【共通テスト2025】初の新課程入試…変更点まとめ
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出題教科・科目
2025年度大学入学共通テストは、前年度までの6教科30科目から、新教科「情報」を加えた7教科21科目へ再編される。
情報
情報が出題教科に追加される。新教科「情報」の試験時間は60分、配点は100点。新履修科目「情報I」ではプログラミングの基礎を扱う。
国語
国語は、言語活動を重視し、多様な資質・能力を問うため大問を1つ追加し、試験時間は10分増の90分となる。配点は、近代以降の文章が3問110点、古典が2問90点(古文・漢文各45点)。「現代の国語」「言語文化」が必履修科目となる。
地歴公民
地理歴史は必履修科目「地理総合」と「歴史総合」、公民は必履修科目「公共」を新設。必履修科目を組みあわせた出題科目1科目と、必履修科目と選択科目を組みあわせた出題科目5科目の合計6つの出題科目から最大2科目を選択解答する。
「地理歴史/歴史総合/公共」は、「地理総合」「歴史総合」「公共」の3つの出題範囲のうちから必ず2つを選択解答する。2科目受験する場合は、選択できない科目の組合せがあるため、注意が必要。
数学
「数学III」「数学B」「数学活用」の内容の一部を移行して「数学C」を新設。数学2では「数学II、数学B、数学C」の1科目を出題し、試験時間は10分増の70分となる。
理科
従来の2つの試験時間帯(理科1と理科2)を1つの試験時間帯に統合。従来の「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4科目は、「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」として1科目に統合した。5つの出題科目から最大2科目を選択解答する。
外国語
外国語(英語)に大きな変更点はない。英語は「リーディング」「リスニング」形式により、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を統合した言語活動を通して培う能力を評価する。
経過措置
「地理歴史、公民」「数学」「情報」では、旧課程履修者への経過措置として、旧課程科目を出題する。旧課程履修者のうち希望する者は、旧課程科目を受験することができる。新課程履修者は、旧課程科目を受験することはできない。
理科では、旧課程履修者のための旧課程科目は設定しないが、新課程科目において、必要に応じ旧課程履修者が選択可能な問題を出題する場合がある(新課程履修者は選択解答不可)。
問題冊子
「地理歴史、公民」では、出願時に登録した教育課程の問題冊子(パッケージ)のみが配布される。試験問題冊子の左上に「新(新課程科目)」「旧(旧課程科目)」の記載がある。
「数学」と「情報」は、新課程科目と旧課程科目を同じ問題冊子に掲載している。新課程履修者が誤って旧課程科目を選択しないよう、問題冊子中に「『新教育課程履修者』は、選択できません」という注意書きが明示されている。旧課程履修者は、試験当日に新・旧課程科目の中から1科目を選択して解答する。新課程履修者は、旧課程科目の選択解答不可。
試験会場
試験場については、複数の試験場を仮想的に1つの試験場とみなし、各志願者を「地理歴史、公民」と「理科」の受験する科目数などの組合せ(受験パターン)ごとに割り当てる「グループ化」を従来から実施しているが、2025年度試験では原則として「地理歴史、公民」の新・旧課程別に試験室を設定する。これにより、受験者の科目選択誤りや問題冊子の配布誤りなどの試験実施上のリスクを回避し、円滑な試験を実施するとしている。
得点調整
得点調整は、対象教科・科目や実施条件・方法が前年度から一部変更される。得点調整の対象となるのは、本試験における地理歴史の「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「旧世界史B」「旧日本史B」「旧地理B」の間、公民の「公共、倫理」「公共、政治・経済」「旧現代社会」「旧倫理」「旧政治・経済」「旧倫理、旧政治・経済」の間、数学1の「数学I、数学A」と「旧数学I・旧数学A」の間、数学2の「数学II、数学B、数学C」と「旧数学II・旧数学B」の間、理科の「物理」「化学」「生物」「地学」の間、情報の「情報I」と「旧情報」の間。実施条件を満たした場合に得点調整を実施する。
得点調整の実施条件は、「20点以上の平均点差」「15点以上の平均点差が生じ、かつ、段階表示の区分点差が20点以上」のいずれかが生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合。得点調整は「分位点差縮小法」という方式を用いて、「各科目のもとの点数を下げないこと」「各科目間の平均点の順序を保つこと」を満たすように行う。また、得点が加算される科目の受験者と加算されない科目の受験者間での公平性の観点から、区分点差のすべてを調整するのではなく、調整後も区分点差のもっとも大きいところが15点となるようにする。
受験者数が1万人未満の科目は得点調整の対象としないが、「情報I」と「旧情報」の間のみ、いずれかの受験者数が1万人未満であっても得点調整の対象とする。
試験情報
大学入試センターでは、特に注意が必要なポイントをまとめたリーフレットを受験案内に同封して配布。各教科・科目の出題方法や解答方法の変更点、受験時の注意事項などを取り上げた説明動画とスライド資料「令和7年度大学入学共通テストについて」は、新教育課程履修者向け、旧教育課程履修者向けを用意している。
試験当日の注意点などは、志願者向け説明動画とスライド資料「令和7年度大学入学共通テスト(試験当日の注意点)」で紹介しており、大学入試センターでは「受験上の注意」とあわせて視聴するよう呼びかけている。
「受験上の注意」などを志願者がよく読むきっかけにしてもらおうと、縦型ショート動画を活用した「共通テストショート動画」も初めて制作。第一弾として12月16日に「頭の中」と題したショート動画を投稿した。計3本を制作予定で、大学入試センターの公式YouTubeチャンネルに順次投稿するとしている。
出題教科・科目の変更、旧教育課程に対応した科目の出題など、科目選択や解答に注意が必要とされる2025年度大学入学共通テスト。受験対策と並行して、変更点や留意点もチェックし、万全の状態で試験当日を迎えてもらいたい。
《奥山直美》
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