「日曜の夜ぐらいは...」衣装に隠された“変化” ファッションに隠された3人の心情とは<スタイリストインタビュー>
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生見愛瑠、“怒り爆発シーン”に衝撃の声「ほんとにめるる?」
◆清野菜名主演「日曜の夜ぐらいは...」
女優の清野菜名が主演を務める同作は「人生とは、家族とは、愛とは」をテーマにした、あたたかな物語。足の不自由な母を支えるためバイトに励む岸田サチを清野、元ヤンキーで現在はタクシー運転手をしている野田翔子を岸井ゆきの、両親との縁が浅く借家暮らしをしながら祖母と工場勤務を続ける樋口若葉を生見愛瑠が演じている。
離れた場所に住み、お互いの存在も知らない3人は、あるラジオ番組のバスツアーきっかけに運命的な出会いを果たし、バスツアーの際に購入した宝くじが1等の3000万円に当選したことで物語が動き出す。その後3人は、それぞれが問題を抱えながらも友情を育み「カフェを開く」という共通の夢に向け奮闘していく。
ABCテレビは今年の春、単独制作では28年ぶりとなる全国ネットドラマ枠を新設した。本枠のコンセプトである「見る人の背中を押す作品」の第1弾となったのが「日曜の夜ぐらいは...」。本作の脚本を務めたのは、数々の名作ドラマ・映画を世に送り出してきた岡田惠和氏、プロデューサーは清水一幸氏が務める。
そして今回モデルプレスでは、本作のスタイリングを手がける丸山佳奈(まるやま・かな)氏にインタビューを実施。3人の個性が光るファッションのコンセプトやこだわりを語ってもらった。
◆清野菜名・岸井ゆきの・生見愛瑠の衣装のポイント
― まず、主演の清野菜名さんが演じられるサチのファッションのテーマやこだわりを教えてください。
丸山:サチは、メンズライクにコーディネートを組んでいて特に動きやすさを重視しています。
― 同じ服を着回している印象ですが、彼女の性格や暮らしが反映されているのでしょうか。
丸山:そうです。ただ、今回季節の流れがあったため最終的に沢山の服が登場したのですが、手持ちが多くないという部分は意識していました。
― 登場人物の暮らしぶりが服装にも反映されているのですね。翔子は個性的な服装をしている印象でしたがこだわりはありますか?
丸山:岸井ゆきのさんが演じられている翔子は、ヤンキー上がりということで初めはヤンキー感のある服装にするか悩みましたが、最終的には岸井さんの持つ独特な雰囲気を生かした個性的な服装にしました。やりすぎかなと思うくらい派手な雰囲気にしましたが衣装合わせで受け入れていただいたので感覚的に楽しく組ませていただきました。
― 生見愛瑠さんの“田舎っ子感”が溢れる装いも新鮮で印象的でした。
丸山:生見さん演じる若葉の服装は1番悩みました。彼女は田舎っ子感が溢れる雰囲気にしたかったのですが、生見さんが何でも着こなしておしゃれになってしまい大変でした…(笑)なので可愛いアイテムを使いつつ、少しズレたコーディネートを考えました。
― 若葉は、地元にいる時と都会に行く時の装いにギャップがあるように感じました。
丸山:その部分も意識しました。私もですが田舎出身の人は、都会に出る時におしゃれに気を遣う印象です。雑誌のコーディネートを真似るなどするもコーディネート力が足りないため、少し野暮ったく見えるようにしました。また、金銭的に裕福な家庭でもないため若葉の手持ちの服やネット通販の安くて可愛い服を組み合わせてコーディネートしました。
◆生見愛瑠を“田舎っ子”に変身させたファッションアイテムとは?
― それぞれ清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さんだから取り入れたファッションアイテムなどがありましたら教えてください。
丸山:清野さんには、スポーティなスウェットや太めのパンツを履いていただいていました。とてもスタイルがいいのでタイトなスキニーパンツを履いてしまうとかっこよくなってしまい、サチの雰囲気から離れてしまうので避けていました。
岸井さんは、いい意味で幼さがある方です。そのため、柄の組み合わせを入れすぎてしまうと子供らしい雰囲気になると感じたのでシアー素材を取り入れて幼さが出ないように心がけました。
生見さんは、おしゃれな雰囲気にならないように半端丈のソックスを履いていただいています。半端丈のソックスを合わせることによって1つのコーディネートが全部台無しになる感じがあり、あえて取り入れました。
― 生見さんの装いが芋っぽく見える理由は半端丈のソックスを履いていたからだったのですね。それぞれのスタイルで読者が取り入れやすいトレンドや真似できるアイテムはありますか?
丸山:サチは、スウェット素材やタックパンツなどを合わせたスポーティなコーディネート。翔子は派手な色使いや柄合わせ、若葉はくすみカラーとミモレ丈のスカートを取り入れるといいと思います。
◆シーンに応じて服装にも変化
― 「日曜の夜ぐらいは...」では、3人で時間を過ごす明るい描写や、それぞれの悩みに葛藤する暗い描写までありますが、シーンに応じて衣装に変化を持たせたりなどしていますか?
丸山:翔子は普段から明るめの服を着ているのでお兄さんと会う時などはトーンを落としていました。ただ、悲しい気分だから暗い色にするのではなく、気分を上げるためにあえて明るい色の服を取り入れたりもしています。サチは3人で会う時は明るめのカラーを着るように意識していました。若葉は田舎で着ていた服を捨て、東京に出てきたという設定にしているので後半は田舎で着ていた服装をあまり登場させないようにしていました。
― シーンに応じて服装にも変化を持たせていたのですね。エンディングでは、ドラマ内では見られないおめかしした姿の3人が印象的でした。コンセプトやこだわった部分はありますか?
丸山:華やかなエンディングにしたいとイメージは元々いただいており、普段3人が着用しないような色味やアイテムでおしゃれな雰囲気が出せたらと思い、あのコーディネートを組みました。翔子は普段のほうが派手に見えてしまうかもと思い、全身ワントーンで同色にして差をつけました。
― 鮮やかなカラー別のコーディネートが印象的ですが、色味はどのように決めましたか?
丸山:3人のバランスを見て決めました。サチには白を着せたいと思い、そこを軸に2人のコーディネートを組みました。当初、翔子は本編とは雰囲気を変えて黒い服を着せようと思いましたがフィッティングの時点で違うなと感じ、岸井さんとも相談して全身青の服装になりました。若葉は名前に因んで“若葉色”のドレスをチョイスし、結果いいバランスに仕上がったと思います。
― 最後に最終話に向けて注目してほしい部分やファッションでの見どころはありますか?
丸山:妄想のシーンがあるのですがいつもの雰囲気とは異なる3人の姿が見られると思うので注目していただきたいです。また、第9話では部屋でお喋りしている場面もありますが、3人が集まった時の可愛さを引き出せるようにこだわっているのでチェックしていただけると嬉しいです。
― 最終話のファッションも楽しみにしています。貴重なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆「日曜の夜ぐらいは...」最終話あらすじ
「サンデイズ」オープンが迫った夜、サチ(清野)は翔子(岸井)、若葉(生見)と“一番高いアイス”を食べながら、「お客さんが一人も来なかったらどうしよう」と不安を打ち明ける。
みね(岡山天音)は賢太(川村壱馬)と初めて2人で晩酌を交わし、邦子(和久井映見)、富士子(宮本信子)はカフェの成功とみんなの幸せを祈りながら、それぞれに一夜を過ごす。
そして、開店当日。サチたちは「サンデイズ」の扉を開く…。
【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》