元国税職員さんきゅう倉田です。3回受験して、38歳から東大生をやっています。
子供の時は学校以外で勉強をしたことがなかったし、塾にも行っていなかった。
東大に入って友人たちに話を聞くと、その多くが中学受験をしているし、そうでない人は高校受験をしている。そしてどちらの場合でも、受験のために必死に勉強している。
学業において、周辺環境が与える影響は非常に大きい。自分より賢い人間がいれば自分を鼓舞する機会が増えるし、勉強する人間を軽んじる集団にいれば学力は伸びない。
小学生の頃から、神童と呼ばれた友人も努力を続けていなかったら、周囲から(主にぼくから)天才と崇められることもなかったかもしれない。
東大を目指し始めた時期、小中高の成績から塾は通っていたのか、などまで天才の子ども時代を紐解くエピソードをお伝えする【後編】です。
◀この記事の【前編】を読む◀◀◀こちらから◀◀◀
▶東大生の中高時代の成績は実際…
中学、高校でも成績は一番。授業は聞かずに「受験勉強」
試験を受ければ総合成績は常に学年1位。科目ごとも概ね1位で、苦手な科目がなかった。それでいて中1から授業中に内職を始め、高校数学を勉強していた。
高1になると授業はほとんど聞かず、受験勉強に集中する。課題を提出するのもやめたが、先生たちは何も言わなかったという。
「この子は受験勉強に時間を使った方がいい」
そう考えていたのかもしれない。
▶「どんな子どもだった?」「いつ東大に行くことを決めた?」「塾はどうしてた?」現役東大生インタビュー
地方受験生は受験において不利なのか。その理由は
一般に地方の高校生は大学受験において不利だと言われている。情報も届きづらいし、予備校も少ない。家庭内の受験に対する意識も大都市とは異なるだろう。
信じられないことだが「女の子なのに大学に行くの?」といった発言も耳にする。このようなジェンダーバイアスは地方において根深い。
関東の中高一貫校では、自分と同じ程度の学力を持つ生徒が大勢いる。優れた競争相手の存在は、生徒の学習意欲の維持に有益だろう。
「一番になるとモチベーションがなくなっちゃうときもあるから」と友人は言う。ライバルといえるような存在がいなくなり、中高一貫校ではあったが別の高校への進学も考えていたという。
――得意な科目は?
高校では国語と英語。弟が書く日本語の文章を見て「変だな」と思ったことで、国語が得意だと気づいた。
――どんな子供だった?
神経衰弱が得意で、おばあちゃんのことをぼこぼこにしてた。文字を覚えるのが周囲の子より早く幼稚園に入る前からアルファベットを書いていた。
▶いつ東大に行くことを決めたのか?
中2で学校の先生に東大に行くことを勧められた
――いつから東大に行くつもりだった?
中2のころ担任の先生に勧められ、「行けたら行きます」と答えた。進学した高校は、毎年一人か二人東大に合格する。自分の年は二人だった。東大入試で3点足りなかった友人は、早稲田に進学した。「浪人しろ」と言いたかったができなかった。
執筆者注※東大入試では合格者最低点が発表され、この点数付近は受験者のボリュームゾーンになっていると考えられる。浪人する受験者は惜しい点数で落ちていることが多い。ぼくは受験開始1年目で120点足りず、2年目で50点足りなかったが、その程度しか取れない受験者のほとんどは浪人しないと思われる。
――塾には行ってた?
中1までは塾に行ってた。学校の人がみんな行ってたから通ってたけど、物足りなかったから辞めた。自分で勉強した方がいいと気づいた。
塾を遊び場だと捉えるなら継続してもよかった。
――塾に行かない分、どんな勉強をした?
とにかく先取り。高2で東大入試の範囲は一通り終わって、高3はひたすら過去問をやった。英語の授業中は英語の小説を読んでた。
――子供の頃の夢は?
幼稚園の頃はサッカー選手になりたかった。
先日「偏差値は靴のサイズだ」という金言を聞いた。
偏差値が高いから良いとか、低いから悪いとかそういうことはなく、自分に合っているかが重要だ。合っていなければ歩みは遅くなるし、不快に感じることも増える。
自分に合ったサイズの靴を履くことができれば、心地よいし、ずっと前に進めるだろう。
自分に合った靴を見つけるために、勉強が必要なのだ。
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