上杉柊平&Lil かんさい西村拓哉、初共演・2人芝居で互いから受けた刺激「想像以上に過酷」8畳一間で連日12時間撮影<「ワンルームエンジェル」インタビュー> | NewsCafe

上杉柊平&Lil かんさい西村拓哉、初共演・2人芝居で互いから受けた刺激「想像以上に過酷」8畳一間で連日12時間撮影<「ワンルームエンジェル」インタビュー>

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西村拓哉、上杉柊平(C)「ワンルームエンジェル」製作委員会・MBS
西村拓哉、上杉柊平(C)「ワンルームエンジェル」製作委員会・MBS 全 1 枚 拡大写真
【モデルプレス=2023/10/17】10月19日スタートのMBSドラマシャワー『ワンルームエンジェル』(MBS:毎週木曜25時29分~、テレビ神奈川:毎週木曜25時~、ほかテレ玉・チバテレなどで放送、全6話)で連続ドラマ初主演&W主演を務める俳優の上杉柊平とLil かんさいの西村拓哉が、モデルプレスらのインタビューに応じた。初対面の印象や撮影エピソード、お互いに影響を受けたことなどについてたっぷり語ってもらった。

【写真】天使姿の西村拓哉、上杉柊平に近づき…ドキドキシーン

◆上杉柊平&西村拓哉W主演「ワンルームエンジェル」

本作は「このマンガがすごい!」2020オンナ編13位を受賞したほか、数々の賞を受賞したはらだによる傑作コミックスを、上杉&西村W主演、そして枝優花を監督に迎えておくるドラマ。

趣味なし、友人なし、恋人なし。生きる価値、なし。惰性で毎日を送っていたコンビニ店員の幸紀(上杉)は、うっかりチンピラに刺され瀕死になった折、遠のく意識のなかで、真っ白い羽の美しい「天使」(西村)を見た。お迎えかと思いきや、その後すっかり完治して、帰宅してみると、そこにはあの時の天使が。

天使のふてぶてしい態度に戸惑いつつ、記憶もなく、飛べないというのを不憫に思い、天使をしばらく家に置くことに。突然はじまった奇妙な同居生活だったが、天使との日々は死んだように生きていた幸紀の心にある感情を芽吹かせて!?あなたはこの関係を、なんと名付けますか?

◆上杉柊平、初対面・西村拓哉の天使役は「ピッタリ」

― 本作への出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

上杉:出演が決まってから原作を読ませていただいたのですが、基本的に2人芝居で、ちょっとした感情の違いがすごく繊細に描かれている作品だったので、それをどう丁寧に描いていけばいいのか少し不安に感じました。それと同時に、2人でお芝居ができることはとても贅沢な環境なので、率直に楽しみだなと思いました。

西村:僕は今年の6月から9月まで放送されていた『なれの果ての僕ら』という作品で初めてドラマにレギュラー出演させていただいて、1年に1回ドラマに出られたらいいところを、今年2本目のお話をいただけたので、素直に嬉しかったです。原作を読んだ時に、自分の出番の多さにびっくりして、セリフが覚えられるか不安になりました。

― ご自身が演じる役どころをどのように捉えて演じましたか?

上杉:幸紀は、1話で「あの時死んだってよかったよ」というセリフにもあるように、生きることに対して意味を失い、自分に何ができるのかもわからず、誰かに何か影響を与えられる人間だとも思っていないというキャラクターです。それが天使との出会いによって少しずつ変わっていく姿を演じました。

西村:年齢が10歳も離れた相手とお芝居をするとなると、一見僕が受け手なのかと思われがちなのですが、この物語はどちらかというと天使が幸紀に対してキーワードとなるセリフを言って、幸紀がそれを受けるというシーンが多いです。そこは監督もすごく大事にしてくださっていて、幸紀が満たされるセリフを僕が言う時、カメラ目線の映像が多かったので、きっとキュンとするポイントだなと考えながら演じました。天使はとある過去を抱えているのですが、記憶がなくなっているので自分ではわかっていなくて、でも幸紀はそれを知っていて…というところにも注目してもらいたいです。

― お相手がお互いだと聞いた時はそれぞれどう感じましたか?初対面の印象なども教えてください。

西村:最初に企画書で幸紀の絵の横に柊平くんの写真が貼られているのを見た時、ピッタリだなと思いました。最近まで放送されていた『18/40~ふたりなら夢も恋も~』やYouTubeなどを拝見させていただいていたので、もともと抱いていた“渋い”というイメージ通りの方だという印象でしたが、とはいえ結局優しいんだろうなと思っていたら、実際とても優しかったです!(笑)

上杉:(笑)。天使という役は本当に難しい役だと思います。この物語を引っ張っていくのは天使なので、そこをどうするのかというところも含め、僕は西村くんと共演するのを楽しみにしていました。本読みで初めてお会いして、セリフを読む西村くんを見てその声を聞いた時に、僕が思っていた以上の天使がそこに存在していたので、驚きました。僕も西村くんから受けるものをしっかり受けてお芝居していこうと思いました。

― 実年齢も役年齢も離れていますが、現場ではどのようにコミュニケーションをとっていましたか?

上杉:僕は基本的に無口というかよく喋るタイプではなので、西村くんから話しかけてくれることが多くて、気を遣わせていたのではないかなと思います。西村くんは日常会話をサラッとしてくれるので、すごく助けられていました。

西村:楽屋でお互い無言でお弁当を食べたり、スマホをいじったりする時もあれば、僕がボケたことに対して柊平くんがツッコんでくれることもあったり、日によって様々で、現場では自然体で過ごすことができました。

上杉:無言の30分とかがあっても、全然気にならなかったです。2人芝居が多いからと言って、合間にお互い無理に距離を詰めようとはしませんでした。カメラが回ってシーンに入れば大丈夫だろうと、僕は本読みの時点で確信していたので、特別に意識をすることはなかったです。

西村:幸紀と天使も物語の中でだんだん距離が縮まっていくので、僕たちも同じように徐々に距離を縮めていきました。でも最後の撮影が2人で笑い合うシーンだったのですが、あれを初日に撮ると言われていたら多分無理だったと思います。終盤では柊平くんと僕自身の関係性も近くなっていたからこそ、最後に笑い合えたのかなと。

上杉:確かにあのシーンは最後じゃなきゃ無理だったね。あれがお互いできたということは、きっと僕と西村くんの距離も近くなったのだろうと思います。

― お互いが役にハマっていると感じる部分はどんなところですか?

上杉:まずビジュアルがすごくピッタリだなと思いました。原作に寄せることはできても、もともと近いものを強みとするのは誰にでもできることではないので、見た目からすでにハマり役だなと思ったのですが、普段話すトーンとはまた違ったトーンでお芝居をしていて、使い分けていたので、より天使というものを作り上げていてすごいなと思いました。

西村:柊平くんは人生が充実していて、生きる希望しかないので、中身に関しては共通点がないなと思いました(笑)。

上杉:そうですね(笑)。「死んでもいい」と思ったことは1度もないです。

西村:柊平くん自身はこういう感じなのですが、幸紀として「死んでもいい」という目をしていたので、全く違う人を演じていてすごいなと思いました。実際の柊平くんは幸紀よりかっこよくて、今日の朝も久々に前髪を下ろしている柊平くんを見て、「やっぱりかっこいいな~」と思いました。直接言おうか迷いましたが、言わなかったです(笑)。

上杉:言えよ!(笑)「前髪を下ろしていてかっこいいですね」って言えよ!(笑)

西村:「かっこいいですね」の前に「やっぱり」がつきそうだったので、やめました(笑)。

上杉:確かに「やっぱり」がつくと角が立つもんね(笑)。

― (笑)。西村さんが羽をつけた天使のビジュアルがとても神々しくてお似合いだなと感じたのですが、西村さんはご自身の姿を最初に見た時、どう思いましたか?

西村:自発光していますよね!もともと自分のことは天使だと思っていたので、これまで見えていなかった羽がやっと見えたなと思いました。

上杉:やめようか(笑)。真面目に答えようか。

西村:(笑)。原作を読んだ時に、絵だからこそ表現できる世界だと感じたので、これをどうドラマで表現するんだろうと思いました。実際に羽を見た時、思っていたよりもリアルで、初日は羽の調整で2時間ほど押すくらい時間をかけて丁寧に扱っていたのですが、この作品の見どころのひとつだと思うので、忠実に再現できてよかったです。

― 上杉さんは西村さんの天使のビジュアルを見てどう思いましたか?

上杉:最初に見た時は、思っていたよりかなり大きいと感じました。でも本当に羽が似合う人はなかなかいないと思うので、違和感なくつけている姿がすごいなと思いました。この羽をつけて外ロケをしていると、普通だったら変な人なのですが、僕は毎日この姿を見ていたので、途中からは何も思わなくなるくらい違和感がなかったです。

― ワンルームの設定で大きい羽をつけた状態でお芝居するのは大変ではなかったですか?

上杉:いろいろなものにぶつかりまくっていたよね。羽があることでできないことや、工夫しなきゃいけないことはたくさんありました。

西村:距離感が難しくて、羽で周りの人の頭や顔を叩いていたので、申し訳なかったです(笑)。

◆上杉柊平、西村拓哉に「さすがLil かんさい」互いのすごいところ・意外だった一面

― 会話劇の中でお互いにすごいなと思ったところを教えてください。

上杉:目で細かい表現をしなきゃいけない場面がたくさんあったり、寄りの画が多かったりする中で、気持ちをしっかり伝えていたので、目のお芝居が本当にお上手だなと思いました。あとはちょっとしたコメディパートがあるのですが、間の取り方が“さすがLil かんさい”だなと(笑)。芸人なのかなと思うくらい、いろいろな場数を踏んでいる間の取り方をしていたのですごいなと思いました。

西村:僕はあまり頭が使えるタイプではないので、その時に幸紀に対して思うがままにお芝居しました。柊平くんは、繊細な部分を上手く声で使い分けていたのが印象的で、それは声量でコントロールするわけではなく、気持ちの入れ具合で大小が変わるのですが、僕はそんな器用にできないので、かっこいいなと思いました。

― 撮影中に印象的に残っているエピソードをお聞かせください。

西村:実際に8畳くらいのワンルームで撮影していたのですが、そのワンルームにスタッフさんが10何人といて、サウナのように暑かったことが一番印象に残っています(笑)。

上杉:間違いない(笑)。毎日あの部屋に12時間くらいいたもんね。

西村:外に出た方が涼しく感じるくらい、蒸し暑くて仕方がなかったです(笑)。日々環境との勝負で、海でのシーンも風が強くて、砂が目に入りながらお芝居した日もありました。みんなで意見交換をし合って撮影に臨んだことを覚えています。

上杉:全員が本気でいいものを作ろうとしている姿が印象的で、本当にすごい現場でした。人数が少なく限られた時間の中での撮影だったので、みんないい画を撮るために走り回っていて、本来であればどの現場でもそれは感じられることなのですが、この規模感だからこそ感じられたことも大きく、作品を作るということは改めて俳優部だけではなく、スタッフの方々がいてくださってこそだということをすごく感じた現場でした。

西村:僕たち以外、みんな目に見えてへとへとになるくらい過酷な現場でした。僕は逆に元気すぎてみんなに引かれていました(笑)。

上杉:想像以上に過酷なワンルームだったのですが、ひとつひとつ全てのシーンに対して監督とお互いの意見を尊重しながらやれたので、ありがたかったです。

― 撮影していく中で気づいた、お互いの意外だった一面などはありますか?

西村:柊平くんはストイックで完璧な人だと思っていたのですが、出会って2日目くらいで、「もうセリフ覚えられな~い!」と寝転んでいて意外でした(笑)。僕はこの現場で一番年下なので足を引っ張れないなとどこかプレッシャーに感じていたところがあったのですが、そんな柊平くんを見てちょっと気が楽になったというか、そんなに焦らなくても同じペースでできるかなと安心しました。

上杉:本当はセリフを全部覚えているのに、「必死に覚えなくても大丈夫だよ」ということを伝えたかった僕の気遣いです(笑)。

西村:ちょっと覚えていないところもありましたけどね(笑)。

上杉:セリフの語尾とか若干違うところがあったよね(笑)。僕は西村くんのビジュアルや普段の活動も含めて、もっとファンタジーな人なのかなと思っていたのですが、ちゃんと地に足がついたしっかりした大人でした。環境だけを見ると変わってしまってもおかしくないし、世間と離れてしまってもおかしくない職業だと思うのですが、社会との整合性を持ち合わせていて、その上で自分の仕事を理解しているというのがすごいなと思いました。

きっと日常生活でできないこともたくさんあるだろうし、僕とは違う悩みがたくさんあるだろうなと思うのですが、僕が西村くんの年齢の頃にはまだこの仕事を始めていなかったですし、20歳でこんなにしっかりしていたかなと思うとそうではなかったので、本当にすごいなと思います。

― 一緒に過ごす中で、お互いに影響を受けたことなどはありますか?

上杉:現場で常に明るくいる姿が素晴らしかったです。影響を受けたというか、僕も見習わなきゃいけないなと思いました。

西村:僕のこの感じ、真似できますか?多分無理ですよ!僕は本当に元気なので(笑)。

上杉:う、うん(笑)。

西村:僕は意識して元気でいるわけではなくて、楽しく生きていたら自然とこうなっていました。でも僕が自分らしくいられるのは、素敵な雰囲気を作ってくださった現場の皆さんのおかげなので、感謝しています。

僕は周りの指示を何でも飲み込むタイプで、たとえばメンバーとライブの打ち合わせをしている時も「Aもいいね」「Bもいいね」と受け入れるのですが、柊平くんが監督からの意見に対してすごく明確に返答されている姿を見て、僕も何も考えていないわけではないので、自分が思ったことはしっかり声に出すようになりました。特に旅館のシーンではとあるアクションがあったのですが、監督とプロデューサーとしっかり意見を交換しながら作っていきました。

上杉:意見を出すことは、どちらが勝つとか負けるとかではなく、より良い作品にするための話し合いです。全員が原作を読んでいても、読む人によって解釈が違うので、それをすり合わせる作業は必要だと思います。その結果、新しい解釈が出てくる時もあるし、お互いが「そっちの方がいいかもね」と同じ意見に変わることもあるので、作品のために大事なことだなと思っています。

― お互いのシーンの見どころをそれぞれお聞かせください。

上杉:天使は1話から6話まで一貫した姿勢なのですが、心境の変化が細かく丁寧に表現されているので、その変化が見どころかなと思います。2人のシーンが多い中で、お互い1人ずつのシーンもあるのですが、2人でいる時には見られない表情を見せていると思うので、注目してほしいです。

西村:天使が幸紀に対してちょっとイジったり冗談を言ったりするシーンがあるのですが、その時にふと出る幸紀の表情が、僕が柊平くんをイジった時に見せる「お前…!」みたいな素の顔になっているので、そこを見てほしいです(笑)。

上杉:上杉柊平が出てる?(笑)

西村:(笑)。各話でそういうコミカルなシーンもあるので、その表情を楽しんでいただけたらなと思います。

― お二人のお話を聞いているとますますドラマが楽しみになったのですが、改めて幸紀と天使はどんな関係性だと思いますか?

西村:捉え方は人それぞれなので、この答えはあえて出したくないです。僕らがその関係性を言葉にすることで、それが頭に残りながら見るのは違うかなと思うし、どう感じてもらうかは皆さんの自由です。

上杉:「この作品はこういう物語です」と決まった答えはないはずなので、見終わった時に皆さんがどう思ったのか、それが全てな気がします。僕は原作を読み終わった後にレビューを見た時、2人の関係性や物語のキャッチフレーズを書いている人がいたのですが、僕が思った感覚とは少し違っていたんです。生きる活力がある人とない人で感じることも全然違うだろうし、天使サイドで見るのか幸紀サイドで見るのかでも変わってくるだろうし、見る人によっていろいろな解釈ができる作品だと思います。この関係性に名前はつけづらいです。

西村:原作とドラマでもきっと見え方は違うと思います。僕たちの目線や呼吸、セリフの言い方で印象が変わるシーンもたくさんあると思うので、ドラマなりの『ワンルームエンジェル』の関係性ができたかなと思います。

― 素敵なお話をたくさんありがとうございました。

今回のインタビューでは、ソファに座っていたためか、とてもリラックスした状態で仲睦まじくトークを繰り広げていた2人。撮影期間は2週間とわずかながらも、濃密な日々を送った様子の上杉と西村からは、幸紀と天使のように言葉では言い表せないような関係性が生まれているのを感じた。(modelpress編集部)

◆上杉柊平(うえすぎ・しゅうへい)プロフィール

1992年5月18日生まれ、東京都出身。2015年、TBS火曜ドラマ『ホテルコンシェルジュ』で俳優デビュー。2016年、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で朝ドラ初出演。同年公開の『シマウマ』で映画初出演を果たす。近年の主な出演作は、TBS系火曜ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(2023年)、映画『モエカレはオレンジ色』(2022年)、『シン・仮面ライダー』(2023年)、『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(2023年)など。2023年12月配信予定の『幽☆遊☆白書』に出演。

◆西村拓哉(にしむら・たくや)プロフィール

2003年4月19日生まれ、大阪府出身。2019年1月22日に結成されたLil かんさいのメンバー。2020年、ABC・テレビ朝日系『年下彼氏』でドラマ初出演。2023年6月から9月にかけて放送されたテレビ東京系『なれの果ての僕ら』で連続ドラマレギュラー初出演を果たした。ほか舞台・コンサートなど多岐にわたって活動中。

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《モデルプレス》

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