東大、授業料免除制度を拡充…年収600万円以下は全額免除
子育て・教育
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この制度改定の背景には、経済的な理由で進学を諦める学生を減らし、教育の機会均等を図る目的がある。特に地方出身の学生に対する支援を強化することで、地域間の教育格差を是正しようとしている。授業料免除の申請には、一般申請(父母と同一生計)での申請が必要であり、学力基準を満たすことが条件となる。
具体的には、世帯年収600万円以下(総所得金額が358万円以下)の学生は、授業料が全額免除される。さらに、世帯年収が900万円以下(総所得金額が642万円以下)の地方出身学生は、授業料の4分の1が免除される。この場合、学生は高校卒業から2年以内に学部に入学し、修士課程の場合は学部卒業から1年以内に入学している必要がある。また、基準日時点で父母が東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県以外に居住していることが条件となる。
世帯年収が600万円を超えている場合でも、世帯の状況によっては授業料免除の基準を満たす可能性がある。たとえば、就学中の子供が多い場合や、障害・介護・長期療養等の控除がある場合には、予算の範囲内で半額免除または全額免除が許可されることがある。申請を検討することが推奨される。
対象は、改定後の授業料が適用される学生(留学生除く)。2025年度は「2025年度入学の学部学生(留学生除く)」のみが対象となる。申請方法等の詳細は2月中旬ごろにWebサイトへ掲載予定。
授業料免除の審査は、給与所得者の場合は2024年の源泉徴収票の支払金額、自営業等の場合は2024年の確定申告書の所得金額で判断される。ただし、途中で退職や再就職した場合は、今後12か月の年収見込金額を基に判断されるため、詳細は問合せが必要である。
この制度改定により、東京大学は経済的な負担を軽減し、より多くの学生に教育の機会を提供することを目指している。特に地方出身の学生に対する支援を強化することで、地域間の教育格差を是正し、全国から優秀な人材を集めることが期待される。
《神林七巳》
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