ジャニーズ、功労者達がいなくなる日(下)

転換期にあるジャニーズ事務所について、長年の取材経験を持つウオッチャーに分析を聞く最終章。SMAPの育ての親である元チーフマネ-ジャー・I女史の話題から、もう1人、印象に残る事務所幹部のエピソードを語る。

　「Iさんの退陣で一時代が終わったと感じましたが、同時に広報部長のSさんも気になっています。自分はフリーになって現場に呼ばれる機会が減ったので、現状がつかめないんですが、定年引退説を聞き、気になっています」

　Sさんとは、ジャニーズ事務所に連絡するならまずはSさんと言われていた、マスコミ対策の中心人物だ。

　「これまではSさん仕切りで会見で必ずお見掛けしていましたが、最近は昔の仲間に聞くと、Sさんの姿がないと聞きます」

　有名なSさんとはどういう人物だったのか?
　「大手芸能プロから請われてジャニーズの広報担当に移籍。見た目は黒メガネの小柄な人で、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌等のジャニーズ担当をすべて把握しています。『穏便に…』が口グセで、現場では『あら、久しぶり。元気? ふふふ』と笑う不思議な人でした(笑)」

　天下のジャニーズ事務所の広報担当部長が、「不思議な人」なんですか?
　「はい。苗字が『し』で始まる少し長い名前なので、我々は皆、親しみを込めて『しぃさん』と呼んでました。声を荒げたりすることはなく、いつも、のらりくらり。『明日の会見、来てくれるよね? ふふふ、お願いしますよ』なんて電話がかかってくる一方で、何かスキャンダルがあって事実確認の電話をしても、出てくれない人でした(苦笑)。定年引退と聞いていますが、SMAPの解散が引退の引き金かと思っています」

　SMAPの解散は、週刊文春誌上におけるメリー喜多川副社長(89)のインタビューが元凶。S氏はその場にも同席していた。

　「しぃさんはSMAPの中居正広(44)がお気に入りでした。中居って、下アゴを突き出してフッと息を吐いて、前髪をふわっと泳がせるクセがありますよね。しぃさんはよくそれを真似していて、我々はよく『しぃさん、やってたね、中居のフッ!!』なんてゲラゲラ裏で笑ってたんです。SMAP解散が決まり、しぃさんが先を見いだせずに脱力して引退を決意したのではないかと想像しています」

　収録しきれなかった裏話の続報はまた別の機会に…。