【大学受験】2年連続で受験校数平均2校以下、増加する「年内入試」
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調査によると、志望校選びで重視するポイントとして「学べる内容(44.9%)」が5年連続で最多となった。ついで「取れる資格(31.7%)」、「学部名・学科名(30.6%)」が続き、2024年同様の順位だった。コロナ禍でのデジタル化の加速や、コロナ収束後に「大学・専門学校の個別相談会」などが再び開催されるなど、進学先を考える機会は増えているものの、進路選択において重視するポイントは変わらないことがわかる。また、「自分の学力との相性(26.6%)」については、2021年の調査開始以来減少傾向で、背景には入試制度や学部・学科の多様化により、学力以外の幅広い選択肢から自分にあう進路選択ができるようになったことが考えられる。
受験校を選んだ時の不安や悩みについては、「受験に合格できるか(32.8%)」が最多で、ついで「授業についていけるか(31.3%)」が続いた。受験前、入学後ともに学力面において不安を抱えている高校生が多いようすがみられる。また、2025年1月実施の共通テストは教科・科目の再編が行われた新課程入試の初年度であり、こうした入試方式の変化も学力面における不安要素の1つと考えられる。そのほか、「自分が学びたい内容を学べるか(28.0%)」や「将来やりたいと思う仕事が見つけられるか(27.6%)」など、進学後に不安を抱える高校生もいることがわかる。
受験校数を聞いたところ、平均で「1.94校(前年比0.17校増)」となり、2024年よりやや増えたものの、2年連続で2校を切る結果だった。受験校数が2校以下の高校生に理由を聞くと、「受験校を増やすと受験料や入学金の支払いが大変だから(33.2%)」が最多となり、およそ3人に1人は金額面の影響で受験校数を絞っていることがわかる。また、「受験校を増やすと対策の準備が大変だから(28.2%)」が2番目に多い結果となった。背景のひとつとして、面接や提出書類が多く、プレゼンテーションなど学校独自の内容が課せられることも多い「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」などの、いわゆる「年内入試」の受験者の増加が影響していると考えられる。
今回の調査では、近年「年内入試」の受験者が増加している影響が多くみられた。受験校選びにおいて「自分の学力との相性」を重視する傾向が年々減少していることから、学力だけでなく多面的に受験生を評価しようとする年内入試増加の影響が考えられる。また、受験校数については平均で「1.94校」と2024年同様2校を切る結果となり、2校以下に抑えた理由として「準備が大変だから」が2番目に多い結果だった。年内入試が増加する一方で、それに向けた対策・準備の大変さを感じたり、入学後の学力面に不安を抱える高校生がいたりと、入試方法の多様化に伴い受験生の苦労や不安が垣間見える結果となった。
《風巻塔子》
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