「下剋上球児」撮影担当が成長感じた球児キャスト2人 最終話までに観返すべきシーンとは「点と点が繋がる」<撮影担当・関毅氏インタビュー>
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「下剋上球児」鈴木亮平を起用した唯一の理由
◆鈴木亮平主演「下剋上球児」
同作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。鈴木演じる南雲脩司は、36歳で教員になり、越山高校に赴任し野球部監督に就任するも、教員免許を持っていないということが発覚。教師を辞め、自首したが野球部部員たちの署名活動により不起訴処分となった。そして監督へと復帰した南雲率いる野球部は夏の大会で決勝まで進んだ。
◆「下剋上球児」ならではのこだわり
― 今回の撮影で準備したこと、こだわりを教えてください。
関:ジャイさん(福澤克雄監督)の『ルーズヴェルト・ゲーム』(同局系/2014)を担当していたので、個人的には野球がテーマだからといって特別な準備をすることはなかったです。塚原あゆ子監督とは10年ほど一緒に仕事をしていますが、毎回「新しいカットの組み合わせはないか?」と言われていて、今回は50m走を6秒台で走る久我原篤史(橘優輝)と併走してほしいと要望がありました。ですが、そんなに早い人に追いつける機材を球場に用意することはできないので、ワイヤーカムを使ってみたのですが、特徴的な画になったと思います。また、ピッチャーが投げるとき、バッターが打つときに野球中継と同じようにスーパースローで撮影したことがこだわりです。
― どのように話し合ってシーンは生まれるのでしょうか?
関:出演者から言われたことを塚原監督が受けて、塚原監督がやりたいことに演者が応えて…という形で塚原監督と出演者がセッションをしながら作品を作っていくんです。カット割りは一応ありますが、いつもその場で柔軟に変えながら進めています。出演者がお芝居をしやすいように、感情を入れやすいように進めていくことが塚原組の特徴です。撮影方法などは事前に決めずに現場で対応することが基本多いですが、塚原監督に「ここはこの画が無いとダメ」という狙いの画がある場合は、演者にも立ち位置などをお願いしなければいけないので、その画が成立するためにはどうしたら良いのかカメラマン側から言います。
― 関さんから見て積極的に意見を発信しているキャストはいましたか?
関:亮平さんはもちろんよく会話されていましたし、塚原監督は、どんなに若手でも自分から意見を伝えたらしっかり応えてくれるので、みんな平等に意見を発信していて、とても良い関係性だなと思っていました。
― すごく瞬発力が必要な印象を受けました。
関:瞬発力は大事だと思います。新井順子プロデューサーも含めて視聴者の声に敏感に反応する瞬発力が必要なチームです。
◆キャストにカメラを意識させない工夫
― キャストのみなさんとはどんなお話をしましたか?
関:三重県での撮影が多かったのでどこに食事へ行ったか、など、堅い話ではない世間話がメインです。お互いに気を遣わないような雰囲気を作っています。
― 最初はカメラの前だと緊張してしまっていたと話す球児たちが多かったですが、その中でも良い表情を引き出すために工夫したことはありますか?
関:みんな、自分の見せ場ではそれぞれ良い顔をしていました。6話の撮影をしているときに、生田俊平(楡伸次郎)くんから「初めてカメラを意識してしまってドキドキしました」と言われました。自分としては、みんながカメラを意識せずに演技ができているということは自分の仕事ができているということなので、よかったなと思いました。
― ひき(遠くから)の画を多くしたという話を伺いました。
関:物語を進めていく上で客観的に攻めていこうと塚原監督と話していたので、眺めるような位置に構えることが多いです。球場も広いですし、三重の自然を出すにも少し離れていたほうが良かったので基本的に離れて、感情がこもったお芝居のときに少し近づいていくというメリハリを心掛けていました。
◆「下剋上球児」成長を感じた球児キャスト
― 撮影をしてきて成長を感じる球児キャストはいますか?
関:みんなもちろん成長していますが、直近で生田くんの成長をすごく感じました。また、兵頭功海くん(根室千廣)は1人でのシーンがあるので、塚原監督とマンツーマンで話す機会が多いんですが、監督は若手俳優を引っ張っていくことが上手で、2人で話していると気持ちを上げてくださる話をたくさんするので、1人のシーンが多い子は必然的に成長していくのを感じやすいです。他の作品でご一緒してもどんどん若手が成長していくのをこれまでも見てきたので、特に若手にとっては、一緒に過ごすことで成長できる良い監督だと思います。
◆「下剋上球児」最終回までに観返してほしいシーン
― ファインダー越しから覗いてグッと来たシーンを教えてください。
関:初回の冒頭の試合のシーンは、最終回までに観返してほしいです。皆さんもお気づきのように、最後の三重県大会の決勝のシーンなので、どのような展開で根室がダイビングキャッチしたかなど、見返すと点と点が繋がるようでより楽しめると思います。
― 最後に関さんのようなカメラマンを目指す方へメッセージをお願いします。
関:僕は正直、専門的な勉強はあまりせずに会社に入ってカメラマンをやっているので、何を目指すにしてもやる気と努力で上手くいくと思います!あとは「笑顔でいること」「仕事を楽しむ」「挨拶は絶対」の3つは大事だなと思います。それさえできて、現場を楽しめていれば上達すると思うので、この業界に入ったら仕事を楽しんでほしいです。
― 貴重なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆「下剋上球児」最終話あらすじ
星葉高校にサヨナラ勝ちし、ついに決勝進出を決めた越山高校野球部。しかしいざ勝ち進んでも、甲子園出場には高額費用がかかることが発覚。丹羽(小泉孝太郎)は地元の有力者たちを集めて皆で頭を悩ませていた。
そんなこととはつゆ知らず、南雲(鈴木亮平)の家で決勝へと決意を固める部員たち。3年生は皆、高校生活最後になるかもしれない試合、そしてその後の進路について思いを巡らせるのだった。そんな中、大学からスカウトを受けていた根室(兵頭功海)はそのことを姉・柚希(山下美月)に言えずにいて…。さらに犬塚(小日向文世)はある決意を固めていた。
そしていよいよ決勝当日。星葉高校の応援団も越山の応援のために駆けつけてくれるなど越山高校応援ムードの中、南雲と生徒たちの“日本一の下剋上”がかかった、運命の試合がスタートする。
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《モデルプレス》