さんきゅう倉田です。東京大学の3年生です。
3年になると就活イベントがちょこちょこあって、ほとんどが大学院に進学しない経済学部生に案内が届く。
そこにあるのは就活偏差値の高い企業ばかりである。
東大生だからといって、全員が第一希望の会社に入れるわけではない。友人の就活にまつわる苦労話と本当に会社で活躍する人とは?を伝えたい後編です。
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▶東大生のインターン事情は?
積極的にインターンに参加する東大生の就活事情
東大生の一部はインターンをしている。もしかしたら、半分くらいの学生がインターンの経験があるかもしれない。
ぼくが日本大学の学生だったとき、時給も交通費も出ない横浜市役所のインターンに参加していたが、大学内でインターンに参加している知人は一人もいなかった。「インターン」という言葉すら一度も発しなかった。
それくらい珍しかったのだ。
インターンがそのまま採用に直結していることもあって、卒業してすぐに就職する学生はサマーインターンへ応募する。インターンに採用されるときも選抜がある。一昔前のインターンは無給で、なんなら学生が「働いてやっている」と考えてもおかしくなかった。しかし、早期採用と結びついたことで人気が高まっている。
個人的には、就職したら働けないような業界で知見を広げる方が豊かな発想に繋がって、将来現れる種々の問題を解決できると思うが、「採用」の2文字の前ではそんな言説は虚しく空を切るだけである。
なお、経団連が推奨する就活スケジュールでは、3年の3月から広報活動を開始し、6月から選考活動を開始し、内定は10月となっているが、東大生が志望する外資系企業はそのようなルールに従わない。
▶エントリーシートで落ちまくった東大生
東大生でも就活には苦労する
最後に知人の例を紹介する。
知人Cは、今年大学院を卒業してIT系の企業に就職した。「IT系の企業」と表現するとカジュアルな響きがあるが、規模の大きい有名な企業である。
大学院も出た優秀な理系人材だが、第一志望の企業の面接には進むことができなかった。
それどころか、エントリーシートでそこそこの数落ちたらしい。
Cはエンジニアとして働きたいと考えていた。
しかし、エンジニアの採用枠では情報系の学生が有利で、物理系であるCは相対的に評価されない。
すべての会社の選考が終わった後、自分のエントリーシートの何が良くなかったのか知るため、相談室に行ったり、採用された人間のエントリーシートを読んだりした。
そこで、自分が組織に入ってからやりたいことが不明確だったこと、無難な表現に終始し魅力に欠けていたことに気づいた。
もう就職活動は終わったのに、定期試験で間違えたところを復習するように、振り返りを行なったのだ。
Cのそのような姿勢は会社内できっと評価されるだろう。
君はどこへ行っても大丈夫。
■編集部より
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