ライフセーバーが教える「離岸流から命を守る知識」アプリも活用
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8月に入り、例年にない南寄りの風が継続して吹いていることから、南向きに面した海岸では、風波が継続的に作用し、離岸流が発生しやすい条件にあるとみられるという。同協会は十分に注意がを呼び掛けている。
水難事故や溺れは、知識があれば防止できる。日本ライフセービング協会は、「離岸流」や「風」の影響で流されないために、ライフセーバーのいる海水浴場の遊泳エリアで、海の状況を観察してから入水することを推奨している。具体的には、遊泳エリアで遊ぶこと、離岸流が発生していないかライフセーバーに確認すること、風の向きや強さを確認し、風が強い時は大きな浮具の使用を控えることが重要である。
水難事故予防のためにできることとして、出かける先の天気予報を調べること、家族や友人に出かけることを伝えること、水辺ではすぐに入水せず、よく観察すること、グループ全員で入水せず、陸上やビーチで見守る人がいると安心であること、2人組のバディを組んで仲間のようすに気付けるようにすることがあげられる。
離岸流とは、沖へ流れる強い流れを指し、その流れにはまると逆らって泳ぐことはできない。まずは、離岸流に入らないことが重要である。離岸流の特徴として、海底の砂が巻き上げられて海水が濁り、海の色が周囲と異なること、波が砕けた後にできる泡やゴミが沖に向かって流れていること、波が穏やかなときでも波紋が現れることがあげられる。視覚では判断しづらいので、わからない時はライフセーバーに聞くことが推奨される。
もしも離岸流にはまってしまったら、その幅は10mから30mほどで、沖まで続く距離も50mほどであることが比較的多い。気づいた時点で、浮具などにしっかりつかまり、片手を大きく振ってライフセーバーに助けを求める。また、浮具を装着していたり、泳力に自信がある場合でも、離岸流に逆らってまっすぐビーチや岸に戻ろうとせず、横に泳いで離岸流から離脱してからビーチに戻ることが推奨される。
また、同協会は、日本財団の助成「海と日本プロジェクト」を受けて、海辺の危険や利用状況をARで可視化したWebアプリケーション「Water Safety eye」の全国展開を7月より開始。中央大学が研究開発に協力している。このWebアプリケーションは、AR技術を用いているため、手持ちのスマートフォンのカメラを海にかざすことで離岸流や急深などの海辺の危険を確認することができる。危険だけでなく、トイレや遊泳区域、避難路など海辺の利用状況も確認可能だ。
《中野坂理恵》
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