ソニー×NYU、次世代クリエイター育成拠点を協働設立

　ニューヨーク大学（NYU）とソニーは2025年3月12日、NYUスタインハート校内に「Sony Audio Institute」を設立することを発表した。テクノロジーと音楽、ビジネスの融合領域でイノベーションを促進し、次世代のクリエイターを育成することを目的とする。初代所長には、音楽ビジネスの権威であるNYUスタインハート校のラリー・S・ミラー氏が就任する。

　Sony Audio Instituteは、ソニーのパーソナルエンタテインメント事業・米国事業とNYUによる協働事業。ソニーのプロフェッショナルおよび個人向けオーディオ事業の知見と、NYUの学生や教員、施設を融合する新たな学際的協働の拠点として設立する。設立により、最先端技術による授業体験の質的向上や、先進的な研究機会の創出、イベントやワークショップなどを通じて、NYUとソニーがニューヨーク市のエンタテインメント・コミュニティとの関係強化を推進する。

　同施設では、ソニーの最先端技術をNYUの立体音響を学習するための設備の一環として導入。NYUブルックリンキャンパスに設置されたSony Audio Institute Studioにて、学生は、立体的な音場に没入できる音楽体験「360 Reality Audio」や、サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術「360 Virtual Mixing Environment」など、先進的なオーディオソリューションを活用できる。

　Sony Audio Instituteは2025年春に開設。10年契約としてさまざまな取組みにあたる。革新的な音楽・音響技術研究を進めるほか、経済的支援が必要で学業優秀な学生、特にオーディオ業界でのキャリアに関心を持つ学生向けの奨学金プログラムも創設するとしている。

　ソニーの代表取締役社長兼CEOの槙公雄氏は「世界有数の音楽教育機関であり、長年にわたりオーディオ業界の卓越した人材を輩出してきたニューヨーク大学とパートナーシップを構築できることを、光栄に思います。共創を通じて、次世代音楽クリエイターの創造性を育み、音楽業界の未来を形作っていく姿を見守ることを心から楽しみにしています」とコメントしている。