東京大学経済学部金融学科3年、さんきゅう倉田です。芸人をしています。
東大にはさまざまなプログラムが存在することを以前から紹介している。リーマンショックの前にはアメリカの証券会社による寄付講座があって、提出物が評価されるとニューヨークに行くことができたし、春休みに行われる生成AIを使ったコンペで優勝するとカリフォルニアに行ける。
そのようなプログラムには、当然ぼくも参加していて、8月に万博に行かせてもらった。名称は伏せるが、成人なら誰もが知っている有名かつ就活偏差値で上位10社に入るような企業の寄付講座で、2泊3日だった。
筆者は万博についてほとんど調べずに会場に赴いてしまい、大変後悔している。もっと調べてから行くことで存分に楽しめたはずである。
大阪から帰ってきてから、万博へ執着し、公式のYouTubeチャンネルで動画を漁っている。ラスト万博、これから万博に行く方がいるというなら羨ましくて仕方がない。
パビリオン以外でも楽しめるポイントはいくつもあった。今回は「予約ゼロ」でも満足できる見どころについて紹介したい。
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▶おすすめのお土産屋
「お土産を買うつもりがなかった」のに、ついつい買ってしまったもの
日本館の抽選に当たらなくとも、日本館の出口付近にグッズの販売所があるので、ぜひ覗いてみてほしい。
万博でお土産を買うつもりはなかったが、思わず27,300円分も購入してしまう。それくらい日本館に夢中だった。
金と白のフラクタルな柄は日本の伝統と現代のデザインが溶け合っているようで、知っている人間しか万博で購入したと判断できないところが素晴らしい。
はっきりとした赤と青を使うミャクミャクのデザインも素晴らしいが、来年以降、ないしは、東京で使用するのは憚れるような気がした。
その点、流行り廃りのない日本館のデザインは持続可能性が高い。
▶「隠れミッキー」のようなこみゃく探しも!?
万博のあちこちで見られる「こみゃく」を撮影して楽しむ
会場のあちこちに、デザインシステムによって一貫された“こみゃく”がいる。
一貫しているけれど、同じではない。多様な「こみゃく」である。
たくさんのアーティストが共通のモチーフやデザインを共有・認識して描かれたことが分かる。そして、それが如何に困難なことであるかは、取り組んだ彼らやシステムの構築者にしか分からない。
ただ、それでいい。我々素人はそのアートの楽しさや美しさを純粋に感じればいい。
会場内の至る所に描かれたこみゃくを見つけ、写真を撮り、思いを馳せる。混雑した10月の会場ではそのような体験も一興ではないか。
「EXPO 2025 Design System」のホームページ(こちら)では大阪万博のデザインシステムが紹介されている。
パビリオンの予約がうまくできず、行く前から気分を落としている人がいるかもしれない。でも、きっとその人なりの楽しみ方がある。
パビリオンを担当した建築家は皆素晴らしく、あのようなデザインが一つの敷地に集合することは万博以外でないだろう。大屋根リングからの景色、多様な文化が混じり合う道、洗練されたスタッフのユニフォーム、誰も気に留めないベンチ、どれも美しい。
ゆっくり眺めれば、「来てよかった」と思えるはずである。
未使用のチケットを持っているみなさんが羨ましい。大阪から帰ってきてから、日々そう思う。