【大学受験】私立医学部繰上合格のリアル…2024年度の大学別状況
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繰上合格推定100名以上の大学も
今年も狭き門の医学部受験。すでに私立医学部では続々と合否が出ており、国公立前期試験は目前だ。受験生は悲喜交々の渦中だろう。
毎年、医学部受験で注目されるのは「繰上合格」だ。特に私立医学部の場合、多くの受験生が繰上合格によって入学の機会を得ているといっても過言ではない。医学部は定員が各大学100名ほどで、そのうちの約2割が総合型や推薦入試で決まるため、1月から3月に行われる一般入試で正規合格するのはかなりの狭き門となる。
正規合格をすれば通常は入学手続きを行うが、複数の大学に合格すれば入学を辞退するため、大学としては定員に空きができ、繰上合格が出ることになる。
では、実際にどれほどの人数が繰上合格しているのか。医学部専門予備校「京都医塾」の調べによると、2024年度に推定で100名以上が繰上合格したのは、次の8つの大学だという。
・北里大学
・岩手医科大学
・昭和大学
・愛知医科大学
・兵庫医科大学
・藤田医科大学
・金沢医科大学
・東京医科大学
ちなみに、私立最難関として知られる慶應義塾大学でも約30名の繰上合格者が出たようだ。ただし、これはあくまでも昨年のデータであり、繰上合格の人数は受験日程などさまざまな要因で毎年変動があるという点は留意しなければいけない。
繰上合格は入学式直前まで続くことも
なぜ、私立医学部は繰上合格が多いのか。
京都医塾によれば、「多くの受験生は学費が安い国公立大学医学部を第一志望としており、私立医学部は併願先となることが多いから」だという。つまり、国公立大学の合格発表後に私立医学部に辞退者が出ることが多く、私立医学部は繰上合格を行うことになる。
こうして合格者が繰り上がると、その合格者が入学予定だった大学に欠員が出てさらに繰上合格が発生する…という玉突きのような状況が4月の入学式直前まで続くこともあるようだ。
繰上合格の連絡は合格者の辞退が確認されると速やかに連絡がくる。特に国公立大学前期の合格発表後は大きく動くことが予想される。電話による連絡で「1時間以内に入学するかどうかを決めて折り返してほしいと言われた」といった体験談もあり、電話で連絡がつかないと合格が取り消しになってしまうこともあるようなので、受験生は気を抜かずに連絡を待つことが大切だ。
京都医塾では2024年度の繰上合格の状況や、過去5年間の入試結果において繰上合格者の平均人数が多い大学医学部も紹介している。
繰上合格に関するさらに詳しい情報は、京都医塾のホームページを参考にしてほしい。
京都医塾「医学部受験コラム」
《編集部》