【高校受験2025】北海道公立高入試<理科>講評…昨年よりやや易化
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リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。
<理科>講評(練成会 提供)
例年通り大問5題の出題となった。物理・化学・生物・地学の各領域の配点は25点ずつである。大問1で各領域からの小問を出題することで幅広い知識が問われている。
大問2~5は実験や観察に基づいて必要な情報を整理するとともに、実験結果をもとに科学的思考力や表現力が試された。実験や観察に関わる記述問題は昨年と同じ9問だが、作図問題は昨年の5問から3問と減っている。記述や作図で表現力を重視する傾向は変わらない。実験や観察に関するデータの整理に必要な科学的思考力だけでなく、設問の意図を的確に理解できる読解力も要求されている。計算問題が昨年の7問から5問と減っていることもあり難度は昨年より下がると考えられる。
大問1小問集合は昨年と同様合計12問で各領域からまんべんなく出題されており、網羅的な学力が要求される。計算問題は与えられた数値を公式に当てはめる基本的な問題のため確実に得点に結び付けたい。
大問2は生物領域から植物の分類とからだのつくりについて出題された。植物の観察を通してからだのつくりと分類を関連付けるだけでなく、それぞれの生活場所において、からだのつくりがどのような役割を担っているのかを考察させるところまで踏み込んでいる。問3では分類法が種としての類縁と一致しておらず、系統樹を暗記するだけの学習では正答に結びつきにくい。柔軟な思考が必要とされる出題であった。
大問3は化学領域からイオン化傾向と電池について出題された。問1(3)イオン化傾向に従い水溶液中のイオン数の変化をモデルで表す作図では答えが必ずしも一つにはならない。イオン化傾向の差、実験結果に示される銅イオンの存在を理解することで答え方を判断する力が試された。問1(4)金属をイオン化傾向どおりに並べる問題では設問を正確に読み取り、必要なもののみ選択するための読解力が必要となった。
大問4は物理領域から電流回路と電力について出題された。家庭用のLED(発光ダイオード)内蔵スイッチの仕組みからLEDの特性、電流回路の性質、電力と幅広い内容を扱った。抵抗値の違いから回路によって流れる電流の有無、電球の点灯の有無など教科書の通り一辺倒の内容では対応するのは難しく、実験結果からわかることと回路に関わる法則を組み合わせていくことができるかが明暗を分けるカギとなる。計算力だけでなく記述問題が多く、自らの考えを簡潔にまとめる力が要求される。
大問5は地学領域から地震について出題された。震央は同じだが震源が異なる地震の計算は稀であり、どのように震源からの距離を求めるかがこの問題のポイントとなる。問2(2)地震発生時刻はP波の伝わる速さを求めるために、表で与えられているS地点のデータから震源距離と比を用いる難問であった。普段私たちが目にする地震の情報は平面的な地図上で示されているため、地震の本質に迫る出題であった。
このレポートは2025年3月4日(火)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会
《編集部》