WINWINでウハウハのテレビ局って?

10月クールの連続ドラマがようやく出そろい、テレビ局関係者や俳優陣関係者が視聴率に一喜一憂している中で、「民放に限っていえば、テレビ東京が穴馬として化けそうです」とはテレビ誌デスク。
テレビ東京はネット局が少ないため、初回視聴率比較からはずされることが常だが、濱田岳(27)主演「釣りバカ日誌~新入社員浜崎伝助」の初回視聴率が10・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したことが話題になっている。
「映画シリーズで西田敏行(67)が演じた釣り好きサラリーマン・ハマちゃんの新入社員時代を描くドラマ。濱田のキャスティングは放送前から納得のベストキャストと言われていましたが、結果は大当たりでした」
ハマちゃんの釣り仲間社長・スーさん役を演じていた三國連太郎氏(享年90)亡き後、人気シリーズの今後が心配されていたが、西田がハマちゃん役からスーさん役に転じるというひねり技も見事だった。
「ドラマ版は元祖である映画版制作の松竹も参加し、全面協力。新キャストへのブーイングが起こらないよう、作戦会議。三國氏の実子である俳優・佐藤浩市(54)も当然、候補だったようですが、年齢・挌的にポジションが難しく、結果的に安易な選択に走らなかったのがよかったのでは」
濱田はドラマの会見で、いちファンとして主演という立場に悩んだものの、「自分なりのハマちゃんを演じようと思った」と心情を吐露している。
「日本人なら誰もが濱田の心境を理解したはず。初回はスペシャル版でスタートしましたが、テンポもよく、ベテラン勢の演技力による安心感もあり、音楽やアドリブも楽しめて、あっという間の2時間で面白かったですよね」。
加えて、万年係長・朝本信一郎役の武田鉄矢(66)もなかなかの存在感だった。
「新しい『釣りバカ』をまずは違和感なく受け入れられたという評価が多いですね。キャスティング・脚本・演出の三位一体のバランスがよく、早くもシリーズ化が期待されています」
テレビの視聴率に関してはとかく数字だけで判断されがちだが、「水戸黄門」(TBS系)のような長寿番組になってほしい。
「今の時代、2ケタいけば合格点ですが、テレビ東京での2ケタは快挙。ウラを返せば数字(視聴率)によってすぐ打ち切る民放の中で、テレ東は『民放最後の良心』と言われ、俳優陣のほうでも『テレ東のドラマなら…』と出たがる局です」
テレ東の連続ドラマに関しては、金曜夜が常設枠。山口智充(46)主演「保育探偵25時」や、高橋克実(54)主演「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」などは平均視聴率3%台で苦戦したが、大御所の北大路欣也(72)主演「三匹のおっさん」などはシリーズ化されるなど好評だ。
「局のステータスや視聴率は関係なく、役者としてのクオリティー重視派にとってテレ東は穴馬的存在です」(先のデスク)
いまひとつブレークできない濱田の出世番組になればいいのだが…。