鳴海唯、“元ギャルシングルマザー”役へのこだわり 意識した部分とは【「あのクズ」インタビュー前編】
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【写真】鳴海唯、美肌輝くキャミソール姿
◆奈緒主演「あのクズを殴ってやりたいんだ」
本作は、恋もボクシングも本気で向き合う姿をオリジナル脚本で描くガチンコボクシングラブコメディ。結婚式当日に恋人に逃げられてしまった主人公・佐藤ほこ美(奈緒)が、人生どん底のタイミングで金髪の謎の男・葛谷海里(玉森裕太/Kis-My-Ft2)に出会い、彼との出会いをきっかけに「もうクズな男に泣かされるのは嫌だ!」と自分を変えるためボクシングを始める。鳴海は、ほこ美の妹で、スナックで働くシングルマザーの佐藤さや美を演じる。
◆鳴海唯“元ギャルシングルマザー”演じる上での役作り明かす
― まずは、本作で鳴海さんが演じている「佐藤さや美」の人物像について教えてください。
鳴海:さや美は、奈緒さんが演じるほこ美とは正反対の性格で、恋愛にはだいぶ破天荒です。クズ男に今まで数々引っかかってきた経験があって、そういう恋愛体質なところはすごく斉藤由貴さん演じる(佐藤)明美ママに似た部分を持っていると思います。でも、8歳になる娘の佐藤美々(磯村アメリ)がいるシングルマザーなので、子供に対する愛情深さみたいなものは、人一倍持っている女の子なのかなと考えています。
― さや美を演じる上で難しかった点や工夫した点はありましたか?
鳴海:“現役ギャル”ではなくて“元ギャル”なので、そこの塩梅がすごく難しかったです。最初にキャラクターを作っていくときに、まずはルックスを話し合いました。一見ギャルと思ってさや美を見ると「そこまでギャルでもないかも」みたいな。カラーコンタクトもしていないですし、金髪でもないんですけど、髪の毛にはちょっとインナーカラーを入れています。昔やんちゃしていた人がママになって、ちょっと落ち着いているんだけど、でもやっぱりやんちゃしていた時の名残みたいなのが残っているようなルックスの塩梅を最初に話し合って決めて、こだわって作っていきました。
― 完全にギャルが抜けきっていないような雰囲気を出すために意識されたことはありますか?
鳴海:お芝居をする時に気を付けていたのは、本当のギャルって自分の体の真ん中にすごく太い幹が1本ドカンってあるようなイメージを私は持っていて。一見うるさくはしゃぐのかと思いきや、実は芯が通っていて鋭いことを言うのがギャルなのかなと考えています。喋り方もありますが、マインドを1番大事にしながらお芝居をしていました。「ギャルマインド」を持っておけば大丈夫みたいなことを私も友達と話しますが、「小さいことは気にしない、曲がったことは嫌い、愛情深い」というマインドを意識しながらお芝居をした気がします。分かりやすいシーンだと、はしゃぐところは思いっきりはしゃいだり、リアクションがだいぶ大きかったりしていますね。注目してほしいのは、玉森さん演じる海里さんと会った時の反応がだいぶバカっぽくて面白いです(笑)。そこがギャルっぽいし可愛い部分が結構見られるので、スナックでのシーンも注目して見てもらえたら嬉しいです。
― 鳴海さん自身がさや美に似ていると思う部分や、違うと感じる部分はありますか。
鳴海:全然自分と違うところは「気にしないところ」です。その日起きたことを「寝たらどうにかなるだろう」と思って生きているタイプ。でも、さや美は案外無意識に気にしいなんじゃないかなとも思っています。演じていて、自分のパーソナルと近い部分をたくさん感じていて、あそこまでやんちゃには生きてこなかったですけど、明るいところとか、家族思いなところはすごく共感できる部分がたくさんあったので、演じていて苦になることはあまりなかったですね。
◆鳴海唯、初の母親役で意識していたこと
― 今回、初のシングルマザー役はいかがですか?
鳴海:26歳でお母さん役を任せていただけたことがまず感謝だなっていう気持ちは1番大きいのですが、でも同じぐらい「私がママに見えるんだろうか」っていう不安がすごくありました。子役の子としっかりお仕事するのも初めての体験だったので。でも、美々を演じるアメリちゃんがインの時から私のことをママって呼んでくれて、関係性を作りに来てくれたので、すぐに打ち解けることができました。個人的にはどういうママだったらいいかを考えたときに、自分だったら友達みたいなママがいいなって思ったので、美々ちゃんと話す時は、美々ちゃんを子供扱いせずに、1人の人間として喋ろうということを意識していました。そうしたら自然と親子に見えてくるんじゃないかと考え、お芝居していました。
― 撮影の合間には、アメリちゃんと2人で会話もされたのでしょうか?
鳴海:していました!美々ちゃんが自分の中で流行っているSNSの映像とか、自分が好きな歌手とかをたくさん見せてくれるので、一緒に踊ったり歌ったりしています。撮影で「カメラ回りました」と呼びかけられる前に、美々ちゃんがお喋りしていて「はい、やる。やるよ、やるよ!」って私が声をかけているところを(岡本伸吾)監督に見られていて。その時監督に「マジで親子だったね」と言われました(笑)。本当にカメラが回っていないところから、いいスパイスをもらっていると感じる瞬間はすごくありました。ちゃんとママに映っているかはちょっと不安ですけど、見えていたらいいなと思います。
◆鳴海唯が「諦めないマインド」を持ち続けられる秘訣
― 本作は、ほこ美がボクシングに諦めずに挑戦し続け、成長していく場面も描かれますが、鳴海さん自身が「諦めないマインド」を持ち続けるための秘訣を教えていただきたいです。
鳴海:私はへこたれそうになったら、昔お芝居を一緒にした先輩の俳優さんとか、プロデューサーさんからもらったメッセージを読み起こします。書いてもらったものやメッセージでくださったものをスクリーンショットに残していて、自分に自信がなくなった時に温かい言葉をかけてくださった方々のメッセージを見返して「大丈夫、大丈夫、こういう風に声をかけてくださる方が自分の周りにはいるから、不安にならずに自信持ってやろう」と、自分を奮い立たせています。
― 本作は、思いがけない経験からほこ美がボクシングに夢中になる物語ですが、鳴海さん自身が思ってもいない力を発揮して、何かを成し遂げた経験はありますか?
鳴海:小学校の時にマラソン大会に命をかけていて、毎年10位以内に入っていたんです。でもなかなか3位以内に入れなくて、ある時お金持ちの友達に「3位以内に入らないでね、私が入ったら私犬飼ってもらうから」って言われて。そこで火がついて逆に「絶対入ってやる」と(笑)。そこから無我夢中に毎朝ランニングをして、走って走って走りまくって、それでも1位の子には早すぎて勝てなかったんですけど、初めて2位になりました。その子は結構後ろの方になっちゃって、お母さんに怒られていました(笑)。毎日毎日家の近くで走って、ランニングして1つの目標に向かって無我夢中にやったことがその時初めてで、その経験ってすごく中学生とか高校生になった自分に自信を与えてくれる経験だったので、すごく思い入れ深いですね。
― インタビュー後編では、共演者とのエピソードや、本作の見どころについて聞いている。
(modelpress編集部)
◆鳴海唯(なるみ・ゆい)プロフィール
1998年生まれ、兵庫県西宮市出身。趣味・特技は運動全般。好きなものは洋服、水族館、駄菓子、お笑い。2019年、NHK連続テレビ小説「なつぞら」でドラマデビューし、2023年にはNHK大河ドラマ「どうする家康」に出演。近年の主な出演作は、ドラマ「すべて忘れてしまうから」(テレビ東京/2023)、「Eye Love You」 (TBS/2023)、「君が獣になる前に」(テレビ東京/2024)、 映画「熱のあとに」(2024)、「赤羽骨子のボディガード」(2024)など。
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