学生課題に対応する組織、大学等の6割以上が設置…JASSO調査
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「大学等における学生支援の取組状況に関する調査」は、大学・短期大学・高等専門学校における学生支援の取組状況について調査し、現状およびニーズなどを把握することにより学生支援の充実のための基礎資料を得ることが目的。今回の調査時期は2024年9月1日~10月6日。回答校数は1,144校(大学794校、短大292校、高専58校)。なお、大学には大学院大学、短期大学には短期大学部を含む。
調査結果によると、学生支援の方針・組織体制などについて重視している機能は、各学校種共に「社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流など)」の割合がもっとも高く、ついで大学と高専で「高度専門職業人養成」、短大で「幅広い職業人養成」が多かった。
学生支援のための全学的な方針を示した領域については、各学校種共に「学生支援全般について」が大学70.7%、短大63.0%、高専63.8%でもっとも高く、以下「キャリア形成支援」「学生の生活支援」と続いた。
学生の抱える課題に対して包括的に対応することを目的とする施設の設置状況については、大学70.5%(2021年66.7%)、短大61.0%(同59.0%)、高専74.1%(73.7%)と、それぞれ前回2021年の調査時を上回った。
支援内容としては、各学校種共に「対人関係、心理・性格の相談に関するもの」「メンタルヘルスの支援に関するもの」「障害のある学生への支援に関するもの」の割合がおおむね8割以上と高くなっている。学校種間でもっとも差が開いたのは「経済的支援に関するもの」で、高専75.3%に対し短大37.2%で、38.1ポイントの差がついた。
一定の専門的知識や技能によって学生支援に従事する専門的スタッフの配置について、「配置している」との回答が大学52.4%、短大35.6%、高専60.3%だった。支援領域については、各学校種共に「障害のある学生に対する支援に関するもの」がもっとも高くなっている。
生活支援について、学生が関わる事件・事故の防止などに関する指導・啓発のための取組みについては、大学で「ガイダンス」「学内広報物による周知」の割合が高く、またハラスメント防止、メンタルヘルス、身体の健康管理など「ホームページに掲載」する割合も高くなっている。
一方で、学生に対する事件・事故の防止などに関する対応が困難な事項として、各学校種共に「SNS等の利用に関すること」(大学45.0%、短大45.2%、高専77.6%)、「マナー・モラルに関すること」(大学40.8%、短大37.0%、32.8%)、「メンタルヘルスに関すること」(大学49.9%、短大54.1%、高専67.2%)が高くなっていることがわかった。
「大学等における学生支援の取組状況に関する調査(2023年度)」では、「学生支援の方針・組織体制等」「生活支援」のほか、「キャリア教育・就職支援」「課外活動/学生表彰/ピア・サポート/ボランティア活動」「学生相談」「成績不振・不登校・中途退学等」「学生支援に関する学長等の考え」の7領域について取組状況の調査結果を公開している。詳細は、日本学生支援機構(JASSO)のWebサイトで確認できる。
《木村 薫》
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