記者「暮れの大みそか、NHK紅白歌合戦の舞台に4年ぶりに復活した歌手、小林幸子(62)なんですが…」 デスク「企画枠の出場ながら、小林は音声合成ソフトが歌うボーカロイド曲『千本桜』を大がかりな衣装セットを駆使して熱唱したよね」 記者「同時にニコニコ生放送とコラボし、ネットユーザーがリアルタイムで投稿したコメントをテレビ画面上に流すという斬新な演出で注目を集めました…」 デスク「紅白に復帰できたのは、ネット民さまさまってか」 記者「そう、小林は彼らの巨大な力にいち早く気づいたのです。今まで33回も紅白に出場していながら、急に干されてしまったきっかけは、小林の個人事務所『幸子プロモーション』の女性社長との確執でした」 デスク「ああ、小林の夫(53)が芸能界の慣習を知らずに経営に口出しし、女性社長と専務を排除したんだよね。怒った女性社長は親しかった芸能界のドンに泣きつき、小林を芸能界から干してもらうことで報復…」 記者「結果、事務所問題後は、NHKだけでなく、どこの番組も小林を使わなくなりました」 デスク「それが復帰できたのは、芸能界のドンに土下座して多額の金でも払ったてか」 記者「いや、彼女はドンに媚びを売ることなく、新規ファンの開拓を考えたんです」 デスク「それがネット民だった、と」 記者「今まで、芸能人が運営するブログが炎上し、多数閉鎖に追い込まれるのを見ていて、この強大な力を味方につけたらすごいことになると直感したわけです」 デスク「目の付け所がよかったな」 記者「もちろん、小林は相当な努力もしていますよ。2012年にニコニコ生放送に出演を皮切りに、同人誌即売会『コミックマーケット』に一般参加し、人気ボーカロイド曲をカバーしたアルバム『さちさちにしてあげる♪』を自ら手売りしました」 デスク「なかなか立派なもんだ」 記者「ネット民たちも、小林が干されていることを知っていて応援した部分も大きいんです。ネットの住民は攻撃的で人間関係にもドライだというイメージがありましたが、本来は人情味あふれる若者たちかもしれません」 デスク「その姿勢、お前も学んでおけな」 記者「…(あんたもな!)」
