そんな中、リセマム編集部が注目したのは「国語」の問題に採用された書籍。本屋大賞のノミネート作品や大賞受賞作品が採用されるなど、その年度の注目作品から取り上げられることも多く、同じ書籍の中から、複数校の入試問題で出題されることがあるからだ。
そこで、いわゆる「中受沼」の方にはおなじみのakira先生(中学受験塾教室長17年目)のXのポストから、2025年度入試の国語で多数の学校で採用された書籍を紹介する。
なお、いろいろな学校が同じ本を取り上げる理由や、取り上げられる本の傾向について、次のようにコメントをくれた。今は2025年度入試のただ中ではあるが、ぜひ次年度以降の受験生のご家庭にも参考にしてほしい。
【akira先生のコメント】
中学入試問題に選ばれる本が新刊本である理由は、塾のテキストなどに取り上げられている本よりも対策がしづらく、純粋に子どもの実力を図りたいということでしょう。しかし塾では模試などで新刊本を扱い対策するようにしていますから、国語も情報戦と言えます。
昨年は論説文では『増えるものたちの進化生物学』が多くの学校で出題されました。今年は『わからない世界と向き合うために』が昨年以上に多くの学校で出題されています。論説文では出題が重なることが多い理由は、そもそも中学受験生向けの素材が少ないということがあげられます。そのため中学、高校生向けに書かれているちくまプリマー新書はよく出題されます。
物語文については、子供たちが感情移入しやすいように中高生が主人公のものがよく出題されています。書店で平積みにされている本は中学の先生たちも手にしやすく、その結果出題される可能性も高くなります。また中学受験でおなじみの作者という方もいて、学校の先生もこの作者の本を読んでみようと手に取ることも多いのでしょう。
それでは以下、国語で採用された注目の書籍だ。
書籍名:透明なルール
【採用校・試験回】吉祥女子・1回、昭和女子・A、立教女学院、城北・1回
書籍名:わからない世界と向き合うために
【採用校・試験回】桐蔭・1回、山脇・A、横浜共立・A、日本大学・A1、立教女学院、晃華、共立女子A、大妻多摩・1回、高輪・A
書籍名:ぼくの色、見つけた
【採用校・試験回】横浜雙葉、日本大学・A、跡見、暁星・1回、大妻・3回
書籍名:あの空の色がほしい
【採用校・試験回】横浜共立・A、大妻・1回、國學院久我山・1回、三輪田・2回、海城・2回
書籍名:八秒で跳べ
【採用校・試験回】聖光・帰国、開智・2回、栄東・東大2回