閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
写真はイメージです
【100人の更年期 #134ハツミさん】
◆ハツミさん 52歳
東京都在住。会社員、55歳の夫、23歳の娘と3人暮らし
若い頃はちょっとした運動で疲れがとれたのに…
もともと、肩こりや腰痛はあったものの、大きな病気をしたことはなく、「それなりに元気」と自負していたハツミさん。定期的な運動はしていませんでしたが、たまにプールで泳いだり、週末に登山へ出かけたり、1泊の温泉旅行を楽しんだりすることで、すぐに体力を回復できていました。しかし、40代後半に差しかかり「更年期」を迎える頃から、「疲れが1日で抜けない」と感じるようになったといいます。
肩こりは若い頃からの慢性的な悩みでしたが、「疲れが張り付いてとれない」ような感覚は、これまでとは明らかに違っていました。体の細胞に水分や栄養が行き渡らず、乾燥してきたような感覚があったといいます。
「目も乾燥するのでコンタクトがつけられなくなり、眼鏡の生活になってしまいました」と語ってくれるハツミさんは、笑顔が魅力的で若々しい見た目です。それでも更年期は確実に彼女を絡め取っていました。
「抜け毛もすごくなってきて……。すべてが老化の方向に向かっている、そんな実感をいやおうなく突きつけられるようなことが、どんどん増えていったんです」
あるとき、突然の胸の痛みに驚いて
更年期に入ってから、ハツミさんが最初に感じた「痛み」は、49歳のときに突然現れた胸の痛みでした。健康診断で心電図検査を受けた際、医師から「微小血管狭心症かもしれません。少し心臓の動きに違和感がありますね」と言われました。「今すぐ治療が必要というわけではありませんが、念のため年に1回くらいは心電図を受けて様子をみましょう」とのことでした。
子どもの頃から健康診断のたびに、医師から「心臓に雑音があります」と言われていたハツミさん。先天的に心臓の弁に異常があるため、「更年期って、自分の弱いところに症状が出るのかもしれない」と感じたそうです。
「あれは、たまたまだったのかな?」1年後には胸痛は消失
その後、胸の痛みを感じる瞬間が3〜4回ほどありました。いずれも数分で治まり、耐えられないほどではなかったため、病院には行きませんでした。
そして51歳を迎える頃には、そうした胸の痛みもすっかり消えてしまい、「あれはたまたまだったのかもしれない」「コロナにかかったりもしたから、もしかしたらその後遺症だったのかも?」と思い、過去の出来事として記憶の奥にしまわれていったのです。
本編では、49歳で更年期に差しかかり、胸の痛みに戸惑ったハツミさんの体験についてお伝えしました。
▶▶「朝起きた瞬間に、手が痛い」胸痛の次は“手のしびれ”とこわばり。52歳女性が選んだ更年期の乗り越え方は
では、胸痛が落ち着いたと思ったハツミさんが、その後「手のこわばり」に悩み、その体験を経て体のために取り入れた新しい習慣についてお届けします。