菅田将暉、フジ新ドラマの役は「鎌倉殿の13人」義経と共通する人物像「ショックを受けています(笑)」三谷幸喜氏との2度目タッグに喜び【「もしがく」インタビュー第1回】 | NewsCafe

菅田将暉、フジ新ドラマの役は「鎌倉殿の13人」義経と共通する人物像「ショックを受けています(笑)」三谷幸喜氏との2度目タッグに喜び【「もしがく」インタビュー第1回】

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菅田将暉「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(C)フジテレビ
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【モデルプレス=2025/09/24】フジテレビ系ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」にて、主演を務める俳優の菅田将暉(すだ・まさき/32)にインタビュー。第1回では、本作の脚本を手掛けた三谷幸喜氏に感じる凄さや連続ドラマに出演するにあたっての苦労について語ってもらった。【インタビュー全3回の第1回】

【写真】菅田将暉、傷だらけの姿

◆菅田将暉主演「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」

本作は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇。経済の安定成長期からバブル経済期への移行期にあたる希望に満ちた時代の中、まだ何者でもない若者たちの苦悩や挫折を描く。三谷氏の半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリーであり、菅田は、演出家としての成功を夢見る熱い青年・久部三成を演じる。

菅田が連続ドラマの主演を務めるのは3年半前に放送されていた「ミステリと言う勿れ」(同局系/2022年)以来となる。三谷氏が民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマ脚本を手がけるのは25年ぶりであり、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022年)以降、2度目となる菅田とのタッグに注目が集まる。なお、共演者には俳優の神木隆之介や女優の浜辺美波など錚々たる顔ぶれが登場予定だ。

◆菅田将暉「これをもう1回できるんだな」三谷氏との再タッグに喜び

― まず、脚本を読んだときの感想から教えてください。

菅田:もう最初から面白かったです。常に群像劇で描かれていて、1話がほぼ1日の話なので、みんな忙しなくて暇な人がいなくて、誰が主演かもあまりわからない(笑)。その感じがすごく劇団っぽいし、三谷さんらしい。三谷さんの群像劇がすごく好きなので、笑いと涙と、感情がいっぱいあるごちゃ混ぜ感が面白いなと思いました。

― 三谷氏との再タッグを聞いたときのお気持ちはいかがでしたか?

菅田:嬉しかったです。「鎌倉殿」で源義経をやらせてもらって、すごく大変だし難しかったのですが、楽しかったんです。三谷さんの書くお話はすごく感情が複合的というか、常に人間が多面的に動いていて。だからコメディにも振れるし、シリアスにも振れる。場面の片方は爆笑していて、もう片方は号泣している、というような。そういうシーンの連続なので役者としては大変だし、集中力や気合が結構必要なんですが「これをもう1回できるんだ」とすごく楽しみでしたし、ワクワクしました。

◆菅田将暉が感じる三谷幸喜氏の凄さ

― 三谷さんが描くキャラクターはすごく面白いですよね。

菅田:そうですね。人をよく見ているんだと思います。時々、現場にも来てくださるので、お話しするのですが、「イメージであて書き(その俳優を想定して脚本を執筆する手法)で書いたら、まんまその人だった」ということが結構あるらしくて。今回もあて書きの方が何人もいるんですが「僕はこんなふうに見えているんだ」と演じながら、ショックを受けています(笑)。三谷さんは自分で考えつつも、キャラクターが勝手に喋り出したり、勝手に筆が進んだりすることもあるみたいなので、その辺の直感力がすごいんだと思います。役柄にもその人の醸し出すものが絶対出てくるので。特に、ドラマという長期のものでスピード感のいる現場だと、よりその人のパーソナリティって役に出ると思うんです。「映画ほど嘘がつけないな」と思うのですが、今回もその辺がすごくいい味を出していると思います。素質が出ているというか、「その人じゃないと、このニュアンスって出ないよな」という部分を引き出してくれていると思います。

― クランクインされて数ヶ月経ちましたが、演じてみた印象はいかがですか?

菅田:三谷さんのことに限らず、知らないことがいっぱいありました。当時の渋谷の様子もそうだし、ストリップ劇場で、合間に芸人さんが寄席のようにネタをされていたり…シェイクスピアのオマージュが沢山あるというのも新しいし、新鮮でした。みんながポジティブで、明日に前向きで上を向いているというか「何にもないんだけど全部ある」という。「変なエネルギーがいっぱい詰まっていた時代」という印象があり、今後も演じるのがすごく楽しみです。

◆菅田将暉から見る主人公・久部は「本当に自分勝手」

― 菅田さんから見て、久部はどんな人物ですか?

菅田:本当に馬鹿というか(笑)。演劇に対する熱量、蜷川幸雄先生やシェイクスピアに対する愛情は本物なんでしょうけど、それだけなんですよね。基本的に空回りしているし、三谷さんにも「もっと自分勝手で」と言われて。本読みをしたんですが、その後に「あまり人の話を聞かなくていい」と言われました(笑)。「ほかの人のセリフをそんなに受けすぎなくていい」って。その辺は、僕もかなり徹底して演じています。

久部は、本当に自分勝手だし、嫌われていくので(笑)。「それは嫌われるよ」ということをしていくんです。それがやっぱり面白いですね。大体、テレビドラマの主人公って好かれるでしょ?犯罪者であろうと好かれていくべきなんですよ、ドラマなんだから。でも久部は、どんどんみんなに嫌われて人が離れていく。視聴者の方には、久部のダメなところを1回好きになりそうになってもらいつつ、でもやっぱり嫌われつつ、と思いながら演じています(笑)。

― どんな話なのかすごく気になります!

菅田:そうですよね。喜劇だと思うかもしれませんが、これは喜劇ではないです。本当に「観ていられない喜劇」だと思って演じています(笑)。

― 演じられていて、楽しいですか?

菅田:楽しいです。基本的にやりとりがもう楽しい。それぞれが自分勝手な作品ってすごく好きなんです。調和を取ろうとしないが故にいろいろなことが起きて、それぞれの個性も爆発していくというのは演じていて楽しい。今回、キャスト的にも普段なかなかドラマで出会えないような方が何人も出ていらっしゃるので、俳優の現場ではあまり見ない空気感だなと思っています。

◆菅田将暉「鎌倉殿の13人」に続く役柄に思わず笑顔

― 菅田さんから見て久部は愛すべき役ではあると思いますか?

菅田:愛すべき役だなと思います。でもたまに、自分でもだるくなるんです(笑)。『こいつマジでいい加減にしろよ』って(笑)。でも、そういう人間として「本当にダメな部分」を全力でできることなんて、現代ではお芝居くらいじゃないですか?だから楽しいです。

― 菅田さんご自身が久部と似ていると思う部分はどこでしょうか?

菅田:久部ほどではないですが、僕も割とわがままなので、野心があって、自分の大好きなものがあって、それに邁進しているときには、ほかがあまり気にならない感じはすごく理解できます。でも、義経のときもそういう描かれ方だったので三谷さんにそういう人だと思われているんだと思います(笑)。「こいつは人を見殺しにして前に進んでいくやつなんだな」と(笑)。

― 共通する部分があるということですが、反対に演じていて難しいと思う部分はありますか?

菅田:久部は、人の気持ちを無視したり、話をあまり聞いていないのですが、これはコメディの鉄則なんです。相手の言葉を聞きすぎていると間も遅れるし「自分の発言が弱ったりするな」と思うので、その度合いが難しいです。僕は、久部ほど意思がないのであまり向いていないなと思います。なので、そこは常にテーマとして置いています。

◆菅田将暉、スタッフから驚きの一言「やっと」

― クランクインされて数ヶ月経っていますが、今でもその部分は大切にされているんですか?

菅田:ずっとありますね。「話を聞きすぎてもな」と思ったり、伝えるときにはちゃんと伝えるけど、話を受けすぎないようにしたり。台本に、「久部:(聞いていない)」と書かれていることがすごく多いんです。役としては聞いていないけど、僕としてはお芝居的に聞いていなきゃいけないので難しいなと思います。

― 久部のキャラクターがかなり濃いですね。

菅田:ごめんなさい(笑)。先に言っておくと、久部は1話から6話くらいまでほとんど傷だらけなんです。血だらけのシーンが終わったとき、ヘアメイクさんが「やっと普段の顔見せられたよ」と言うくらい(笑)。

◆菅田将暉、連ドラ主演の使命「俳優部の窓口」

― 連続ドラマの主演は3年半ぶりになりますが、菅田さんにとって「3年半」という年月は長かったですか?それとも「まだ3年半しか経っていないのか」という印象ですか?

菅田:「3年半は経ったな」という感じですね。やっぱり連続ドラマは大変ですし、「(この大変さを)忘れていたな」と思いました。

― 連続ドラマならではの大変な部分を教えてください。

菅田:集中力や緊張感、グループを維持することですかね。映画だったら、尺が2時間、3時間ですが、ドラマだと11話くらいまであって、映画の3、4倍くらいの分量を撮るので。今回、メインの登場人物がずっと一緒に演じるので、いかにこのメンツで飽きず、いろいろな差し入れやちょっとした遊ぶものを用意するか、普段の会話をしすぎてもダメだし、しなさすぎてもダメ。そういうところがドラマならではだと思います。

僕が俳優部の窓口となっていたので「現場でこんなことありました」とスタッフさんに言われたら「じゃあ伝えときます」とキャストに伝えたり。「もっとこういうのがあったらいいんじゃないか」「みんなで相談しよう」という場面があると、「そうだった」「ドラマの現場ってこうだったな」と思い出したりしました。それは、先輩たちがやってきたことなので「自分もそうできたらな」と思っています。

◆菅田将暉が考えるテレビドラマの在り方

― 「ミステリと言う勿れ」のインタビュー(2022年)の際に「地上波のドラマはかなり厳しい状況。戦わなきゃという気持ちもある」とドラマに対する責任感のお話をされていたのが印象的でした。そこからさらに配信視聴も進んだ今、菅田さんはテレビドラマの在り方についてどう考えられていますか?

菅田:いいこと言いますね、僕(笑)。でも、本当にそうなんです。気持ちはインタビュー時からあまり変わっていないですが、ただ、今回の現場は希望に溢れています。オープンセット然り、三谷さんの脚本の力ありきですが、できるだけインする前に台本を揃えてもらいました。前もって準備できることがあればあるほど、スタッフさんも余裕が持てるし、役者陣も気持ちを作ることができるんです。

「ギリギリで撮影していく」というのも今なお普通にありますが、いいものを作る上ではマイナスなことが多くなっていく。でも、もちろん(脚本を)書くことは大変。ただ、今回はなるべくプロデューサー陣や三谷さん含め、みなさんが準備をできるだけ前もってしてくださったおかげで、ドラマの在り方がクリアになっている部分は多いと思います。

★第2回では、菅田が蜷川幸雄氏から学んだことをはじめ、役作りや本作の舞台である渋谷への思い出について語ってもらった。(modelpress編集部)

◆菅田将暉(すだ・まさき)プロフィール

1993年2月21日生まれ、大阪府出身。2009年に俳優デビュー。2013年に映画「共喰い」で第37回日本アカデミー賞・新人俳優賞、2018年には映画「あゝ、荒野 前篇」で第41回日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞を受賞した。2017年、ソロ歌手としてデビューするなど、多方面で目覚ましい活躍を見せている。2025年12月、NHK放送100年特集ドラマ「火星の女王」への出演が控えている。

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《モデルプレス》

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