伝染性紅斑(リンゴ病)急増、妊婦は要注意…千葉県は警報レベルへ
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伝染性紅斑(リンゴ病)は、ヒトパルボウイルスB19が原因で起こる流行性の発疹性疾患。典型例では両頬に蝶翼状の紅斑が出現する特徴があり、リンゴのように赤くなることから「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもある。ほとんどの場合、合併症を起こさず自然に軽快するが、妊娠中(特に妊娠初期)に感染した場合は、胎児の異常(胎児水腫)や、流産のリスクとなる可能性がある。
感染経路は、おもに飛沫感染と接触感染のほか、まれに血液製剤からの感染も。発疹が出現する前の風邪様症状の時期がもっとも感染性が強く、特徴的な紅斑が出現した時点では、周囲への感染性はほとんどないといわれている。ワクチンや特異的な治療方法はなく、感染した場合は対症療法のみ。そのため、予防には手洗いの励行や咳エチケットなど基本的な感染対策が推奨される。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)によると、2025年は過去5年間の同時期の平均と比較して、全国的に伝染性紅斑(リンゴ病)の感染者数がかなり多いという。第22週(5月26日~6月1日)の定点あたり報告数(JIHSの速報値)を都道府県別でみると、山形県(5.81人)、栃木県(5.63人)、北海道(5.12人)、群馬県(4.52人)、石川県(4.21人)の順に多かった。千葉県は第22週時点では1.34人だったが、第23週に2.08人へと急増したとみられる。
《川端珠紀》
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