【高校受験2025】北海道公立高入試＜国語＞講評…「会話文にもとづく問題」の配点年々高く
子育て・教育
リセマム/教育・受験/中学生
リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「国語」の講評を速報する。このほかの教科（全5教科）についても同様に掲載する。
＜国語＞講評（練成会 提供）
出題構成は、昨年と同じ大問四題だが、大問一の小問としてだされていた、「会話文にもとづく問題」が大問三での単独出題に変更。また入試の形式および総配点が変化があった2022年度より、会話文にもとづく問題はだされているが、2022年度が6点、2023年度が7点、2024年度が10点、2025年度が16点と配点が年々高くなっている。なお2022年度から2024年度まで、大問三でだされていた古典は、大問一の小問としての出題とはなったが、配点は2024年度より1点減少の14点と、配点での大きな変化はない。
大問一の小問集合は、漢字の読み書きや楷書で書かれた漢字と同じ部首の行書の漢字を選ぶ問題、逆接の表現の完成、および古文の読解という問題構成。配点は28点。古文は記号選択問題3問での出題となり、記述問題はだされていない。
大問二の散文の読解では、2022年度から2024年度までの配点は40点であったが、2025年度の配点は36点。また2024年度は文学的文章からの出題だったが、2025年度は説明的文章からの出題となり、2022年度から文学的文章と説明的文章が隔年での出題となっている。接続詞で論の展開を明確にし、具体例の使用で読み手の理解を深めるという文章構成のため、内容把握はしやすい。問七（筆者の主張の根拠）の85字程度の長文記述問題においては、正答の要素が文章中にまとまって表現されていたため、設問との照らし合わせにより、得点しやすかったといえる。なお記号選択問題3題の配点が、それぞれ4点・5点・6点と、記号選択問題としては高配点のため、より慎重な読解と判断が求められる。
大問三は「地域のつながり」について調べることを目的に地域食堂を訪ねているときの会話からの出題。慣用句の完成や尊敬語への書き換え、発言についての適切な説明を選ぶ問題、2人の話を聞いて、気づいたことの発言内容をまとめる問題での構成。この発言内容の作成では、1人の人物の具体的な会話を抽象的な内容に書き換える必要があるなど、高い表現力が必要であったといえる。
大問四は「節水」をテーマにした作文を書くための資料と作文の下書きに関する問題。配点は20点。
表現の書き換えや脱文の挿入、条件作文や資料をもとに自分が節水に取り組もうと思うことを記述する問題で構成されており、細かな条件が2つ与えられた条件作文では、資料の数値の的確な把握から適切な国を選び、両国を関連させたり、両国の差の背景として考えられることを表現させたりするなど、多様な力が求められている。
大問三と大問四では、「地域のつながり」や「節水」をテーマにするなど、私たちが目を向けるべき今後の課題を題材にしており、日常生活そのものを関心の対象とすべきことを示唆するものとなっている。国語への取組みにおいては、文章読解のみにとどまらず、分析力・判断力なども含めた総合的な力を高める意識と実践が重要であるといえる。
このレポートは2025年3月4日（火）に速報として練成会により作成されたもの。
協力：練成会
《編集部》
