チャールズ国王の母校が日本初進出…全寮制でヨット必修、和歌山に開校予定
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開校後は低い学年から徐々に生徒を受け入れ、最終的に生徒約700人、教職員約200名の規模を想定している。開発地は和歌山市梅原地区の約15ヘクタールのエリアで、南海電鉄和歌山大学前駅の西方約500メートルに位置する。旧ノーリツ鋼機センタービルをリノベーションして校舎とし、周辺にグラウンドや寮を整備していく。
ゴードンストウン校は、自然豊かな英国スコットランド北部に1934年、設立された全寮制のパブリック・スクールで、35か国以上から生徒が集まる。英国チャールズ3世国王陛下やエディンバラ公フィリップ殿下の母校であり、チャールズ3世国王陛下は現在、パトロン(支援者)を務めている。
同校の海外進出については、2026年9月にアブダビに開設予定で、当初は幼稚園からスタートし、徐々に生徒を受け入れていく。
ゴードンストウン校は英国スコットランドに設置され、山登りやセーリング(ヨット)などアウトドアスポーツに力を入れている。セーリングについては、全生徒必修の科目として沿岸でのヨット体験を課しているほか、希望者には大型帆船による遠洋航海も用意されている。
和歌山市には一大マリンスポーツ拠点である「和歌山マリーナシティ」があり活動に好適な一方、開発地については標高約110メートルの高台にあって津波の心配がないほか、学校周辺は山林に囲まれており広大なグラウンドを確保できること、関西国際空港からほど近い立地で生徒や保護者の行き来に便利なことなどがあげられる。開発地は南海電鉄和歌山大学前駅から徒歩圏で、商業施設などもあり利便性が高い。
ゴードンストウン校は学業の枠を超え、全人教育を強調している。卒業者の進路はオックスフォードやケンブリッジ、MIT(マサチューセッツ工科大学)など名門大学への進学が大半となるが、進学者数を競うような文化はないともいう。
日本校での学業については英国ゴードンストウン校の教育内容を基本とし、日本の教育の長所も取り入れていく予定である。GCSEやA-Levelといったイギリスの主要な資格や、国際バカロレアのような国内外の大学進学も視野に入れた教育を実施する。
教育の独自性を担保する観点からいわゆる1条校とはせず、フリースクールなどと同じ各種学校の扱いとする予定である。
サンヨーホームズ、OCC、南海電気鉄道、和歌山市の4者は、同開発に関し緊密に連携・協力することに合意した。詳細な役割分担などは今後、必要に応じて決定される。
※OCCとは、教育テック大学院大学(埼玉県入間市)、大阪キリスト教短期大学(大阪市阿倍野区)、聖愛幼稚園・せいあい保育園・グレース幼稚園(いずれも阿倍野区)などを運営する学校法人で、2024年に「大阪キリスト教学院」から名称変更
《中野坂理恵》