「温泉に惚れて」別府に子連れ移住、41歳でシェアハウスをオープン。がむしゃらに働き続けてきた私の第二の人生は | NewsCafe

「温泉に惚れて」別府に子連れ移住、41歳でシェアハウスをオープン。がむしゃらに働き続けてきた私の第二の人生は

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
「温泉に惚れて」別府に子連れ移住、41歳でシェアハウスをオープン。がむしゃらに働き続けてきた私の第二の人生は
「温泉に惚れて」別府に子連れ移住、41歳でシェアハウスをオープン。がむしゃらに働き続けてきた私の第二の人生は 全 1 枚 拡大写真

日々が飛ぶように過ぎていくなか、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんななか「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。

ライター野添ちかこがオトナサローネ読者にインタビューを行い、リアルな女性の人生をお届けする本シリーズ。今回は41歳で大分県・別府市に移住した菅野静さん(47歳)にお話をうかがいました。静さんは移住先で子育てをしながら、シェアハウス「湯治ぐらし」を開業。

さらに今年、ウエルネスプログラムを体験できる湯治宿「七日一巡り」をオープンしています。結婚前、海外赴任中に日本の温泉や入浴文化の奥深さに目覚め、「温泉にハマった」という静さんですが、移住の壁はなかったのでしょうか。体験談をお聞きしました。

◾️菅野静さん
   大阪府出身、大分県別府市在住の47歳。夫、7歳の子どもと3人暮らし。6年前に大阪から別府・鉄輪温泉に移住

私を変える小さなトライ

バリバリのキャリアウーマンが週末ごとに温泉に通う理由

「夜中まで仕事をしていましたが、やりがいを感じていました」と静さん

新卒で大手広告代理店に入社して以来、15年間。静さんは朝から深夜まで、がむしゃらに働き続けてきました。扱う案件はどれも大きく、責任の重さに押しつぶされそうになる日もありましたが、それを乗り越えるだけのやりがいと充実感が、確かにそこにはありました。

そんな彼女にとって、日々の疲れを癒し、心を整えてくれる時間は「お風呂」。たっぷりのお湯に体を沈めると、一日の重さがすっとほどけていく。休日に温泉へ出かけ、湯に浸かりながら深呼吸をするのも、大切な楽しみでした。

その「お風呂のありがたみ」を強く感じるようになったのは、33歳から35歳まで赴任した中国・上海での暮らしです。

「マンションに浴槽はあったのですが、給湯器の質が悪く、水資源にも限りがあって……。日本のようにたっぷりのお湯をためて手足を伸ばすことができなかったんです。結局、毎日シャワーだけで過ごすしかありませんでした」

だからこそ、一時帰国のたびに自宅の風呂や銭湯、温泉に入ると、体が芯からよみがえるような感覚に包まれました。

「ああ、やっぱりお風呂っていいなあ。温泉っていいなあ。って。しみじみとそう思ったんです」

帰国後、大阪に戻った静さんは、週末ごとに有馬温泉や城崎温泉へ。湯に抱かれる時間はますますかけがえのないものになっていきました。

けれど同時に、心の中に小さな違和感が芽生え始めていたのです。

「仕事でやっていること」と「本当に自分が大切にしたいもの」が重ならない。
名だたる企業をクライアントに誇れる仕事をしているはずなのに、どこか「何かが違う」と感じる瞬間が増えていきました。

33歳で上海に赴任した頃の静さん

「15年間、自分がやってきた『広告の力』で、本当に伝えたいものの魅力をもっと掘り下げて言葉にできたら……。そのノウハウを地域のために使えば、きっともっとよいPRができるはず」

そう考えた静さんは36歳で東京の地域創生コンサル会社へ転職。任されたのは、東北地方のインバウンド誘致サイトの制作でした。興味と仕事が重なり、 “念願だった東北の温泉攻め”もできると胸を弾ませ、現地へ足を運ぶ日々。そうして温泉を巡るなかで出会ったのが、古くから続く「湯治(とうじ)」の文化でした。温泉地に長く滞在し、心身をじっくりと整えるその知恵に、静さんは強く惹かれていったといいます。

「私はここに住みたい!」家族旅行で訪れた別府温泉での衝撃

生活の大きな転機は39歳のときに訪れます。出産のため産休をとり、大阪の実家に戻ったのです。高齢出産による体調とメンタルの揺らぎもあり、そのまま退職。実家で子育てと養生に専念する時間は、慌ただしく働き続けてきた静さんにとって、これからの生き方を見つめ直す貴重な期間となりました。

そんな折に耳にしたのが、大分・別府温泉郷にある「鉄輪(かんなわ)」という湯治場の存在でした。子どもが1歳になった頃、家族旅行で訪れてみることに。大阪からはフェリー「さんふらわあ号」が別府まで運航しており、港へとつながる船旅の時間も、どこか非日常の入り口のように感じられたといいます。

静さんが感動した、湯けむりたなびく鉄輪の風景

いざ訪れてみると、「海と山に囲まれた湯けむりの風景に一目惚れしてしまった」といいます。これまで訪れたどの温泉地とも違っていて、そこに人々の暮らしが息づく “生きている湯治場”だと感じ、強く惹かれました。

さらに、この旅で出会ったのが鉄輪の町を支える女性リーダーたちでした。地域のために尽力する彼女たちとの会話によって、強く背中を押されたように感じました。

「ここでなら、私がやりたいことができるかもしれない。ここに住みたい!」

それまで一度も考えたことのなかった“地方移住”という言葉が、不意に口をついて出てきました。そして驚くほど自然に、まるで見えないレールに導かれるように……4カ月後には、家族とともに別府への引っ越しが決まっていたのです。

「ダメだったら帰ればいいや」。そう思って、別府の賃貸マンションに契約を決めました。

産休後には、在籍していた会社から「大阪支社を立ち上げるのはどうか」とありがたい打診もありました。しかし、子育てをしながら会社員として働くことは難しいと判断し、会社員を辞める選択をします。最初は「温泉に関わる仕事」として思い浮かんだWEBライターの求人を探したり、ハローワークで職を探したりもしましたが、どれもしっくりきません。

そこで、初めて訪れた鉄輪に一目惚れした自分の直感に従い、別府・鉄輪にある賃貸マンションを探し、移住を決意します。

「移住って大変でしょ?」とよく聞かれるけれど、大阪からはフェリーに乗ればすぐ。隣町へ行くような感覚でした。「合わなければ大阪に戻ればいい」。そんな軽やかな気持ちで、リュックひとつ背負って鉄輪へやってきたのです。

毎日のように通う共同浴場、鉄輪のすじ湯温泉

別府では、共同浴場が住民が情報交換する公民館のような役割を果たしています。引っ越したばかりで右も左もわからないときに、「病院はどこに行ったらいい?」「歯医者はどこがおすすめ?」日常の疑問を、共同浴場で出会った人から聞けることに感動したといいます。

毎日、通う共同浴場。そこで出会う人の温かさ……。どこを切り取っても静さんにとっては最高のシチュエーションでした。しかし、よそものだからこそ気づいたこともあります。

「当時、鉄輪にはじいちゃん、ばあちゃん、ネコちゃんしかいなかったような印象でした。別府には大学があるのになぜ、若者がいないの? 鉄輪に学生が住んだら、町がもっと生き生きするんじゃないかな?」

そのひらめきを得て4カ月の間に、空き家バンクに登録された7LDKの物件を契約し、「シェアハウス」を始めたのは41歳のときでした。

本編では、温泉に惚れ込み41歳で別府へ子連れ移住し、シェアハウスを立ち上げた静さんの歩みをお伝えしました。
▶▶「えっ、私が旅館を!?」移住ママがシェアハウス3軒→湯治宿の運営をするまで
では、静さんの新たな挑戦である“宿の運営”、そしてこれからの展望についてお届けします。


《OTONA SALONE》

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