません。

しかし、どうせ大賞が四つになってしまったのなら、選考委員特別賞となった、楽天ゴールデンイーグルスの「被災地が、東北が、日本がひとつになった 楽天、日本一をありがとう」も受賞してもよかったのではないか、と思ってしまいます。被災地と野球をからめた言葉は1995年に、阪神淡路大震災で被災地だった神戸を本拠地にし、翌96年に日本一になったオリックス・ブルーウェーブがスローガンにした「がんばろうKOBE」もありましたから。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]

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