【高校受験】志望校の決め方、偏差値より「校風」重視…公立第1志望は75.5%
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「高校受験における志望校の決め方」についての調査は、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)、かつ直近5年以内に高校受験を経験した子供をもつ保護者を対象に実施し、98名の有効回答を得た。調査時期は、2025年7月。
高校受験において志望校を決める際に重視したポイントは、1位「学校の雰囲気や校風」(60.2%)、2位「通学時間・立地」(56.1%)、3位「子供の学力」(53.1%)であった。偏差値や進学実績だけでなく、3年間を過ごす環境として「子供に合うか」を重視する傾向がうかがえる。
子供の第一志望校については、「公立高校(都立・県立)」が75.5%を占め、ついで「私立高校」が23.5%、「国立高校」は1.0%にとどまった。多くの家庭ではまず公立高校を第一志望に据え、私立高校を併願先として検討するケースが多いことがわかる。
受験校の組合せは、公立高校と私立高校を組み合わせて受験する家庭が全体の7割以上を占めた。特に、「公立高校1校 + 私立または国立高校1校」という組合せがもっとも多く、57.1%にのぼる。
志望校の決定時期については、約6割の家庭が中学3年生になってから決定していた。もっとも多かったのは「中学3年生の1学期」(29.6%)、ついで「中学3年生の2学期」(25.5%)であった。
中学3年生の1学期に決定した理由としては、「成績・学力が固まり、現実的な選択肢が見えてきたから」「学校から志望校を決めるように指導があったから」「子供自身の進路意識が高まったから」などがあげられた。部活動の引退などを経て、子供自身が進路について真剣に考え始める時期でもあるようだ。
中学3年生の2学期に決定した家庭では、「成績・内申点が確定し、現実的な判断が必要になったから」という理由が目立った。最後の内申点が足りず、志望校を変更せざるを得なかったという声もあった。また、「夏休みの学校見学で気持ちが固まったから」「部活動を引退し、進路に本格的に向き合い始めたから」といった理由も聞かれた。
志望校選びで苦労した点として、「子供の希望と学力のバランスをとるのが難しかった」「学校の情報収集や比較検討に手間どった」という声が多く寄せられた。こうした経験を踏まえた先輩保護者からのアドバイスとしては、「子供の意思を尊重し、一緒に情報を集めて」というものがもっとも多かった。東京都 高2男子の保護者は「本人の意思を尊重しつつ、親も複数校の情報を徹底的に集めることをおすすめします。特に、学校ごとのカリキュラムや大学進学実績、そして通学時間は必ず確認してください。最終的には親子で納得できる選択をすることが大切です」と助言している。
また、「偏差値だけでなく、学校の雰囲気を肌で感じることが大切」というアドバイスも多く、「とにかく自分で学校を見に行き、肌で感じることが重要です。通えるかも含め、自分で体験することが重要だと思います」(神奈川県 高1男子 保護者)との声があった。
今回の調査からは、高校受験における志望校選びが、単に偏差値や進学実績だけで決まるものではなく、学校の雰囲気や通学のしやすさなど、家庭ごとにさまざまな要素を照らし合わせながら「わが子に合う環境」を探している姿が浮かび上がった。
《風巻塔子》
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