大学生のモヤトリアム調査、9割が偏見を感じる
子育て・教育
リセマム/生活・健康/大学生
大学生活は、高校卒業後から社会に出るまでの4年間であり、「人生の夏休み」や「モラトリアム」と揶揄されることがある。FCCLは、世の中から見た大学生活と実際の大学生の姿に違いがあることに着目し、大学生の本音や偏見を「モヤトリアム」として発信することを目的に調査を行った。調査は、2024年11月1日から11月5日までの期間にインターネットを通じて実施され、1,000人の大学生が参加した。
調査結果によれば、76.9%の大学生が「忙しさ」を感じていると回答し、「やりたいことがたくさんあるから、タイパを意識することが大事」と共感する人が77.3%にのぼった。SNSの普及により、多様な価値観やライフスタイルに触れる機会が増えたことが、大学生の忙しさを感じさせていると考えられる。
大学生がもっとも時間を割いているのは「趣味・娯楽」(14.6%)で、ついで「アルバイト」(13.0%)が続く。アルバイトは「生活のための重要な収入源」として捉えられており、61.2%がそのように回答した。一方で、学生生活でもっとも大事にしたいこととして「友人・先輩との交流」(18.4%)や「勉学スキルの向上」(13.7%)が上位にあがり、アルバイトに時間を割く現状と理想のギャップが浮き彫りになった。
また、大学生の87.8%が「大学生は暇」「人生の夏休み」といった偏見を感じていることがわかった。さらに、大学生活のイメージについて「お酒は強い方がかっこいい」「1人で授業を受けるのは恥ずかしい」といった考え方が古いと感じる人が多く、現代の大学生の価値観の変化がうかがえる。
勉強に対する意識については、「勉強や研究に打ち込んでいる大学生を尊敬する」との回答が88.3%に達し、勉強を重視する姿勢が見られた。しかし、「なるべく後ろの席に座りたい」という回答も71.7%にのぼり、勉強に対する姿勢には個人差があることが示された。
就活やインターンについては、78.9%が「社会人になるために必要な経験」と捉えている一方で、「就活やインターンで多くの時間が取られる」と感じる人も多い。さらに、悪質な「ブラックインターン」について52.9%が「見聞きしたことがある」と回答し、大学生にとって身近な問題となっている。
大学生活のメインである学業については、「真面目に授業に出ている大学生を評価してほしい」(84.2%)、「就活において、学業への取組みはもっと評価されてもいい」(82.6%)という声が上がっており、学業の評価を求める声が高まっていることがわかった。
FCCLは、こうした調査結果をもとに、大学生のリアルな姿を「モヤトリアム」として発信し、世の中に本当の大学生の姿を届けることを目指している。調査結果は特設サイト「#令和大学生のモヤトリアム」で公開されている。
《神林七巳》
この記事の写真
/