【中学受験2026】土浦日大中等教育学校「謎解き入試」出願開始

　土浦日本大学中等教育学校は2025年9月10日、「謎解き入試」の出願を開始した。初めて実施した前年度入試において、チームで協働する力や発想の柔軟さを自然に引き出し、評価する入試として有意義な結果をもたらしたことから、再び実施することを決定した。今回から新たに併願受験が可能となり、より多くの受験生が挑戦できるようになった。

　土浦日本大学中等教育学校は、これまでも「ICAP入試」を通じて、言葉や身体でのコミュニケーションを使った入試を行ってきた。ICAPとは、学習科学の分野で提唱される「双方向の学び」を重視する枠組みで、仲間と積極的に話し合い、新たなアイデアを創り出し、身体で表現する学びのプロセス全体を評価するもの。この理念が、謎解きを通して好奇心や創造性を引き出し、仲間と協力して課題を解決する力を育むという謎解きクリエイター集団RIDDLERの理念と共鳴し、「謎解き入試」が誕生した。

　RIDDLERは東京大学出身のクリエイターを中心に設立され、松丸亮吾氏が代表を務める謎解きクリエイター集団。地頭力を育てるひらめき学習塾「リドラボ」も運営している。

　「謎解き入試」では、受験勉強の成果だけでは測れない力をもった生徒を求めている。好奇心やクリエイティビティを生かして主体的に行動し、時には衝動に任せて仲間を巻き込みながら、新しい価値を生み出せる人材を育成することを目指している。こうした力は、未来へのイノベーションや社会への積極的な関わりへとつながるという。

　入試は個人で挑む“個人パート”と、チームで挑む“協力パート”の2部構成で行われる。個人パートでは、ひらめきを要する謎解き問題に挑戦し、制限時間内にできるだけ多くの問題を解くことが求められる。柔軟な発想力や論理的思考力が試される。

　協力パートでは、複数人でチームを組み、課題解決に取り組む。仲間とアイデアを出し合い、必要な情報を相手にわかりやすく伝え、さらに相手の状況を想像して汲み取る力が求められる。

　これはRIDDLERが提唱する、地頭力の5要素「SPECC」に基づいて制作されている。個人パートではSwitch（多角的思考力）・Program（論理的思考力）・Create（発想力）をおもに評価し、協力パートではEnergy（試行錯誤力）・Communicate（解釈・表現力）をおもに評価する構成となっている。この構成により、好奇心旺盛で発想力豊かな生徒はもちろん、粘り強く仲間と協調しながら課題に向き合える生徒も力を発揮できる。

　前年度の「謎解き入試」では、個人パートでの思考力の高さと、協力パートでのコミュニケーション力の高さの相関も見受けられ、学力だけでは捉えにくい資質への示唆も得られた。

　「謎解き入試」で合格した生徒たちに、入試本番で印象に残った場面や感想を聞いたところ、「問題を解きながら、みんなで協力し合ったり、一緒に宝箱を開けるのが楽しかった」「相手が見えない状態で、言葉だけで向こう側を想像するのが面白かった」「緊張しやすいタイプだったが、やってみたら楽しめて、自信になった」といった声が寄せられている。コミュニケーションを重視したこの入試ならではの体験が印象的だったようで、緊張せず楽しめる雰囲気も、生徒の力を引き出す大きな要素になっているという。

　2026年度「謎解き入試」の出願期間は9月10日から10月8日まで。試験日時は10月12日午前9時30分から。入試の詳細や出願方法については、同校Webサイトから確認できる。