「SMAPがNHKニュースを動かした」

11月3日に放送されたNHK「ニュースウォッチ9」に異変が起きた?純粋な夜のニュース番組として冒頭のトップニュースは通常、政治や事件などを扱う。その日は違っていた。いきなり冒頭に流れたのは年内で解散が決まっているSMAPのステージの映像と数々の楽曲。放送記者も驚きを隠さない。

「その日、12月21日の発売されるSMAPのベストアルバムの楽曲が発表された。ファン投票によって選ばれたものとして話題性はありましたが、NHKのトップニュースで扱うのには違和感がありました」視聴者のなかにも「ワイドショーかと思ってチャンネルを再確認した」という人もいた。CDの宣伝にもなり兼ねない扱いの背景にはやはり「あの件」がよぎる。

「紅白」出場を巡るNHKとSMAPの攻防である。兼ねてより「紅白」の出場を熱望するNHKと「難しい」とするSMAP。本来、番組制作に直接、口を出す立場にないNHK籾井勝人会長も「出場してもらえるならジャニー喜多川社長に会って直談判してもいい」と発言して世間を驚かせていたが、反発する声も多かった。

「会長がジャニー氏と旧知の仲ならともかく、親交もないのに会ってくれるかもわからない。出演交渉は番組のプロデューサーの仕事です」(放送記者)NHK会長も動かすSMAP人気の凄さを物語る一面ではあるが、SMAPの「紅白」出場は絶望的な状況にあると言われている。

「もうすでに5人はバラバラの状態ですし、今さら『紅白』の一夜のために一緒になることは難しい。12日26日放送の冠番組『スマスマ』(フジ系)で5人の挨拶と歌が披露されると言われています」(音楽関係者)未だに諦めていない「紅白」にも事情はある

「今年は目玉になりそうな歌手の出演が難航している。SMAPが出てくれば、これに勝る目玉はない。視聴率50%の大台も見込めるだけに必死ですよ」(前出・記者)
それが夜のニュースをも動かしたにしても、ニュース番組として勇み足だった。
[芸能ジャーナリスト。二田一比古]