日本学術会議、法人化に向け議論進展…最終報告受け改革へ
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この最終報告は、2023年8月から1年半にわたり開催されてきた懇談会での議論を経て公表されたもので、日本学術会議がより良い役割を発揮するための機能強化を目的としている。具体的には、科学的助言機能の強化、科学に関するネットワーク機能の強化、国際活動の強化、そしてそれらを支える事務局機能の強化があげられている。日本学術会議は、これらの機能強化を実現するための組織のあり方として法人化の具体的な姿を示したことについて評価している。
日本学術会議は、ナショナルアカデミーとしての役割を果たすために、学術的に国を代表するための地位や公的資格の付与、安定した財政基盤、政府からの独立、会員選考の自主性・独立性といった5要件を満たす必要があると考えている。この考えのもと、懇談会における議論に参加し、独立した自由な学術の営みを守る観点からの懸念点を示してきた。
総会では、最終報告に対する意見交換が行われ、日本学術会議が示してきた懸念が解消されていないという意見や、最終報告を一定評価しつつ今後の制度設計に向けた具体的な議論を求める意見が出された。懇談会及びワーキンググループでの議論を通じて、懸念点の一部が明らかにされ、理解が進んだことは意義があるとされるが、最終報告に反映されていない点も残されている。
今後、日本学術会議は、法人化を含む改革をより良い役割発揮のための機能強化につながるものとして実現していく方針だ。具体的な法制化に向けて政府と協議を進めるとともに、改革の実行にあたっては会員間での議論を尽くし、社会との対話を進めていく。また、「日本学術会議第26期アクションプラン」に基づく改革の取組みについても、さらなる推進を図るとしている。
《佐藤愛》