麻木久仁子、還暦機に放送大学入学 脳梗塞・乳がん経て実感した“時間の大切さ”とは
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【写真】麻木久仁子、大学入学決意の理由
◆麻木久仁子、還暦を機に放送大学に入学
放送大学は、BS放送、ラジオ、ネットを通じて好きな時間に学習できることが特徴の文部科学省・総務省所管の通信制大学。4月と10月の年2回、書類選考で入学可能で、目的に合わせて、大学卒業(学位取得)を目指す「全科履修生」(最大10年間まで在学可能)、好きな科目だけ学べる「選科履修生」、「科目履修生」がある。
麻木は「選科履修生」として「がんとともに生きる 」「フードシステムと日本農業」「食と健康」「食の安全」の4科目を受講する。
◆麻木久仁子、脳梗塞・乳がんの経験を伝える
2010年に脳梗塞、2012年に初期の乳がんが見つかったことから、検診の大切さや自身の体験を講演会や情報番組などで伝え、食生活も見直し、国際薬膳師、国際中医師の資格を取得した麻木。2020年には温活指導士の資格、2021年には登録販売者の資格も取得。食を通して「体を温め、免疫力を高める」という考えなどを多方面で提案している。
今回、放送大学入学を機に麻木がインタビューに応じ、大病の経験で得たことや今後の夢を語った。
◆麻木久仁子、新たな学びをスタートさせた理由は?
― 「大学の授業を受講する」という形で、新たな学びをスタートさせた理由を教えてください。
麻木:50歳になるタイミングで脳梗塞と乳がんという大きな病気をしました。それがキッカケで「食」にまつわることに興味を持ち、東洋医学に基づいた国際薬膳師の資格を取りました。その後、国際中医師や温活指導士、漢方薬のアドバイスをしたくて登録販売者の資格も取得したのですが、“食”に関する活動をしていく中で、人間の身体と食の関係や、日本全体で食を取り巻く環境がどうなっているのかなどを、もっと俯瞰的な視点で過不足なく学びたくなりました。
58歳から59歳になったときも、59歳から60歳になったときも具体的には何も変わらなかったのですが、やはり60歳はひとつの節目だと感じました。50歳になるときにがんを患ったのですが、それから10年生き延びて、これから先どうなるのだろうと思ったとき、時間の大切さをすごく感じました。
「時間って尊いな」「この時間をどう使ったらいいんだろうな」と思ったときに、今まで漠然と学びたいと思っていたことを「いつかやろう」じゃなくて「今やろう」と思ったのですね。
― なぜ、放送大学を選んだのですか?
麻木:これまでも大学に入学したいという思いはあったのですが、仕事もあるし、体力的にもハードルが高いなと感じていました。そんなときに知人から「放送大学なら自分の興味のある科目を選んで履修することができるよ」って聞いたんです。気になってネットで調べたら、第1次産業から外食産業に至るまで人々の口に入るものすべてを学べる「フードシステムと日本農業」の講義があったのですね。「まさにこれじゃん!」と思いました。「食と健康」や「食の安全」の講義もあり、授業料もたいへんお手頃だったので、受講してみようと思いました。
◆麻木久仁子、脳梗塞・乳がんを患っての還暦「時間を無駄にしたくない」
― 放送大学で学び始めた背景には、脳梗塞と乳がんという2つの大病を経験したことと、還暦を迎えられたことがあるようですね。
麻木:病気をした後に国際薬膳師の資格を取ったのですが、資格取得を目指して勉強した中で、学ぶ楽しさが蘇ってきました。60歳を迎え「いよいよセカンドライフか」と思いましたし、実際に体力と気力がガクッと落ちて「私、年取ったな」と思うときがあるんです。「自分の人生がこの先どこまで続いていくのか」と考えたときに、時間を無駄にしたくないと思いましたし、楽しく過ごしたいと思ったのですね。
◆麻木久仁子、講義は「一瞬たりとも聞き逃せない」
― 講義は始まっているとのことですが、視聴した感想からお願いします。
麻木:まだ、2回しか受講していないのですが、まさしく、「ここから進んで行けば正しい地図ができあがる」と思いました。その代わり、学問だから講義の1回、1回が濃密です。一瞬たりとも聞き逃せなくて、それが45分間びっしり続きます。自宅で視聴しているのですが、いつの間にか正座していました。
― 麻木さんが正座される様子が目に浮かびます。
麻木:キャスターの経験を含めて、色々な方のお話を聞く機会はこれまでにたくさんありました。色んな場面で色んな知識を得ることは、それはそれで役に立っているのですが、その場、その場で知識を得るのではなく、知の体形が枠組みを持って存在しているところに一歩足を踏み入れると、やっぱりそれとは違って、“まさに学問!”という感じでした。
◆麻木久仁子「クイズの女王」だから分かる知の世界
― 麻木さんにとっての「学ぶことの楽しさ」とは何ですか?
麻木:何なのでしょうね。今は、とにかく知らないことを知ることが楽しいです。放送大学の1週間の番組表を見ると、色んな講義があって、世の中には私が知らないことが本当にたくさんあるのだなと思います。たくさんの人が楽しみながらそれぞれの講義を受けているのだと思うと、やはり、知に触れることは人間の喜びなのだなと思います。
― 麻木さんといえば「クイズの女王」とも呼ばれましたが、独自の勉強方法はあるのでしょうか?
麻木:クイズは学問というよりもスポーツに近いんです。野球みたいにストライクゾーンがあって、そのギリギリのところにクイズ作家の方が問題を投げて来ます。こっちは球種を読んで、コースを読んで、どこで振るかを決めます。
例えば、クイズでは原子や分子の構成表に関する問題は出ないんです。なぜかというと、答えを聞いたからといって、誰も翌日職場で「ねえ知ってる? 原子ってね」としゃべろうと思わないからです。一方で、東京スカイツリーの高さは「ムサシ」で634Mなのですが、「ねえ知ってる? 東京スカイツリーの高さってムサシなんだよ」って言いたくなります。だから、出題されるのです。
なので、クイズにはセオリーがあって、セオリーがあるから攻略方法があります。そういった“攻略”も楽しいのですが、放送大学の講義を受け始めて、知識を学ぶことに対して攻略方はないのだなと気づきました。講師の方が話すことにはすべて意味がありますし、裏読みをする必要もないんです。学問には攻略法がないから、愚直に講義を受け続ける以外の方法はないのだなと思います。
◆麻木久仁子の今後の目標と夢
― 別の科目を受講してみたい気持ちはありますか?
麻木:面白そうな科目はいっぱいあるのですが、「錯覚の科学」という人間の脳の特徴などを学ぶ講義は、もしかして私も色んなことを錯覚しているのかもしれないと思って気になっています。興味の範囲でいえばK-POPが好きなので韓国語の講義も受けてみたいですし、歴史や美術も楽しそうです。
― 最後に、今後の夢を教えてください。
「食」に関する発信をしていきたいです。一番の目標は薬膳の普及なので、放送大学で“食”に関することを体系的にしっかり学んで、健康で美味しいごはんをみんなに食べさせることが夢です。
(modelpress編集部)
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