本作は、モーパッサンの古典的名作小説「ベラミ」(※「美しき友」の意)を下敷きに、ジム・ジャームッシュを敬愛し、“黒竜江省のジャームッシュ”ともいうべき、そのオフビートな作風が世界の映画祭で注目されているゲン・ジュン監督の日本初公開作品。

同じ頃、街をぶらつく大餅(ダービン)売りは若い男と別れたばかり。ある日、カフェを装ったハッテン場で巡り会った2人は、街をぶらつき、サウナに籠り、求め合い、真実の愛に近づいていく――。

男たちの高まる気持ちは果たしてどこに向かうのか…。
ブラックなジョークとユーモア、胸に秘めた高まる気持ち。すれ違う中年の男たちが紡ぐ、シュールで温かな孤独と愛。黒竜江省のジャームッシュ、ゲン・ジュンが、凍てついた風景に孤独な魂たちを投げ込み、彼らの愛の形をオフビートなリズムで刻む。モノクロームの削ぎ落された映像が、人間の孤独と愛を、美しく浮かび上がらせる。



