中学生の親が抱える悩み、スマホと成績が6割超…解決の鍵は?
子育て・教育
リセマム/教育・受験/中学生

同調査は、中学生の子供をもつ保護者を対象にインターネットを使用した任意回答による調査を実施し、100名の有効回答を得た。調査時期は2025年7月。なお、アンケートは複数回答のため、合計は100%を超える場合がある。
中学生の親が抱える悩みとして、もっとも多かったのは「スマホとの付き合い方」で62%。ついで「勉強・成績」が61%と僅差で続いた。半数以上の親が子供のスマホ利用と学業について課題を感じていることがわかる。以下、「進路」34%、「反抗期」22%、「思春期の子供への接し方」21%と、中学生の親ならではの悩みが続いた。
悩み1位の「スマホとの付き合い方」では、「スマホ依存」による生活リズムの乱れや成績への影響を心配する声が目立った。また、ルールを設定しても守られず親子関係が悪化することや、SNS利用に伴う「ネットリテラシー」教育の難しさに直面しているようすがうかがえる。
具体的な悩みとして、次のような声が寄せられた。「スマホを手放さず、夜遅くまで使ってしまうことが多く、生活リズムの乱れや学習への影響が心配です。使用時間を注意しても反発されることがあり、保護者としてどう関わるべきか悩んでいます。」「注意してもスマホをずっと使っていて、私を無視するのが悩みです。」「今はSNSをやらせていないが子供は高校生になったらやってみたいと言っています。できれば、成人まではSNSと距離を取ってほしいと思っていますが、交友関係にも影響するため、SNSとの向き合い方を教えないといけないと思っています。でも大人でさえ失敗することが多いため、正解がわからない。」
これらの悩みに対し、多くの親が親子で話し合ってルールを設けたり、休日に外出するなど物理的にスマホから遠ざける時間を作ったりといった対処を試みていることがわかった。
悩み2位の「勉強・成績」では、「やる気が出ず、勉強に身が入らない」「頑張っているのに成績が伸びない」「部活や友人関係とのバランスが取れない」といった要因がみられた。受験生であるにもかかわらず、本人に焦りがみられないことに親が不安を感じるケースや、努力が結果に結び付かず親子で戸惑うようすなどがうかがえる。
具体的な悩みとしては、次のような声があった。「受験生だと言うのにまったく自覚がなく勉強をしようという気がありません。成績もどんどん下がってきているのにまったく焦る気もなく、親が焦ってしまいます。親が口うるさく勉強しなさいと言っても、やっているフリだけでまったく勉強しないので本当に困っています。」「頑張って勉強していて、本人なりに工夫して努力しているのに成績が上がらないこと。」「息子はサッカー部に所属しているのですが、部活に夢中になって勉強が疎かになっていて成績がかなり悪くなっていて困っています。」
対処法としては、塾や家庭教師など外部の力を借りて学習環境を整えるアプローチのほか、親子で向き合い家庭でのサポート体制を築く、子供の気持ちに寄り添い精神面でサポートするといった方法が実践されていた。
悩み3位の「進路」では、子供が将来の目標をもてず進路を決められないことや、高校の選択肢が多様化し、親自身の経験則でアドバイスできないことに不安を感じているようだ。対処法として、親子で高校見学に参加するなど情報収集をサポートしたり、対話を通して子供の気持ちに寄り添ったりするアプローチがみられた。
4位「反抗期」、5位「思春期の子供への接し方」では、会話の減少や態度の変化、激しい感情の起伏に戸惑う親の姿が浮き彫りになった。対処法としては、子供のペースを尊重して適度な距離を保つ、LINEなどを活用してコミュニケーションを工夫する、専門家や周囲の意見を参考にするといった方法があげられた。
今回の調査結果から、多くの家庭で「スマホ」「勉強」「進路」といった課題が浮かび上がった。一方で、多くの親が子供との対話や接し方を工夫しながら、これらの悩みに向き合おうとしているようすもみえてきた。思春期の難しい時期において、「適度な距離」と「一緒に考える対話」を意識することが、悩みを乗り越えるきっかけになるかもしれない。
《風巻塔子》
この記事の写真
/