辞典使用で学力向上、教育関係者の9割が賛同
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辞典を刊行する出版社13社が加盟する辞典協会は、教育関係者15,008名を対象に、辞典の活用実態や辞典使用に関する考え方についてアンケート調査を実施した。調査期間は、2024年12月5日~12月19日。
近年、GIGAスクール構想により全国の公立小・中学校で1人1台の端末が整備され、教育環境が大きく変化している。辞典を取り巻く環境も、紙の辞典に加え、電子辞書、辞書アプリ、ネット検索など多様化している。調査では、紙とデジタルの違いを超えて、辞典というコンテンツがどのように捉えられ、どのような学習効果が期待されているかを探った。
調査によると、生徒・学生への語彙指導にもっとも相応しいものとして、「紙とデジタル」が40%ともっとも多く、続いて「紙の辞書」が35.7%であった。特に小学校、中学校(国語)では「紙の辞書」が50%を超えており、この学習段階では「紙の辞書」が有効な語彙指導ツールと認識されていることがうかがえる。一方、高校(英語)では「電子辞書」が26.6%と他と比較して高く、教科の性質上、電子辞書の利便性が評価されていると考えられる。
辞書を使うことで身に付く力については、「語彙力」が71.7%ともっとも多く、続いて「情報収集力」58.5%、読解力、表現力の順となった。特に中学校(英語)、高校(英語)では「表現力」が「読解力」を上回っており、辞典で言葉を調べることで「話す」「書く」といった表現力が身に付くことも期待されている。
辞書使用が生徒・学生の学力向上につながるかについては、「とても思う」「思う」で86.7%と9割近くが肯定的な回答を示した。理由としては、例文や語句の由来、同義語、対義語など1つの単語から多くの情報が得られること、調べる習慣が学習能力を高めること、探す根気強さや情報収集力、語彙力の増加が学力向上につながることなどが挙げられた。
さらに、生徒・学生に積極的に辞書を使用してほしいかについても、「とても思う」「思う」で88.5%と9割近くが賛同した。理由として、辞書を引くことが学力向上につながること、スマホやネット以外のさまざまなツールを使いこなすことで知識や視野が広がること、自分が必要とする情報を得るための判断力や思考力を養えることなどがあげられた。
アンケートの結果から、紙とデジタルの違いを問わず、辞典の使用に一定の学習効果が期待されていることがわかった。また、時代・環境の変化を背景に、児童・生徒の発達段階に応じて「紙」から「紙とデジタル」の併用へと勧めるツールが移行していることも推測される。辞典協会は、紙の辞典が持つ「信頼性・情報量」、デジタルの辞典の持つ「機能的利便性」、それぞれの良さを伝え、その有用性を感じてもらえるよう、今後も研究を重ねていくとしている。
《吹野准》
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