私の子宮が恋をした。だけどそれは、夫とは別の人でした。
毎月血を流しながら、人生は予定どおりにはいかないことを思い知る。
衝撃的なタイトルとは裏腹に、旦那と同僚、2人の男性で揺れる31歳既婚・子ナシ主人公の繊細な感情描写がSNSで大反響を呼んだマンガ「子宮恋愛」。ホルモンバランスも理想の夫婦像も崩れた女の婚外恋愛を描いた作品で、オトナサローネでも4/8 22:00から原作マンガの試し読みが配信中です。
4月10日(木)深夜0:59より読売テレビにてドラマがスタートするということで、主演を務める松井愛莉さん、主人公の同僚役を演じる大貫勇輔さんにインタビューしました。
それぞれが抱える葛藤やトラウマ…考えさせられる人間ドラマです
松井愛莉さん演じる主人公まきは、31歳、既婚、子ナシ。なかなか本心をいえない性格。結婚して6年になる夫・恭一はモラハラ気味。同僚の結婚式に出席すれば「子どもはまだ?」と問われ、愛想笑いしかできない。「セックスレスなんだから、子どもができるはずない」とも誰にも言えない。夫に本音が言えない日々を送り、理想とはまったく違う生活にみじめさを感じている。会社の同僚・山手だけには本音が言えるようになり、少しずつ惹かれていく。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――セックスレス、モラハラ、不倫という題材を扱うと最初に聞いたときの心境や台本の感想、魅力を感じている部分があれば聞かせてください。
「お話をいただいたときは、とてもとまどいました。台本を読んでいくと、4人それぞれが抱える葛藤やトラウマがきちんと描かれていて、みんな違うキャラクターでそれぞれの生き方、そして譲れない部分もあり、人間ドラマとしてとても考えさせられる作品だなと思いました」。
――この役を演じる際に意識していることはありますか?
「まきは言いたいことがなかなか言えないというキャラクターなのですが、とても優しくて気づかいができる女性で、少しの変化にも気付くような人間だろうなと思いました。演じる際は、人の話す声のトーンや表情をひとつひとつ見落とさないように意識しました」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
話したくないことから逃げて、フタをしているふたり
――演じる苫田夫婦についてどう見ていますか?
「お互い言いたいことがあるのに言えない、話したくないことから逃げてフタをしているという印象です。まきは伝えようとするけど結局あきらめてしまったり、(夫の)恭一は話し合いすらしたくない。すごく距離が離れてしまっていて、すでに歯車は狂っているけど気付かないフリをして日々を過ごしていて。もう元には戻れない状態になってしまったのかなあと思います」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――まきのようにモラハラな気味なパートナーがいたとしたら、どのような心理行動をとると思いますか? また、親しい人や友人がまきのような環境だった場合、どのような行動を取りますか?
「実際に自分がその環境にいたら意外と気付けないものなのかなと思いました。何かのきっかけで気が付くことができたとしても、なかなか離れられなかったりいろいろな葛藤もあるんだろうなと感じます。
友人がその環境にいたらもちろん“それは間違っているよ”とは言うと思いますが、当事者間の問題ですし、そこまで強くは言えないと思います。自分で気が付かなければその人のためにはならないので、助言をするくらいだと思います」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――マンガ原作ドラマを演じる上で、留意している点はありますか?
「原作は必ず読んでから現場に入るのですが、原作を意識しすぎないようにはしています。拾えるところは拾って、まきの感情や心情を理解する上でのひとつとして助けられています」。
――原作で面白かったところ、原作との違いで楽しみにしてほしい点を教えてください
「原作とドラマでは、関係値が違うキャラクターがいます。その違いで生まれる物語は、原作の意図も汲みつつドラマならではになっていますし、トラウマや葛藤がより多く描かれていると思うので、そこに注目して見ていただきたいです」。
――「ここを観てほしい」というマニアックなところを教えてください。
「まきは終始悩んでいるので、笑顔が少ないんです。いくつかある貴重な笑顔のシーンにはぜひ注目してほしいです!(笑)」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――現場での印象的なエピソードを教えてください。
「八景島で撮影した日があったのですが、合間にキャストやスタッフみんなでアトラクションに乗ったり、クレープを食べたりしてとても楽しく、印象に残っています」。
>>まきが少しずつ惹かれていく、同僚役を演じる大貫勇輔さんのインタビュー
不倫やモラハラ…本人にしかわからない「苦しみ」みたいなものがあるんだな
主人公・まきが唯一本音が言えるようになり、少しずつ惹かれていく、同僚・山手役を演じる大貫勇輔さん。会社員役で恋愛ドラマ出演は初めてだといいます。
プレイボーイと噂されている山手は、ブラジル育ちの日本人で、大学入学と同時に日本に。明るくオープンな性格ゆえに本音をズケズケ言うタイプで、自分を押し殺して生きるまきを気にかけている。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――セックスレス、モラハラ、不倫という題材を扱うと最初に聞いたときの心境や台本の感想、魅力を感じている部分があれば聞かせてください
「不倫、モラハラなどだけではなく、この世の中でしてはいけないことはたくさんあると思います。この作品で演じてみて思ったことは、本人にしかわからない苦しみみたいなものがあるんだなと感じました。それで“許される、認められることではない”のは十分に理解している上で、どこか共感してしまうところがそれぞれの役にあるなと思いました」。
――この役を演じる際に意識していることはありますか?
「マンガ原作ということや、山手がブラジル育ちということもあってか、普段だったらなかなか言わないようなセリフがたくさんあって。それをいかに自然に、いつも言ってるかのように言えるかをすごく練習しました」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――客観的に、苫田夫婦についてどう見ていますか?
「いいことも悪いことも、感じたこと、思ったこと、なんでも大切に繊細に思い合って話し合いをすればいいのにって思いました。……それが一番難しいんですよね」。
――まきの夫・恭一のようなモラハラな気味な人物に共感できますか?
「まったく共感できません。ちゃんとした、人とのコミュニケーション、自分自身の分析をするべきだと思います」。
――マンガ原作ドラマを演じるうえで留意している点はありますか?
「マンガ原作のときは(原作を)読み込んで、役に寄せていくことが多いのですが、今回に関しては、マンガ原作ということはわかっていても、いただいた台本と誠心誠意向き合うことが真実かなと思って役を掘り下げて行きました」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――「ここを観てほしい」というマニアックなところを教えてください
「まきのかわいい、いろいろな表情です(笑)」。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会

第2話より ©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
――現場での印象的なエピソードを教えてください
「八景島での撮影での時間です。みんなで一緒にバイキングに乗ったり、お揃いのチンアナゴのストラップを買ったりしました」。
――原作との違いで楽しみにしてほしい点、ドラマの見どころを教えてください
「人間ドラマの部分で、(ドラマの)1話から12話に至るなかで4人がどう変化していくのか、それも楽しんでいただけたらうれしいです」。
ホルモンバランスも理想の夫婦像も崩れてしまった主人公・まきの婚外恋愛の行方は……しっかりドラマでチェックしてみてください。
沢村玲さん、吉本実憂さんのインタビュー記事は4月16日 21:4配信予定です。ドラマ第2話放送直前、写真満載でお届けします。

©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
読売テレビ ドラマDiVE 「子宮恋愛 」全12話 毎週木曜 深夜0:59〜放送中
放送後はTVerで無料配信あり
©佐々江典子/ぶんか社/「子宮恋愛」製作委員会
構成・文/木村美穂