ソチ五輪の裏側、珍事件連発
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■ソチ五輪は、過去に前例のないほどのお金と人員を割いて行われた大会だった。その開催費用は5兆円、バンクーバーの50倍と言われている。しかし、現地ではあまりにもお粗末なハプニングが多発。
【未完成のホテル】
五輪が開幕しているのにもかかわらず、なお建設中のホテルがあった。大会を取材する記者の中には、ソチ到着後に宿泊先のホテルが未完成という事実を知り、別の宿舎に移動したケースも。建設が遅れた要因は様々。その一つにあるのが、建設現場での不当待遇だ。建設作業員の違法雇用が組織的に行われるが、現地当局が貴重な労働力を取締る。そんなイタチごっこが繰り返され作業に遅れが生じたそうだ。この事態に、IOC会長も心底同情していた様子だった。
【恐ロシア…お粗末すぎる実態】
水の出ない水道なんていうのは当たり前。茶色い水道水が出てきたり、さらには食事で出てきたハチミツの中に蜂が混入している始末。斜め上をいくロシアクオリティーにメディアは大騒ぎ。さらにその上をいく珍事件が選手村で起きた。ボブスレー米代表選手がバスルームの鍵が開かず閉じ込められる事件が起こった。しかし本人はドアをブチ抜き脱出に成功し、「ボブスレーの練習を生かしてブチ破ってやった」とユーモアをちらつかせコメントしている。また、同選手は別の日に、エレベーターにも閉じ込められている。
【ソチに溢れかえる野良犬】
選手や観光客など五輪関係者の中でつねに話題にあがるソチの野良犬たち。ソチの町中には溢れかえるほどの野良犬たちが彷徨っていた?
メディアセンターや競技会場に入り込むワンコ、外では子どもが噛まれる事件などが起きており、現地入りした人たちは気が気でなかったそうだ。大会前には7000匹にものぼる野良犬の殺処分をしており、さらなる事態を重視したロシア当局は「野犬掃討作戦」を決行した。その功を奏した格好だが、今度は逆に、忽然と野良犬が姿を消してしまった...これには海外メディアや動物愛護団体からの疑問の声が上がり炎上状態に...中には、その事態をみかねた22歳のアメリカ人フリースタイルスキーの選手(今大会銀メダルリスト)が4匹の子犬を引き取り、救出したエピソードもあった。ソチの町を自由気ままに闊歩していたワンちゃんたち。果たして、その運命は?
■世界的なイベントには国境を越えた感動話がほしいですよね?今回もソチ五輪で世界を感動させたある"偶然"が生んだ感動物語があった。
【五輪のヒーローに称賛の嵐】
それは、11日に行われた「クロスカントリー男子スプリント準決勝」での出来事だ。地元ロシアの選手が転倒し、スキー板が破損。その場を見ていたカナダのコーチが自分の持つスキー板を履かせ、ロシアの選手は大歓声の中ゴールした。その行動に「五輪のヒーロー」と称賛する声もあがった。一方、助けた本人は「地元ロシアで恥をかかせるわけには...何もしないなんてことはできない」と冷静に語った。遡ること2006年にも似たようなレース中の出来事があった。
トリノ五輪「クロスカントリー女子団体スプリント決勝戦」でカナダの選手のストックが折れてしまい、みかねたノルウェーのコーチが新しいストックを渡した。実は事故が起きたときカナダは4位まで後退しメダル圏外におり、助けたノルウェーのチームはメダル圏内だった。このまま放っておけば...と誰もが考えるはず。その結果、カナダは順位を上げ銀メダルを獲得し、助けたノルウェーは4位となりメダルを逃したことに、両国で話題騒然となった。しかしノルウェーの人々は批判等をするのではなく、このコーチを讃えたのだ。カナダからはノルウェーのコーチに7400個ものメープルシロップが送られたそうだ。
初めに話した「五輪のヒーロー」カナダのコーチは結婚しており、妻は元アスリートでトリノ五輪の「クロスカントリー女子団体スプリント」のチーム員で、チームメートがストックを折る事故を起こしていたそうだ。あれ?もしかして...スゴイっ!!
※画像は子犬を救った22歳アメリカ人のGus Kenworthy選手
参照元:Sochi 2014-Fail Blog
【執筆者:王林】
《NewsCafeコラム》