【大学受験2028】松山東雲女子大学、共学化・小学校教員養成課程導入へ
子育て・教育
リセマム/教育・受験/高校生

松山東雲学園の前身は1886年設立の四国で最初の女学校「私立松山女学校」にさかのぼる。女子の就学率が低かった時代に、女性の自立と人格形成を重視し、地域社会に貢献する人材育成を掲げて始まった教育活動は、その後時代のニーズにあわせて発展し続け、1964年に松山東雲短期大学を、1992年に松山東雲女子大学を開学。以来学科改編を重ねながら教育・研究活動を展開してきた。
今回の改革では、小学校教員不足が全国的に課題となる中、幼児教育や福祉分野で培った教育力を生かし、幼稚園・保育園と小学校をつなぐ「架け橋期」に対応した教育の充実を目指す。愛媛県内の私立大学において、小学校教員養成に向けた本格的な取組みは展開されておらず、これまで県外進学を余儀なくされていた高校生の受け入れ先となることも期待されている。また、在学生が通信制課程を経由して免許を取得する従来の仕組みに比べ、学内で取得可能となることから、学生の経済的負担軽減にもつながる。県内の小学校教員不足という大きな課題にも対応する改革として期待が寄せられる。
一方で、女子大学は全国的に少子化や定員割れの影響を受けやすい状況にある。松山東雲女子大学も「地方」「小規模」「女子大」という3つの条件にあてはまり、将来の安定的な運営に課題を抱えていたという。今回の名称変更と共学化は、こうしたリスクを克服し、多様な学生を受け入れて社会に必要な人材を育成するための中期計画の一環とされている。新体制は2028年度以降の入学生および2030年度以降の編入学生から適用される予定。ただし、文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期等が変更となる可能性がある。
なお、松山東雲短期大学や松山東雲中学・高等学校については、引き続き女子教育を継続する方針。大学としては、これまで築き上げてきたキリスト教精神に基づく教育理念を継承しつつ、新しい時代に対応した教育体制の整備に取り組んでいくとしている。
《畑山望》