「どうして離婚しないの?」アラフォーバリキャリ女性、夫のモラハラに苦しみ、それでも一緒に居続ける「これだけの」理由 | NewsCafe

「どうして離婚しないの?」アラフォーバリキャリ女性、夫のモラハラに苦しみ、それでも一緒に居続ける「これだけの」理由

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
「どうして離婚しないの?」アラフォーバリキャリ女性、夫のモラハラに苦しみ、それでも一緒に居続ける「これだけの」理由
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モラハラ・夫婦問題カウンセラーの麻野祐香です。


  
モラハラに悩む男女から実際にうけた相談を元に、心理的解説を行ってゆく本シリーズ。今回は、外資系企業で管理職を務め、部下の育成にも定評がある女性Hさんのお話です。

Hさんは、会議では的確な判断をし、どんなトラブルも冷静に処理する「仕事のできる女性」です。上司からの信頼も厚く、社内では“完璧な女性”として知られています。

しかしそんな彼女は、家に帰ると、夫のモラハラに悩まされています。安定した仕事につき収入もある彼女がなぜ離婚を選択できないのか、心の葛藤をお聞きしました。

※本人が特定できないよう設定を変えてあります

※写真はイメージです

外ではバリキャリの彼女、家では夫に何も言えない理由

Hさんは、会議ではリーダーとしてチームをまとめ、社外のプレゼンでも堂々と話す自信に満ち溢れたアラフォー女性です。

「他人から見たら、私は怖いものなしに見えるかもしれませんね。でも、本当は全くそんなことはないのです。毎日、会社から帰りの電車に乗って、地元の駅に近づくにつれて動悸が激しくなっていきます。そして家のドアを開ける時には、会社での自信に満ちた私とは別人のように、弱気になっているのです」

Hさんの夫は在宅で仕事をしており、ほとんど一日中家にいます。パソコンに向かってキーボードを叩く音と、ときどき誰かに話す声。Hさんが玄関で靴を脱ぐと、リビングから聞こえていたその音がふっと止まりました。その一瞬の静けさで、夫が自分の帰宅に気づいたのだということが分かりました。

「今日も遅かったな。」

姿は見えませんが、低い声が響いてきました。その声が耳に入った瞬間、Hさんは体に力が入るのを感じました。

「会議が長引いちゃって…」

「毎日同じ言い訳だな。」

この夫の静かな声は、Hさんの心を恐怖で包むのです。怒鳴らない、でもその低い冷酷な声に恐怖を感じるのです。

夫は、以前は通勤していましたが、コロナ禍をきっかけにほぼ在宅勤務になりました。そのせいで、Hさんの生活は以前と大きく変わったのだといいます。夫は自分の部屋があるにもかかわらず、リビングの一角を仕事スペースにしていました。パソコンや資料がテーブルに広がり、家の中心が常に夫の領域になっています。Hさんがリビングでくつろぎたくても、いつも夫の存在が目に入ってくるのです。



以前はリビングのテレビで朝ドラを見ながら身支度をすることができましたが、いまはテレビをつけることもありません。小さな物音でも、夫の舌打ちが返ってくるのです。

「出かけるとき、もう少し静かにしてくれないか?」

そう言われたことが何度かあり、それ以来夫を気にして家の中でも気を使い続けています。

夫が「家庭での緊張感」を必要とする理由とは

実は夫にとって、家族と一緒にリラックスして過ごす状態ではなく、「家族が自分のために気を張って過ごす状態」こそが「落ち着く家庭」なのです。こうした行動の裏には、モラハラ特有の心理的な構造があります。全員に全てが当てはまるわけではありませんが、代表的なものは以下の3つです。

自分の存在を常に意識させたい欲求がある
モラハラの人は、「自分の影響力がどれほど大きいか」を感じることで安心します。相手が気を使う様子を見ると、自分の価値を確認します。あえて家族の目に入るリビングを拠点にすることで、家庭全体を自分の管理下に置こうとします。

自分の思い通りに動く環境でなければ不安になる
家庭を「癒しの場所」ではなく、「自分の秩序を保つ場所」と捉えているため、他人のリズムや音、予測できない行動に強いストレスを感じます。結果として、相手の自由を制限し、すべてを“自分のペース”で動かそうとします。

周囲が気を使うほど、支配力に満足する
相手が萎縮したり、慎重に行動したりする様子を見ることで、「自分が中心だ」という満足感を得ます。怒る必要もなく周りがいうことを聞く支配が心地良く感じています。冷静に自分の存在を認めさせるテクニックです。

沈黙を「支配」のツールとして使う夫

そのうち家の中での会話は減り、静寂と沈黙が日常になっていきました。怒鳴られたり、責め立てられたりするわけではない。それでも「何も言われない」ことが、かえって恐ろしくなるのです。

サイレントモラハラの特徴は、言葉を使わずに相手を支配することです。必要最低限の言葉と態度だけで家族を支配します。「沈黙」は、支配者にとって最も効率のよい“コントロールの道具”なのです。

怒鳴り声よりも、無言の圧のほうが、ずっと心を削ることもあります。相手が何を考えているのか分からないと、人は想像で自分を責めてしまうからです。Hさんも、夫が黙るたびに「私が何か悪いことをしたのかもしれない」と思い直していました。

休日くらいゆっくりしたい、そうHさんは思うのですが、夫は休日も家にいます。リフレッシュするための休日なのに「夫が何をしているのか、自分に対して何を思っているのか」ずっと気になってしまって気が休まりません。いつの間にか、Hさんにとって自宅は「心をすり減らす場所」になっていました。

家庭という本来安らぐべき空間が、常に相手の機嫌を探る場所に変わると、心が休まらずにいつも緊張状態が続くことになります。Hさんは夫に対して、言いたいことも言えなくなり、言葉を飲み込んで我慢することが増えていきました。

完璧主義の人ほど離婚を選べない理由

Hさんは、何度も離婚を考えました。

Hさんは仕事も順調で、いまの収入があれば経済的に困ることはありません。それでも、「別れる」という結論を出すことができなかったのです。

夜、仕事を終えて帰宅し、夫と一言も話さず夕食をとり、1日が終わります。無言のまま同じ空間にいる夫の存在を、もう家族とは思えない。「この生活を続けている私は、どこかおかしいのかもしれない」そう思っても、どうしても離婚を選べないのです。なぜ、完璧主義のHさんが離婚を選べないのか。そこにはいくつかの心理的な要因が重なっています。

「努力すれば何とかなる」という成功体験の呪縛

Hさんはこれまで、努力で結果を出してきました。勉強、仕事、人間関係、どんな場面でも「頑張れば報われる」と信じて生きてきた。だからこそ、夫婦関係も“努力で立て直せる”と考えてしまうのです。

けれど、モラハラのように相手の支配が根底にある関係では、努力が報われることはありません。相手を変えようとするほど、むしろ支配が強まることすらあるのです。それでもHさんは、「自分が努力をやめたら終わりだ」と思い込み、離婚を選択できないのです。

「壊すこと=負け」と感じてしまう完璧主義

完璧主義の人にとって、“続けること”こそが誇りです。途中でやめる、手放す、諦める 、その行動を、自分の価値を下げるものとして捉えてしまうのです。Hさんもそうでした。どんなに傷ついても、「私が壊した」「私ができなかった」と自分を責めてしまうのです。

離婚は、“現状を壊す勇気”が必要な行為です。けれど完璧主義者にとって、「壊す」は「負け」と同義です。だからこそ、理不尽に耐えながらも、現状を“維持する努力”を続けてしまうのです。

「人からどう見られるか」に自分の価値を置いている

完璧主義の人は、常に「他者の評価」を基準に生きています。褒められること、認められること、信頼されること。それらが、自分の存在価値を支える柱になっています。

Hさんは「離婚した」と人に知られることを何より恐れていました。「可哀そう」「失敗した」「家庭を守れなかった」と思われるのが怖いのです。世間体なんて気にしなければいいのに、人の評価を第一に考える人にとって、離婚は失敗、人から笑われるものと思い込んでしまうのです。家庭もキャリアも完璧に両立してきたからこそ、離婚を選ぶことは“自分の人生を間違いだったと認めるようなもの”と感じてしまうのです。

本編では、完璧主義の女性Hさんが、静かな支配に苦しみながらも離婚を決断できない理由についてお伝えしました。

▶▶「離婚=失敗」と思い込む女性たちへ。完璧主義がモラハラを終わらせられない本当の理由

では、Hさんがどのように自由になっていったのか、そして麻野先生が語る「自分の心を取り戻すヒント」についてお届けします。


《OTONA SALONE》

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